Read Article

ニコプロpresentsインディージュニアの祭典「ぼくらはみんないきている2」

ニコプロpresentsインディージュニアの祭典「ぼくらはみんないきている2」

ニコプロpresentsインディージュニアの祭典「ぼくらはみんないきている2」
日時:2023年5月31日(水)
開場:18時00分
開始:19時00分
会場:東京・新木場1stRING
観衆:前回とプラスマイナスゼロ(主催者発表)

ダークマッチ 松本幼稚園presents シングルマッチ 時間無制限1本勝負
「2」(パンクラスイズム横浜)
3時間58分 会場完全撤収時間となったため
花畑正男(フリー)
第1試合 RYSKパートナーズpresents ALL2カウントマッチ シングルマッチ 10分1本勝負
佐藤光留(パンクラスMISSION)
10分00秒 時間切れ引き分け
若松大樹(2AW)
第2試合 ヨコハマエンターテインメントpresents タッグマッチ 30分1本勝負
翔太(ガンバレ☆プロレス)
ミッチ・ライダー(フリー)
7分52秒 タイソンスプラッシュ→エビ固め
前口太尊(飯伏プロレス研究所)
香取貴大(イーグルプロレス)
第3試合 3代目佐野直発掘ランブル 時間無制限勝負
石黒淳士
10分22秒 横入り式エビ固め
2代目佐野直
①○佐野直〈1〉(3分24秒 オーバー・ザ・佐野直)セレジェイラ@熟女グレイシーハンター〈5〉●
②○魔苦・怒鳴門〈4〉(5分5秒 ナイトメア→体固め)KURO-OBI〈6〉●
③○岡田剛史〈7〉(6分18秒 アンクルホールド)ヒップホップマン〈2〉●
④○佐々木幹矢〈3〉(7分17秒 オーバー・ザ・トップロープ)謎のマスクマン〈8〉●
⑤○魔苦・怒鳴門(8分47秒 回転エビ固め)岡田剛史●
⑥○佐野直(9分1秒 オーバー・ザ・佐野直)魔苦・怒鳴門●
⑦○2代目佐野直〈9〉(9分59秒 腕ひしぎ逆十字固め)佐々木幹矢●
⑧○2代目佐野直(10分15秒 スリーパーホールド)佐野直●
⑨○石黒淳士〈10〉(10分22秒 横入り式エビ固め)2代目佐野直●
※石黒淳士が優勝し、3代目佐野直となる。〈〉内の数字は登場順。
第4試合 新太平洋運輸株式会社presents 6人タッグマッチ 30分1本勝負
阿部”THE MAJOR”史典(フリー)
チチャリート・翔暉(2AW)
橋本和樹(大日本プロレス)
4分13秒 反則
和田拓也(フリー)
勝村周一朗(ガンバレ☆プロレス)
山本裕次郎(フリー)
再試合 新太平洋運輸株式会社presents 6人タッグマッチ 30分1本勝負
阿部”THE MAJOR”史典(フリー)
チチャリート・翔暉(2AW)
橋本和樹(大日本プロレス)
7分34秒 アイルビーバック式おハムロール→エビ固め
和田拓也(フリー)
勝村周一朗(ガンバレ☆プロレス)
山本裕次郎(フリー)
セミファイナル デッドリフ太郎presents 6人タッグマッチ 60分1本勝負
渡辺壮馬(GLEAT)
十文字アキラ(JTO)
梶トマト(飯伏プロレス研究所)
15分23秒 ファイヤーバード・スプラッシュ→片エビ固め
ライジングHAYATO(愛媛プロレス)
橋之介(A-TEAM)
下村大樹(BASARA)
メインイベント デッドリフ太郎presents インディペンデントワールド世界ジュニアヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]椎葉おうじ
16分47秒 雲外蒼天
[挑戦者]ヤス・ウラノ
※第35代王者が3度目の防衛に成功。
緊急決定試合 デッドリフ太郎presents インディペンデントワールド世界ジュニアヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]椎葉おうじ
46秒 大蛇絞め
[挑戦者]ヤス・ウラノ
※第35代王者が4度目の防衛に成功。
緊急決定試合 デッドリフ太郎presents インディペンデントワールド世界ジュニアヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]椎葉おうじ
14秒 モダンタイムス
[挑戦者]ヤス・ウラノ
※第35代王者が5度目の防衛に失敗、ウラノが第36代王者となる。
緊急決定試合 デッドリフ太郎presents インディペンデントワールド世界ジュニアヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]ヤス・ウラノ
22秒 横入り式エビ固め
[挑戦者]椎葉おうじ
※第36代王者が初防衛に失敗、椎葉が第37代王者となる。

18時の開場と同時に「2」vs花畑正男のダークマッチが開始。昨年夏の川崎大会、同年11月の第1回インディージュニアの祭典と、決着がつかず抗争が長期化している両者の対決だが、今度こそ決着をつけようといきなり20分以上の睨み合いからスタート。その後、いろいろあって「2」のアック2ボンバーが玉川レフェリーに誤爆。レフェリー不在の無法地帯になってしまったことで、またもや決着がつかないのかと思われたが、ここで「2」が秘策として『笑ってはいけない音読』なるカードゲームを持ち込む。ようはカードに書かれた指令の通りに昔話を音読して、笑ってしまったらロストポイント1になるというもの。ロストポイント2になったら負けということで、これなら完全決着がつくと思われたが、両者必死に笑いを堪え…たのかどうかは不透明だが、またしても試合は長期化。ついに大会開始時間の19時になったため、またしてもリング上ではダークマッチが行われた状態のままオープニングVが流れ、その後大会プロデューサーの佐藤光留が登場。
リング上で音読による読み聞かせが行われている横で、プロデューサーが挨拶をするというシュールな展開に。光留は「前回はメジャー…メジャーのって言い方もおかしいんですけど、ジュニアの夢の祭典が開催されそうだという時点で、とっととやってしまおうということでインディージュニアの祭典『ぼくらはみんないきている』を開催しました。そのあと本戦というか、3月にジュニアの祭典が…(2と男に)ちょっとボリューム落としてくれないかな? 気が散るんで。……失礼致しました。3月にジュニアの祭典がありまして、こういう言い方をするとアレなんですが、さすがメジャーがプロデュースする大会はスゴイなと。僕も出たんですけど、自分自身にも大きな影響がありまして。まさかの写真集が、3月から250部売れました! ビックリです! 本戦に出て人生が変わった選手も中にはいるみたいです。あれからメジャーとインディーというものがどんどん薄くなっていく中でですね、やはりあの試合に、あの興行に、ジュニアの祭典に出るだけが日本のジュニアのすべてではない! そう思う時間が僕にもたくさんありました。インディーの…いま、もうインディーという括りが非常に難しい言葉になっていますけど、それは決して“足りない”とか“実力がない”とかって意味ではなくて、メジャーに出なくてもプロレスラーとして生きていけるという意味で僕はインディーだと思うんですけど、インディーにもスゴイジュニアの選手はたくさんいます!(ここで再び2が音読し場内爆笑)……何を言おうとしたんだっけ。今日、当日で佐野直発掘ランブルに2名の参加が決まりまして。ミッチ・ライダー選手に関しては本当は今日(オーストラリアに)帰る予定だったんですけど、『もし出られるならフライトをズラす』ということで、このチャンスを掴みに今日出場してくれることになりました。相変わらずリング上はヒドイことになっております! 3月に行ったのが夢の祭典ならば、完全にこっちは夢のない祭典ではございますが、それでも今日出ている選手は誰一人プロレスラーとして劣っているなんて誰一人思っている奴はいません! ただただ自分の信じているプロレス、レスリング、インディーのプロレスを信じて闘っているだけです! 確かに生きてはいるんです! 誰も知らないだけで。もしこの大会の趣旨に少しでもそぐう…(ここで再び2が音読し場内爆笑)うるせー! うるせー! スゴイ奴がいたらSNSで言ってくれって言いたいのに、うるせーお前ら! 黙れ! うるせー! とにかく! いい選手がいたらドンドンつぶやいて、そいつらを見てくれ! ありがとうございました!」と、どうにか挨拶を終えると「2」と正男を蹴り飛ばし、一喝してバックステージに強制連行した。

この日はテーマ曲が鳴った段階で試合順が判明するのだが、第1試合でいきなり大会プロデューサーが登場! 佐藤光留(パンクラスMISSION)vs若松大樹(2AW)のALL2カウントマッチ。最近ではデスマッチ線戦で大活躍の若松だが、まだド新人の頃から光留が目を掛け、自身の興行に呼んでいたこともあり、いまだに若松は佐藤光留興行に出る際は「初心を思い出すため」と黄色いショートタイツとレスリングシューズ姿。ある意味で恩人とこの舞台で一騎打ちは感慨深いものがあるだろう。ガッチリと握手を交わしてから試合が始めると、まずはオーソドックスなレスリングを展開。エルボーの打ち合いから、光留は「全然痛くありません!」とエルボーを打ち込んでからソバット。しかし若松もカウンターのドロップキックからカバー。カウント1で返した光留は腕十字に捉えるが、若松はロープエスケープ。しかし光留が離さないでいると、石黒レフェリーは反則カウントを数える。これも2カウントで負けとなるため、光留は慌てて離れると「誰だ、こんなルール考えたの!」。若松から「オマエだろ」と正論を言われた光留は、トップロープを下げて突進してきた若松をエプロンに出す。しかし若松はロープ越しにブレーンバスター。どうにかエプロンに着地した光留だが、若松はフロントキックで光留を場外に蹴落とす。光留も若松の足を引っ張って場外戦に。光留が戻るように指示する石黒レフェリーを突き飛ばすと、すかさず場外カウントを数える石黒レフェリーだが、これも2カウント入った時点で試合終了となるため、両者ともリング内に飛び込む。実にスリリングなルールだが、光留は蹴りで若松の左腕を集中攻撃。右腕一本でエルボーを打っていく若松だが、光留は水車落としからアームロック。しかし片腕でのボディスラムで脱出した若松は、一転して丸め込みを連発。キックアウトした光留だが、若松はヘッドバットからのミサイルキックで光留を吹っ飛ばす。どうにかカウント1で返した光留だが、チョップの打ち合いをしている間に残り1分。若松はジャーマンで投げるが、光留は腕を掴んでアームロック。そこからワキ固め、さらに腕十字と流れるようにスイッチしていくが、ここでゴング。光留は若松がギブアップしたかと思ったようだが、時間切れのゴング。試合後、光留と握手をした若松だが、次の瞬間、光留の腕を掲げると思わせておいてヘッドバットをお見舞い。成長した姿をこれでもかとアピールしてみせた。

第2試合は翔太(ガンバレ☆プロレス)&ミッチ・ライダー(フリー)vs前口太尊(飯伏プロレス研究所)&香取貴大(イーグルプロレス)。翔太と香取の先発で試合開始。翔太がヘッドロックで捕まえて丸め込んでいくが、香取もジャンピングエルボーからドロップキック。さらにミッチの串刺し攻撃をかわして、逆に串刺しニー。さらにビッグブーツをかわして足を踏んづけるとドロップキック。続いて太尊が蹴り飛ばしていくが、太尊の突進をかわしてダブルリストアームサルトで投げたミッチはタッチ。翔太がシルバーブレットを投下すると、続けてミッチもシルバーブレット。翔太が太尊を捕まえるが、カウンターのドロップキックを返した太尊はタッチ。香取はミッチにランニングエルボーからダイビングエルボー。ミッチもツイスターを返すとタッチ。翔太はスイングDDTを狙うが、防御した香取はウラカン・ラナ。キックアウトした翔太はラウンドハウスキックを狙うが、かわした香取はバックドロップ。タッチを受けた太尊はローリングソバットからランニングロー。しかしハイキックをかわした翔太はラウンドハウスキック。そこからタッチを受けたミッチはエプロンからジャンプしてロープ、さらに太尊も飛び越えて、太尊の背後に着地した瞬間にジャーマンでブン投げる。さらにブレーンバスターの体勢からそのまま投げ落とす。カットに入った香取はウサギのぬいぐるみをミッチにパス。思わずキャッチしたミッチにランニングニーを叩き込む。そこに翔太が飛び込んでくると、太尊がスワンダイブ・ミサイルキックを発射するが、翔太がかわして香取に誤爆。さらに翔太は太尊の攻撃をかわして、場外の香取に向かってトペ。ミッチが太尊を丸め込んでいくが、キックアウトした太尊はあごしつれいいたします(仮)からバズソーキック。翔太がカウント2でカットしたが、香取が翔太にカタストロフィを決めている間に、太尊がタイソンスプラッシュを投下してミッチから3カウントを奪った。

第3試合は3代目佐野直発掘ランブル。オーバー・ザ・トップロープに加え、“佐野直を超えていったら負け”となるオーバー・ザ・佐野直ルールが採用された時間差バトルロイヤル。最初に登場したのは(初代)佐野直と、事前発表がなかったため当日参加と思われるヒップホップマン。今イチオーバー・ザ・佐野直ルールを理解出来ていないようなヒップホップマンに対し、どうにか自分を超えさせようとする佐野。その間に3番手の佐々木幹矢が登場し、佐野と共闘してヒップホップマンを攻撃。しかし佐々木は佐野にも南部式ナックルをお見舞いすると、4番手の魔苦・怒鳴門が登場。魔苦に迫られたヒップホップマンはコーナーに避難。オーバー・ザ・トップロープ寸前になりながら逃げて行く。そこに第1回大会での佐野直発掘ランブルである意味主役だったセレジェイラが登場。天敵・福士”赤天狗”直也はいないのに、なぜかヒップホップマンがラリアットからの天狗ドライバー。しかし、成長したセレジェイラはカウント2で返す。すかさず佐野がショルダースルーで投げると、これが“佐野を超えた”格好となり、セレジェイラ失格。ここで5番手のKURO-OBIが登場。ヒップホップマンにローリングソバットを見舞ったKURO-OBIは、イマナリロールで魔苦に絡みつくと腕十字へ。もがき苦しむ魔苦だが、なぜかもがきながらコスチュームを脱いでいく。そこに6番手の岡田剛史が登場。その間にVタイツ姿の魔苦がKURO-OBIの顔面にナイトメアをお見舞いし、そのままカバーして3カウント。KURO-OBI失格。ロープに飛び乗ったヒップホップマンが岡田に振り向きざまのミサイルキック。さらにバーディクトを決めるがカウントは2。岡田もネックブリーカーからアンクルホールドを返し、ギブアップを奪ってヒップホップマンは失格に。ここで大柄で刀を持った全身黒ずくめの謎のマスクマンが、客席を徘徊しながら登場。どうやらこの選手の当日参加の選手の模様。リング内に入ってきた謎のマスクマンはハイキックで次々に選手たちをなぎ倒していくが、佐々木が南部式ナックルを返すと、実にあっさりとオーバー・ザ・トップロープで失格になってしまう。ここでシレッとリングサイドに謎のおじさんが現れる。魔苦が岡田の股間に顔面を埋めていき、岡田が絶頂に達したところを回転エビ固めで丸め込む。これで岡田失格。すかさず魔苦は佐野にも回転エビ固めを狙うが、これはオーバー・ザ・佐野直により魔苦が失格。佐野と佐々木の一騎打ちかと思われたが、ここで謎のおじさんがリングイン。どうやらこのおじさんは、前回大会で優勝した2代目佐野直の模様。佐野と佐々木は二人がかりで殴りかかるが、2代目はカバーした佐々木を腕十字で切り返してギブアップを奪う。これで佐々木も失格。さらに佐野にもスリーパーを決めて佐野も失格に。これで試合終了かと思われたが、望月リングアナは終了のゴングを鳴らさない。何とここで10番手の石黒淳士レフェリーが参加。2代目をスクールボーイで丸め込むと、ちょうど会場の隅で試合続行していた「2」vs正男の玉川レフェリーがリングインして3カウント。石黒レフェリーが3代目佐野直に決定したのだが、ここでテーマ曲がヒットしてセレジェイラが無限セレジェイラagainを狙ったが、時すでに遅し。すでに試合は終了していたのであった……

第4試合は阿部”THE MAJOR”史典(フリー)&チチャリート・翔暉(2AW)&橋本和樹(大日本プロレス)vs和田拓也(フリー)&勝村周一朗(ガンバレ☆プロレス)&山本裕次郎(フリー)。3.1“本家”ジュニア夢の祭典にサプライズ出場したことで、インディーの心を忘れてメジャーになってしまったと一部で言われている阿部に対し、“阿部裁判”となる一戦ということで、何と誰よりも阿部裁判を提唱している鈴木秀樹が特別レフェリーとしてサプライズ登場。何も聞かされていなかった選手たちは、リングインするなり秀樹レフェリーを見て驚きの表情。さらに“本家”のほうのTシャツを着た和樹とチチャが先に入場したあと、阿部が大「メジャー」コールの中、威風堂々と単独入場。するとコーナーの上に座っていたチチャがマイクを持ち「俺たち3人とオマエら3人の明確な差、分かる?」と言い出す。アマリン(アマチュアリングス)王者トリオの表情が一変してもなおチチャは「このTシャツ見てくれよ! メジャーとインディーの差だよ! ワッハハハハハハ」と高笑い。あのチチャをここまで大胆な人間に変貌させてしまうメジャーの恐ろしさにおののくが、なおもチチャは「俺たちに触れられるだけでもありがたいと思え」とまで言うと、さすがに和樹「本当は思っていないと思うんですけど、これがメジャーのどインディーの差だということで、ガンバレよってことだと思います」と、鬼が越えるトマホーク級のフォロー。しかしチチャは止まらない。「和田? 何か……レスリング出来るの? 俺が……このメジャーの俺が相手してやってもいいんだぜ」と、よりにもよって一番洒落がきかないであろうキング・オブ・ハードヒットに喧嘩を売る。和田は無言でチチャに詰め寄っていき、ただならぬ雰囲気の中、チチャvs和田で試合開始。いきなりチチャをグラウンドに持ち込み、マットヒューズポジションからパウンド掌底を落とす和田。必死にロープに足を伸ばすチチャだが、和田京平ばりに厳格な秀樹レフェリーはロープに乗っけただけのチチャの足を蹴り上げる。悲鳴をあげながらどうにかエスケープしたチチャは、「痛くねえよ!」と強がりながら和樹にタッチ。第1回大会でもバチバチにやり合った和樹と山本は、互いに相手のサッカーボールキックを敢えて受けてみせる。そして「メジャー」コールの中、リングインした阿部は勝村に低空ドロップキックをお見舞いすると、控えの山本にも攻撃し、和田には張り手。クルクルソバット、サッカーボールキックと勝村を追い込んだ阿部は「全然手応えないわ。これだからインディーレスラーは」と挑発。すると勝村は電光石火の飛び付き腕十字。必死でロープに逃れた阿部だが、右腕に大ダメージ。その右腕を踏んづけた勝村は和田にタッチ。ステップキックから河津落とし、ヒザ十字固めと王道な攻撃で阿部を追い込んでいった和田。阿部はロープを掴むが、秀樹レフェリーがじっくりと見てからブレイクを指示すると、「遅いだろ!」と猛抗議。手こそ出していないが、胸を秀樹レフェリーにぶつけて抗議する阿部に対し、厳格すぎるぐらいがちょうどいい秀樹レフェリーは即座に阿部の反則負けを宣告して試合終了のゴング。

マイクを持った秀樹レフェリーは「試合中にレフェリーに触ったら、いかなる理由でも反則負けです」とビシッと説明してから「オマエ、メジャーだったらもう1試合やれよ! 恥ずかしいぞ、ルール破って終わったら。メジャーなんだろ? やめるならもう終わっていいぞ。どうする?」と阿部を焚き付けた上で再試合へ。阿部vs和田で再開されると、和田は両足を刈ってテイクダウンしてからパウンド掌底。続いて山本が念仏ダブルニーを落としてからアンクルホールド。さらに勝村が飛び付き三角絞めからリバースダブルアームバー。和田がなおも阿部の右腕を痛めつけてから、ノーザンライトスープレックスで投げた状態からキーロックへ。和田のドロップキックを自爆させた阿部はようやく和樹にタッチ。串刺し式レッグラリアットから顔面ウォッシュをお見舞いした和樹はショルダーネックブリーカー。和田もカウンターのドロップキックを返して勝村にタッチ。ミドルキックの連打を叩き込む勝村だが、DDTを返した和樹はチチャにタッチ。まず控えの和田に襲いかかったチチャだが、逆にスリーパーで捕まってしまう。さらに和田は山本と合体攻撃を狙ったが、かわしたチチャはドロップキックで2人まとめて吹っ飛ばすと、勝村にコルバタ。エルボーの打ち合いからチチャは跳び蹴り。勝村も返す刀で飛びヒザ。しかしブレーンバスターで投げたチチャは阿部にタッチ。エプロンに出された山本だが、ロープ越しに卍固めを決める。さらにリングに戻ってフィッシャーマンスープレックスからランニングロー。ヘッドバットから卍固めに捉えると、和樹とチチャが救出に入るが、和田と勝村がそれぞれ関節技で捕獲。自力でロープに逃れた阿部だが、和田のスクリューキックから勝村のスリングショット式ドロップキック、さらに山本の裏投げからのランニングローを食らってしまう。どうにか背後に回って後方回転エビ固めで丸め込んだ阿部は、山本がキックアウトした勢いで場外に飛び出す……かと思いきや、アイルビーバックで戻ってきて、そのまま山本をおハムロールで丸め込んで3カウント。インディーだろうとメジャーに一切負けていないレスラーが沢山いることをある意味で証明してみせた。阿部の腕を上げて勝ち名乗りをした秀樹レフェリーは、そそくさと引き上げていった。

セミファイナルは渡辺壮馬(GLEAT)&十文字アキラ(JTO)&梶トマト(飯伏プロレス研究所)vsライジングHAYATO(愛媛プロレス)&橋之介(A-TEAM)&下村大樹(BASARA)。全日本プロレスとのダブル所属のHAYATO以外はなかなかレフェリングしてもらう機会がないであろう和田京平レフェリーが特別レフェリーを務めるということで、大「キョーヘー」コール。「俺だけ30代だけど任せろ」と先発を買って出た梶が下村相手にハイテンションで試合を始めると、HAYATOが壮馬とスピーディーなロープワークからコルバタで場外に出す。場外に飛ぶと見せかけてロープを踏み台にバック転したHAYATOはナルシスポーズ。壮馬もエプロンに座って同じポーズをしてみせるが、隠すように下村も目の前で同じポーズ。続いて十文字がサッカーボールキックで橋之介を場外に出すと、梶がHAYATOと下村も場外に連れ出す。そこに壮馬がトップロープとセカンドロープの間をすり抜けるトペコンを発射。橋之介をリングに戻すと、待っていた十文字が河津落とし。橋之介も打点の高いドロップキックを返して下村にタッチ。野球チョップを叩き込んでいった下村だが、十文字もエルボーを返す。しかしうまく逆片エビ固めに捉えた下村はHAYATOにタッチ。コーナー下で十文字を踏みつけるHAYATOに対し「全日本らしくしろ」と京平レフェリーが一喝すると、HAYATOは一転してブレーンバスターから強烈なチョップ。十文字も串刺し式フロントキックからゼロ戦キックを返して梶にタッチ。ロープで勢いをつけてからランニングエルボーを見舞った梶はウルトラタイガードロップ。しかしHAYATOも追走式ドロップキックを返してタッチ。下村がミサイルキックからその場飛びムーンサルト。梶もアッパー掌底からレッグラリアットを返す。タッチを受けた十文字は打点の高いドロップキックからハーフハッチスープレックス。エルボーの打ち合いになると、そこから十文字がミドルキック。下村も野球チョップで応戦すると、場内もヒートアップしていく。ブロックしようとした十文字の裏をかいてスネを蹴った下村だは。十文字も飛びヒザを返して両者タッチ。把針宗家が壮馬にハンドスプリングバックエルボーを見舞って場外に出すと、下村がコーナーへ。するとバックステージでずっと闘っていた「2」と正男が花道から雪崩れ込んでくる。慌てて主催者が止めに入るが、ダークマッチは止まらない。ほかの選手も止めようとしながら徐々にリングサイドに集まってくると、下村がプランチャを投下。さたに梶もプランチャ。HAYATOの宇宙人プランチャで全員で大の字に倒れると、十文字がエプロンからサッカーボールキック無双。だが、背後から橋之介が十文字も場外に落とすと、ノータッチトペコンを発射。まるで第1回大会のメインのデジャヴのような展開だが、壮馬をリングに戻した橋之介はスワントーンボムを投下。カウント2で返されると、スカイツイスター・プレスを投下。これを間一髪でかわした壮馬はドロップキックを狙うが、かわした橋之介は低空ドロップキックからロープへ。しかし打点の高いドロップキックで迎撃した壮馬は、ファイヤーバード・スプラッシュを投下して3カウント。インディーにも若くてイキがよくてスゴイ選手がまだまだいる!

メインイベントはインディペンデントワールド世界ジュニアヘビー級選手権試合[王者]椎葉おうじ(フリー)vs[挑戦者]ヤス・ウラノ(フリー)。ウラノのセコンドには阿部、そして藤田プロレス☆スクールの翔太と香取がつく。ウラノから握手を求めていき、おうじが応じたところで試合開始。じっくりとしたレスリングの攻防からウラノが徐々にペースを握っていく。何とか流れを変えたいおうじは、ロープに飛び乗ってからウラノに飛び付いてのアームドラッグからドロップキック。さらにウラノの串刺し攻撃をかわし、延髄斬りからミサイルキック。ここでウラノはおうじを場外に放り出すと、自らも場外に出てエルボーの打ち合いに。ここでもおうじが優勢だったが、ウラノはサミングからエプロンにおうじの腰をぶつけると、バックドロップのような格好でおうじをエプロンに叩き付ける。おうじをリングに戻したウラノは、おうじの蹴り足をキャッチしてロープに引っかけた状態でバッククラッカー。さらにリバースデスロックとキャメルクラッチの複合技で追い込んでいく。頭を叩かれて挑発されたおうじは怒りのミドルキック。しかし蹴り足をキャッチしたウラノは、引き込むようにエビ固め。どうにか返したおうじはジャンピングハイを叩き込む。追撃しようとしたおうじだが、ウラノはチンクラッシャーからおうじを場外に落としてプランチャ。そしておうじをリングに戻してシルバーブレットを投下。ロープに足を乗せての反則カバーはレフェリーに見つかったが、セコンド陣がレフェリーを引きつけている間にシーソーホイップでおうじの喉をボトムロープにぶつけていくと、逆片エビ固めへ。どうにかロープに逃れたおうじはコーナーに登ったウラノをデッドリードライブで投げると、ダイビング・ボディプレスを投下。剣山で迎撃したウラノが逆にダイビング・ボディプレスを投下するが、おうじも剣山で迎撃。ダブルダウン状態からなんとか立ち上がったウラノは低空ドロップキック。しかしおうじもレッグラリアットを返すと、ランニングエルボーからコルバタでウラノを場外に投げ落とす。三角飛びプランチャを投下したおうじはウラノをリングに戻すと、ラウンドハウスキックからフィッシャーマンバスター。大蛇絞め(アナコンダバイス)に捉えたおうじだが、ウラノは十字固めで切り返す。キックアウトしたおうじはウラノの顔面を蹴り上げ、ソバット。さらにダイビング・ボディプレスを投下するがカウントは2。雲外蒼天(ランヒェイ)を狙ったおうじをロープに投げつけ、そのロープを蹴り上げたウラノはバックブリーカーからツイスター。しかしバンダナで叩いてのカバー、ナックルからのカバーは反則のため認められず。15分を経過し、おうじのバズソーキックをキャッチしたおうじだが、ウラノは関節技を狙ったおうじを逆にイエス・ロックに捉えると、そこからクロスオーバー・フェイスロックにスイッチ。どうにかロープに逃れたおうじは、ツームストンパイルドライバーを狙ったウラノに延髄斬り。しかしウラノも返す刀でグーパンチを叩き込むと、クロスアーム式サンダーファイヤー・パワーボムを狙う。着地したおうじはトラースキックからロープに飛ぶが、ウラノはカウンターのウラカンホイップ。すぐに立ち上がったおうじはハイキックを叩き込むと、一気に雲外蒼天で3カウントを奪った。

大熱戦の末に3度目の防衛に成功したおうじは「前回は王者じゃなくて、ただのフリーのレスラーとして出場しましたけど、今回はこのチャンピオンベルトを持ってこのインディージュニアの祭典に帰ってこられたことを誇りに思います! ウラノさん、自分のわがまま聞いてくれてありがとうございました。ぜひまたどこかでやりましょう。お願いします」とマイクアピール。それを聞いたウラノが「いつか……いつか、そのインディージュニアのベルトを懸けて試合を……いつか……いつかするだろう? え、いつかっていつになるの?」と言うと、セコンド陣がウラノのお馴染みのフレーズである「今やれ!」と叫び、場内が「今やれ!」コールに包まれる。するとウラノは「ごめん、椎葉君。お客さんの声には抗えないんです! 満場一致で認めてくれている。インディージュニアのタイトルマッチ、今やろう!」と言って、おうじに襲いかかる。
そのまま緊急決定試合として開始のゴングが鳴るが、ウラノの先制プランチャをかわしたおうじは、トップロープとセカンドロープをすり抜けるトペコン。さらにウラノをリングに戻して、ロックボトムから大蛇絞め。これでウラノがギブアップしたため、おうじは4度目の防衛に成功。
悔しがる藤田プロレス☆スクール勢だが、マイクを持ったおうじは「ちょっと待ってください! ウラノさん、ちょっと……それは早すぎますって! さすがに早すぎです!」と必死に訴える。だが、ウラノは「まあ私も47歳だけど元気なんで。とはいえ、いつこの業界から足を洗うか分からないし、椎葉君と会うのも挨拶するのも今日が初めてだし、もう今を逃したら……今しかないって気持ちで。でもいいんだ! 椎葉君は若いから。これからもドンドン活躍してよ。応援してるよ!」とマイク。これを聞いたおうじが「ウラノさん、それはズルくないですか? でもまだまだウラノ選手には……今日闘って結構危なかったんで、次こそは圧倒してみせますんで、またやりましょう! お願いします!」と思わず言ってしまう。途端にやる気になるウラノ。場内から再び「今やれ!」コールが巻き起こると、戸惑うおうじにウラノが襲いかかり、またしても緊急決定試合が開始。いきなり雲外蒼天を狙ったおうじだが、これをモダンタイムスで切り返したウラノが3カウントを奪って王座奪取! まさかの王座交代劇に場内は一気に沸き上がる。阿部、翔太、香取も大喜びしながら「早く帰ろう」とウラノを促すが、マイクを持ったウラノは「やったー! 見たかオラ! これがインディーだー! インディー夢あるだろ! 何回負けたってな、(最後に)勝ちゃいいんだよ!」と大人げなさ全開。

さすがに困惑の表情を浮かべる主催者(佐藤光留)にウラノが「光留さん、ありがとうございました! 光留さんが何の気の迷いか自分なんかを呼んでくれたお陰で、夢を見ることが出来ました! ずっとずっと防衛し続けるので、何回でもこのインディージュニアの祭典、呼んでください! ありがとうございます!」と嬉しそうに語りかける。光留が「ウラノさん、仕事の取り方がインディーだな! ウラノさん、我々インディーに夢はあってもカネはねえんですよ! 時計見てもらったら分かるんですけど、10時完全撤収で(この段階で9時20分頃)。いまの新木場、超厳しくて1分でも過ぎたら延長料金で2万円ですって言われたんで。なので、この続きはいつかどこかでやりましょう」と言ったため、慌ててマイクを奪い取ったおうじは「今ここでやりましょう! お願いします!」と言い放つと、笑顔でベルトをアピールしているウラノの背後から急襲! 強引に緊急決定試合に雪崩れ込むが、ウラノもサミングからブレーンバスターの体勢に。着地したおうじはウラカン・ラナ。反転したウラノだが、おうじも反転。カウント2でキックアウトしたウラノだが、おうじは全体重を乗せた渾身のスクールボーイで3カウントを奪い、王座奪還に成功!
全身で喜びを爆発させるおうじに対し、ベルトを抱きしめて離さないウラノ。和樹とチチャが肩車でおうじを祝福し、なんだかんだありながらもモノの鞘に収まったことで安堵の表情の主催者は、ウラノからベルトを奪い取っておうじに渡す。ようやく諦めてウラノ陣営が引き上げていくと、おうじは「インディージュニアのベルト、獲り返したぞー! 時間がないんで手っ取り早く…僕も疲れているんで。今日のインディージュニアの祭典ぼくらはみんないきている2、ありがとうございました! 次きっとぼくらはみんないきている3でお会いしましょう! よろしくお願いします! ありがとうございました!」と万が一にもウラノが戻って来る可能性があるし、撤収時間も迫っているので早口で締めくくった。

【試合後のコメント】
おうじ インディペンデント世界ジュニア、3度目の防衛と37代王者になりました! お客さんもヒドイっすね。今やりましょうコールって、何すかアレ? でも何かウラノさんがああいうふうに言うと、某団体の某ベルトを思い出して、僕はちょっと嬉しかったです(苦笑)。結果として、インディーのベルトは僕の腰にあるんで、このベルトをもっともっと輝かせていけるように! プロレスラーとしても、もっともっと上に行けるように上がっていきますので、皆さん、椎葉おうじにご期待ください! 必ず有言実行してみせます! よろしくお願いします。ありがとうございました!ウラノ おかしいっすよ! おかしい! ベルト獲ったのに。何かインディーだったら、何でも自由にやっていいみたいな空気、よくないと思いますよ! 獲ったんだから! 獲って終わりでよかったじゃないですか。あー、悔しいな。
ーーいちおう、歴代王者に名前を刻むことが出来たわけですが。
ウラノ 意味あります?
ーー名だたる歴代王者の中にヤス・ウラノの名前が入ったのは、いいことじゃないですか。
ウラノ 本当ですかね? まあ、いっか! まあでも、またいつか(苦笑)、椎葉選手とはやりたいですね。若いコがああやって、技術もあってしっかりとしたコと、こうやって47になっても闘っていけるっていうのは自信にもなったし。まあ1回勝ったんで、また次は勝ちます! ありがとうございました!
【プロデューサーの大会総括】
ーー大会総括をお願いします。
光留 総括出したって、どこに出るわけじゃないですか。
ーー公式サイトに出るでしょ!
光留 誰も読んでないでしょ!
ーー読んでるよ!
光留 魔法のiらんどでしょ?
ーー違うわ!
光留 違いましたっけ?
ーー違います! ちゃんとしてます!
光留 (ニコプロカメラの横のカメラを指さして)これ何のカメラですか?
ーーサムライです。
光留 ドッキリじゃないですか。来るわけないじゃないですか(笑)。
ーーアハハハハ! 来る、来る!
光留 メディア媒体は来ないじゃないですか。魔法のiらんどだけでしょ。それがインディーでしょ。
ーーインディーでも祭典になると、サムライが来るんだよ!
光留 3、2、1、魔法のiらんどーって椎葉おうじも言ってたじゃないですか。
ーー言ってない(笑)。
光留 違うの? あ、本当ですか。まあでも本当に、何て言うんですかね。僕がいっつもよく思うんですけど、インディーって何が足りないとか。、メジャーを水で薄めたようなものじゃないって思っているんですよ。でも最近「インディーにもいい選手いる」ってよく言われるんですけど、そういう選手って大概がメジャーを水で薄めた感じなんですよ。それを出来るだけ(インディージュニアの祭典では)「違うんだ!」って主張が混じっていたのがよかったなと思いますね。
ーー前回大会以上に盛り上がって、お客さんも前回を踏まえて見てくれた方が多かった気がしましたが。
光留 そうですね。何か前回を見ている人が、今日はほぼ100%来てるって、逆に言えば1人も増えてないってことなんで。はい。ちょっと次回からは佐野直ランブルはどうしようかって思っているんですけど。でもセレジェイラ、ウケるんだよなぁ。悩ましいところですね。
ーー機会があれば第3回も?
光留 いや、必ずやります。それは椎葉おうじが言ったので。椎葉おうじが言ったらやらないわけにはいかないなって思うんですけど、今すぐには出来ねえなっていうのと……。でも分からないです。川崎で“ぼくらはみんないきている枠”が出来る日が来るかもしれないし(苦笑)。何が起こるか分からないっすよ。今日だってワダタクさんと勝村さんがいて(SHOOTO GYM)K’z FACTORYですよ。で、B-CLUBの山本さんがいて。対戦相手にスポルティーバの阿部がいて、その前の前の試合にはU-FILE CAMPの会員だった翔太が出ているんですよ(笑)。何が起きるかなんて分からないですよ。
ーー鈴木秀樹さんもいましたし。
光留 ザマーミロ! マジに誰にも言わずやってやったからな!

Return Top