ニコプロpresentsインディージュニアの祭典「ぼくらはみんないきている3」
日時:2024年3月28日(木)
開場:17時30分
開始:18時30分
場所:東京・新木場1stRING
観衆:16万人同時視聴(主催者発表)
ダークマッチ 松本幼稚園presentsシングルマッチ 時間無制限1本勝負 | |
− | 2(フリー) |
3時間29分19秒 会場完全撤収時間となったため | |
− | 立花誠吾(フリー) |
第1試合 RYSKパートナーズpresentsマスカラ・コントラ・経営権・コントラ・黒帯・コントラ・ピッサリ・コントラ・膝毛・コントラ・テーピング・コントラ・ギャランティ・コントラ・パスポート・コントラ・都市伝説9way 時間無制限1本勝負 | |
○ | 十文字アキラ(JTO) |
7分28秒 ウラカン・ラナ | |
● | 条柴拓真(フリー) |
※条柴が膝毛を失う。 【出場選手(所属/この試合に賭けたもの)】 佐野直(フリー/スタンリークラブ経営権) 若松大樹(2AW/ギャランティ) チチャリート・翔暉(2AW/ピッサリ) マリーハナ(PUZZLE/パスポート) セレジェイラ(MagicBox/マスク) KURO-OBI(トライフォース柔術アカデミー/黒帯) 十文字アキラ(JTO/テーピング→インディーJr次期挑戦権) 条柴拓真(フリー/膝毛) 岡田剛史(TKエスペランサ/都市伝説) |
第2試合 新太平洋運輸株式会社presentsタッグマッチ 15分1本勝負 | |
○ | 橋本和樹(97.4kg/大日本プロレス) |
田馬場貴裕(99.9kg/IMPACT) | |
9分25秒 アンクルホールド | |
植木崇行(99.9kg/フリー) | |
● | 塚本竜馬(95.6kg/フリー) |
第3試合 デッドリフ太郎presentsタッグマッチ 10分1本勝負 | |
稲葉ともか(JTO) | |
△ | ZONES(Evolution) |
10分00秒 時間切れ引き分け | |
△ | Chi Chi(Evolution) |
プリンセス・ピスタチオ(PUZZLE) |
第4試合 RYSKパートナーズpresents高橋幸光プロレスデビュー戦 シングルマッチ 20分1本勝負 | |
○ | 望月成晃(DRAGON GATE) |
8分6秒 逆片エビ固め | |
● | 高橋幸光(飯伏プロレス研究所) |
セミファイナル 新太平洋運輸株式会社presentsインディペンデントワールド世界ジュニアヘビー級選手権試合 30分1本勝負 | |
○ | [王 者]佐藤光留(パンクラスMISSION) |
18分9秒 アキレス腱固め | |
● | [挑戦者]阿部史典(フリー) |
※第38代王者が2度目の防衛に成功。 |
メインイベント デッドリフ太郎presents6人タッグマッチ 30分1本勝負 | |
ライジングHAYATO(愛媛プロレス) | |
政岡純(フリー) | |
○ | 関札晧太(大日本プロレス) |
20分41秒 フロッグスプラッシュ→片エビ固め | |
ファイヤー勝巳(JTO) | |
エンデル・カラ(スウェーデン) | |
● | 斎藤拓海(花鳥風月) |
もうどれぐらい続いているのか分からなくなってきた2vs立花誠吾の因縁対決。今回も開場時間の17時30分に試合開始。まだ客席もまばらなのに、会場の外まで出てやり合ったり、立花が前回の対戦からの“変化”として全日本プロレスで奪取したGAORA TV王座のベルトを自慢したり、2が秘密兵器として持参した心拍を計る装置が全然観客に伝わらなかったりする中、開始時間となり大会プロデューサーの佐藤光留が登場。例によって2と立花、特別レフェリーのブラックめんそーれも時々参加するというカオスな試合が行われているリング上。そこで光留は「コロナもひと段落しまして、昨年いろんな選手のいろんな人生を少し変えることになりました本当のジュニアの祭典が行われて、1年以上経ちまして、インディージュニアの祭典だけ3回目の大会が……まさかこのような大会が人々に多少なりとも期待され、こうして開催出来るとは思いませんでしたが、今大会も新顔の選手が半分以上。そしてまさかの海外から『この興行に出たい』というDMが届きまして……非常に賑やかな大会となりました。非常に国際色豊かな大会にはなりますが、実はこことひとつ皆様にお知らせがございます。今年は12カ月連続プロレス興行をやっていこうと思っていましたが、次回4月の興行が決まりました。日時は4月27日。試合開始は午前3時。王子ベースメントモンスターにてノーコンプライアンスプロレス プレ旗揚げ戦、どこまでやっていいかを確認するための大会を開催することが決定しました。チケットは当日券のみ! 始発までいは終わる予定です。詳細は自分のSNSなどで発信しますので、度胸のある方は観に来てください。今日は試合順を一切発表しておりません! 控室にはいろんなタイプの選手が……緊張している人もいれば、ずーっとアイコス吸ってるだけの奴もいましたが、とにかく全員一応プロレスラーです! きっと皆さんに自分たちがプロレスラーとして生きているんだということを見せてくれると思います! 今日、初めて佐藤光留の興行を観に来たという方はいらっしゃいますか?(何人か手をあげる)このような風景が日常です。先にご報告しておきますと、これより酷いシーンがたぶん沢山あると思います。帰ったあとに後悔の気持ちを感じても、その気持ちを隠さずSNSにブチ撒けてください。『良かった、良かった』『面白かった』だけがプロレスではない。あんなものにカネを使ってしまって、時間を使ってしまって本当に後悔しているというのを今この場面に写真で切り取って、SNSで発信していただければ彼らが汗をかいている意味も少しはあるのかもしれません。今日デビュー戦の選手もいて、初めて自分の団体以外の興行のメインに出る選手もいて、まあまあ緊張しておりますので。その人たちの気持ちをこの試合で削るわけにもいきませんので、そろそろ撤収したいと思います。本日声を出しての応援、可能となっております。初めて見た方も、いろんな選手を知っている方も沢山いると思いますが、選手は1試合1試合、自分の人生の何かを削って生きていますので、精一杯応援して試合を盛り上げていただければ、我々レスラーも今日試合をした甲斐があると思います。ぜひ皆さんでこのインディーを、インディープロレスを盛り上げていただけたらと思います。全6試合あります。もしかしたら私、このあと着替えて第1試合かもしれませんが、それはそれでちょっと面白いことになると思うので期待してみてください」と、何度も2vs立花に邪魔されながらも挨拶した。
第1試合はマスカラ・コントラ・経営権・コントラ・黒帯・コントラ・ピッサリ・コントラ・膝毛・コントラ・テーピング・コントラ・ギャランティ・コントラ・パスポート・コントラ・都市伝説9wayマッチ。9選手が各々の大事なものを懸けてバトルロイヤル状態で対戦。すると弥武リングアナが試合中にもかかわらず、3.14大阪i76BOXで行われた『インディージュニア祭』で優勝した十文字アキラが、インディージュニア次期挑戦権を獲得したにも関わらず、この試合に懸けたものがテーピングっていうのはどうかということになり、佐藤光留とJTOのTAKAみちのくが協議した結果、本人にはまったく承諾なしでインディージュニア次期挑戦権がこの試合で懸けられることになったとアナウンス。その途端、ほかの選手は一斉に十文字を狙っていくが、マリーハナがセレジェラを投げようとした瞬間、岡田が「プロレスをやっている場合じゃないぞ! 大変なことが起こります! 2025年、地球に隕石が衝突するかもしれない」と都市伝説を語り始める。岡田からそのXデーの日を耳打ちされた選手が次々に驚き慄く中、セレジェイラだけはピンと来ていない様子。逆にセレジェイラが岡田に耳打ちすると、激しく動揺する岡田。だが、その隙を突いてマリーハナがセレジェイラを投げていくと、またも乱戦に。その中で十文字が条柴をウラカン・ラナで丸め込んで勝利。十文字がインディージュニア次期挑戦権を何とか死守した一方、敗れた条柴は膝毛を失うこととなった。
第2試合は橋本和樹&田馬場貴裕vs植木崇行&塚本竜馬。ジュニアヘビー級規定(100キロ以下)をクリア出来なければ試合に参加出来ないルールなのだが、いきなり植木と田馬場が計量で引っかかり、和樹vs塚本のシングルマッチ状態で試合開始。植木と田馬場は会場の隅で必死に運動して汗をかく。その甲斐あって田馬場がどうにか99.9kgで計量をクリアしたため、和樹&田馬場vs塚本のハンディキャップ状態に。和樹と田馬場がガンガン塚本を蹴り飛ばしていく中、サウナスーツを着た植木は試合中の2、立花と一緒に場内をランニング。和樹がアンクルホールドで塚本を追い込んでいくが、ここで植木が何度目かの計量でどうにか99.9kgをマーク。アンダータイツ一丁でリングインした植木は田馬場に敬礼ジャンピングショルダーを見舞うと、和樹と田馬場にコーナースプラッシュを連打。塚本との連携攻撃も決めて形勢逆転したが、急激なダイエットでお腹が減ってしまった植木は、計量をクリアしたことに安堵し、持参したケンタッキーを食べてコーラを一気飲み。だが、田馬場が抗議。植木に再計量を命じると、まさかの103kgに。植木は花道で必死にスクワットをやり始めるが、ローンバトル状態のなった塚本に和樹がアンクルホールドを決めてギブアップを奪った。
第3試合は稲葉ともか&ZONESvsChi Chi&プリンセス・ピスタチオ。稲葉とChi Chiがスピーディーな攻防を展開すると、ZONESとピスタチオはショルダータックルでぶつかり合う。カワイイアピールをするピスタチオに対し、ショルダータックルでなぎ倒していったZONES。続いて稲葉が強烈なサッカーボールキック。だが、ピスタチオが稲葉の串刺し攻撃をかわすと、Chi Chiが稲葉に串刺しビッグブーツからミサイルキック。稲葉もリバーブローからサッカーボールキックを返すと、ワキ固めに捉える。どうにかロープに逃れたChi Chiは、続く一撃必殺ともか蹴りをかわすと、トラースキック一閃。さらにビッグブーツからノーザンライト・スープレックスで投げるが、カウント2で返した稲葉がともか心拳からカカト落とし。タッチを受けたZONESが串刺しラリアットからダイビングエルボーでChi Chiを追い込むと肩口に抱え上げる。これを卍固めで切り返したChi Chiだが、残り時間3分を切ったところでZONESは自力でロープに脱出。前日のEvolution興行でも対戦しているZONESとChi Chiは激しいエルボーの打ち合いに。そこからZONESがバックドロップで投げれば、Chi Chiもエクスプロイダーで投げる。ピスタチオがうさぎのぬいぐるみを持った状態で、飛び込んできた稲葉をチョークスラムで叩き付けるが、稲葉もすぐに立ち上がって回し蹴りを返す。その横でZONESとChi Chiは丸め込みの応酬を展開するが、時間切れのゴング。試合終了のゴングが鳴っても、なお激しく張り合うZONESとChi Chiを稲葉とピスタチオがどうにか引き離そうとするが、ZONESがぬいぐるみを奪い取ったため、ピスタチオも激怒。10分は短かったが、このインディージュニアの祭典の中で、女子のインディージュニアをしっかりと印象づけたのは間違いない。
第4試合は望月成晃vs高橋幸光。元J-NETWORKライト級&元BOMウェルター級王者の“イケメンキックボクサー”高橋幸光のプロレスデビュー戦。昨年5・30ハードヒット「STAND FORTH」でエキシビションマッチを行った高橋だが、その後“飯伏プロレス研究所”の一員として、プロレスデビューに向けてトレーニングを積んでいたが、何と“所長”である飯伏幸太をセコンドに従えて入場。ゴールデンスターを彷彿させるブルーとシルバーのパンタロンを履いた高橋だが、望月から握手を求めると両手で応じていく。組み付いていった望月は高橋をロープに押し込むと、離れ際にサミングをお見舞い。さらにショルダータックルでなぎ倒すが、跳ね起きで立ち上がった高橋に、望月はローキック。高橋もローキックを返すと、望月も意地になって蹴っていくが、ブロックした高橋は再び強烈なローキック。堪らず場外にエスケープした望月はじっくり場外でインターバルを取っていく。ベテランらしい老かいなインサドワークを駆使した望月は、挑発する高橋の足下をすくって倒すとヒザを鉄柱に叩き付ける。さらに「これがプロレスだ!」と叫びながらそのヒザを蹴り飛ばす。その後も望月はニークラッシャー、ランニングロー、アキレス腱固めと徹底に足攻め。ガムシャラに蹴ってどうにか脱出した高橋はドロップキックを返す。強烈なミドルキックから旋風脚まで繰り出した高橋は「ブレーンバスター!」と叫んでから投げようとするが、これは望月が逆に投げていく。さらにサッカーボールキックからランニングローを叩き込んだ望月はドラゴンスープレックスの体勢に。必死に堪えた高橋は走ってきた望月に、なんとフランケンシュタイナー。やや形は崩れたが、元キックボクサーのフランケンはインパクト大。そこからお互いにミドルキックを蹴り合うと、高橋のジャンピングキックをキャッチした望月がアンクルホールドに捉え、そこから一気にシャチホコ式の逆片エビ固めに移行。これには堪らず高橋はギブアップ。
抱き合って高橋の健闘を称えた望月に対し、高橋のセコンドにつき終始檄を飛ばしていた飯伏は座礼で感謝してみせた。
高橋 やっぱすごい強いとは聞いていたけど、これほどスゴイものかとは思わなくて。
飯伏 やっぱりキックとプロレスは違う。でも最初、デビュー戦が望月さんっていうのがボクはよかったなと本当に思いましたね。
ーー今後闘ってみたい選手は?
高橋 いや、今すぐは浮かばないですけど、ボクも飯伏プロレス研究所の一員なので、ここの組織と、ここのチームの強さを今後見せられる場にドンドン挑戦していきたいです。
飯伏 まあこれからですよ。これから! どうでしたか、デビュー戦。今から始まりなんで。これから高橋幸光の始まりなんで。スタートですよ。
高橋 ここからですよ、ここから!
飯伏 今からだね。よし! 一緒に頑張ろう。
高橋 はい!
セミファイナルは佐藤光留vs阿部史典のインディペンデントワールド世界ジュニアヘビー級選手権。グラウンドではやや光留が優勢だが、阿部も肘グリなどを駆使してどうにか切り返そうとしていく。ニーオンザベリーから張っていった阿部だが、スイープした光留は立ち上がって蹴り飛ばす。まるでハードヒットの一戦かのような緊張感のある間合いから、タックルでロープに押し込んでいった阿部は離れ際に張り手。掌底の打ち合いから足を止めて張り手の打ち合いに。阿部はさらに頭突きからの長渕キックまで見舞っていくが、丸め込もうとした阿部を押し潰してマウントを取った光留は張り手。スイープして上になった阿部はゲンコツで殴ると、蹴り飛ばしてからクルックヘッドシザース。脱出した光留は立ち上がって蹴り飛ばすが、阿部もエルボーを叩き込む。光留もエルボーで応戦。今度はバトラーツのようなゴツゴツとしたやり合いに。「全然痛くありません!」と強がりながらサッカーボールキックを叩き込んだ光留だが、阿部もサッカーボールキックをお返し。阿部のグーパンチに対し、ボディブローを返した光留は、阿部のパンチを股の間で白刃取り。ならばと急所に噛みついていった阿部に対し、光留は怒りのサッカーボールキック。光留のランニングローをキャッチしたドラゴンスクリューを決めた阿部は、光留をコーナーに追い詰めてハイキック。さらに張り手から貼り付け式のドラスク。ジャンピングハイを返した光留だが、これもキャッチした阿部は裏アキレス腱固め。そこから足4の字固めに捉えるが、光留は両手の中指を突き立てる。反転しようとする光留だが、阿部は反転させない。拳で阿部のスネを叩いていった光留は、そこから反転するが、阿部はすぐに戻す。何とかロープに転がっていき離れた両者だが、阿部は拳で光留の頭部を殴っていく。鈍い音が響く中、光留は強烈な張り手。阿部も張り返すが、光留の張り手に阿部は前のめりにダウン。梅木レフェリーが思わずダウンカウントを数えるが、引き起こして止めた光留に阿部は「負けるか! 負けねえよ!」と叫びながらエルボーを打ち降ろす。マットに両ヒザついた状態で殴り合った両者だが、そこから光留はジャンピングハイ。阿部はアイルビーバック式伊良部パンチ。ならばと光留が頭突きを見舞うと、阿部は両手ぶらり状態で頭から突っ込んで頭突き。「立て!」と挑発した阿部は立ち上がってきた光留にソバットからハイキック。ダウンした光留は下から阿部をグラウンドに引き込むが、阿部は逆に腕十字で切り返す。反転してアンクルホールドで切り返した光留は、ジャンピングハイ。阿部も掌底を返すが、光留はなおもジャンピングハイ。朦朧としながらも光留の蹴り足をキャッチしてアキレス腱固めに捉えた阿部だが、光留も逆にアキレス腱固め。張り手で逃れようとした阿部だが、蟻地獄のように光留のアキレス腱固めがジワジワと極まっていき、ついに阿部がタップアウト。
ダメージが大きく倒れたままベルトを受け取った光留に対し、「先にしゃべろうかね」と言ってマイクを持って立ち上がった阿部が「前から思っていたんですけど、そこら辺の若手にちょこちょこ負けるのに、俺にはめっぽう強いの何なんだ」と抗議。さらに「このような機会がこの先訪れるか分からないので、光留さんの興行なので、少しだけ光留さんに思っていることをしゃべりたいと思います」と前置きした阿部は「名古屋というクソどインディーに生まれて、とにかく東京で試合がしたくて光留さんに『試合をさせてください』とメールを送ったのが、たぶん8年か9年くらい前です。交通費込み5000円でした。それでも嬉しかったんで、千葉のリングに行って試合をすると、ボクのプロレス初の勝利の相手はアマチュアパンクラス会員のコグマさんです。そこから光留さんには結構、すごく、私の転機になることをしてもらいました。一番深く覚えているのが横浜ラジアントホール、全日本プロレスの2016年。タッグリーグでした。無名の私は会見の前日に光留さんに『スキンヘッドにしてこい』って言われて、『なんだコイツは』って思って。でも本当に何もなかったんで、嫌々スキンヘッドにしました。そして青木(篤志)さんと光留さん、岩本(煌史)さんと組んで無名の私は試合をしました。そのときは青木さんもいて、光留さんがいて、プロレスを中途半端にやっていた自分を、プロレスに人生を賭けている男たちって本当にカッコイイなって心の底から思いました。そのときの試合があって、自分は本当に目まぐるしく自分のプロレスの状況が変わっていきました。そこからプロレスやってきて、気付いたらもう30歳です。まだまだオチは分からないけど、自分が好きだなって思えるものと、自分が面白いなって思えるものを誰に言われなくなって、こうやって場所を作っていろんなレスラーがいて、そういうレスラーに場所を与えて、そういうことをする光留さんを見ると、まだまだ存在として到底勝てないなって思います。毎月会う度に『オマエ試合数、今月いくつ?』って聞いてきて、ボクのほうが多くて『クソが』って言う。いつまで経っても“大人びれない”佐藤光留がいて、その後ろには青木篤志がいて。勝ちたいって思う人は少ないですけど、負けたくないって思う奴はいっぱいいます。でもそんな中で唯一、あんまり大きくない勝ちたいと思う先輩レスラーが……この人に勝ちたいと心の底から思えるような先輩に出会えて、私のこの穿った格闘探偵団、プロレスラーとしても道は本当にあなたのお陰でクソ幸せなものです。本当にいつも…これからも、これまでも、今もありがとうございます」と熱く語ってみせた。倒れた光留を見下ろした阿部は、一礼してリングを出る。すると光留が「おい、これで俺に(マイクを)渡して帰るって本当に意地が悪いよな。でもな、青木さんも一緒だよ。俺らなんでこんなに一生懸命プロレスやるかって、俺ら恐えんだよ。ビビッてるんだよ、いつも。強い自分を目指しているけど、それも弱い自分を知ってるからなんだ。青木さんもずっとそうだったんだけど。だからいっつも何とか藻掻いて、人より上にじゃなくて自分を強くって思ったら阿部が出てきたよ。いま一番恐いのが阿部はドンドン俺らが出会った頃の阿部じゃなくなって、ちょっと有名になって、オマエの試合を見て泣いている女の人が沢山いてさ。何か俺らの知ってる阿部がいなくなるんじゃって思って、ちょっと恐いんだよ。だからブチ殺してやろうって思ったんだけど、いいよ! どんなに変わってもきっと阿部は阿部なんで。あと何十年現役やるのか知らないけど、その15年ぐらい先には佐藤光留と青木篤志っていうのがいるからな! オマエ、死んでも忘れるなコノヤロウ! 以上! 負けたものは去れ!」と言い放つ。
すると、そこに十文字アキラが入ってきて、光留に対して「ちょっといい話のあとに失礼します。光留さん、まず防衛おめでとうございます。この試合で光留さんはインディージュニアのベルトを守りました。今日ボクは第1試合でテーピングではなく、次期挑戦権を守りました。まあボクはちょっとおしゃべりが苦手なんで、簡単にまとめさせていただきます。5月5日、JTO名古屋大会でそのインディージュニアのベルトに挑戦させていただきます! もちろん、ボクはいま挑戦権を持っているので、光留さん、あなたに拒否権はありませんが、ぜひお返事を聞かせてください」と宣戦布告。
光留は「あの試合のあと、この空気の中、よく入ってこられるな! そんな変態野郎も挑戦、逃げも隠れもしねえよ! 5月5日こどもの日? OK! こどもに戻ってブチ殺してやるぜ! 覚悟してろよ!」と返答した。
メインイベントはライジングHAYATO&政岡純&関札晧太vsファイヤー勝巳&エンデル・カラ&斎藤拓海。6人が個別入場してくると、BJW認定ジュニアヘビー級のベルトを持ったカラが、世界ジュニアへヘビー級もベルトを持ったHAYATOをかなり意識している様子。観客からの声援もあり、その両者が先発で出てきて試合開始。スピーディーな動きで見せた両者だが、カラがローキックからコーナーに追い詰めてのミドルキック。HAYATOを場外に出そうとしたカラだが、逆にカラを場外に放り出したHAYATOは場外ダイブに行くと見せかけて、ロープに飛び乗ってバック宙すると座り込んでいつものポーズ。カラもリングに戻って隣に座って挑発すると、いきなりバズソーキック。かわしたHAYATOが握手を求めるが、カラは応じずにファイヤーにタッチ。スピーディーなロープワークから正面飛びドロップキックを見舞った関札だが、ファイヤーもすぐに同じ技を返す。続いて斎藤が政岡にドロップキックから得意のチョップをお見舞い。しかしアームドラッグから斎藤の手にフットスタンプを落とした政岡は、関札にタッチ。「俺もチョップには自信があります」と豪語してから強烈なチョップを連打していった関札はスリングショット式フットスタンプからジャンピング・ボディプレスを投下。HAYATOも斎藤にチョップを叩き込むとスリーパー。かなり長い時間捕まってしまった斎藤に対し、政岡がスリングショット式アトミコを投下。ドロップキックで反撃を試みた斎藤だが、かわして自爆させた政岡はそこから顔面にフットスタンプを落とす。斎藤も意地のチョップを返すと、今度こそカウンターのドロップキック。ここでようやくカラにタッチ。相手コーナーの二人をドロップキックで蹴落としたカラは、政岡にミドルキックの連打→水面蹴り→フットスタンプというコンビネーション。さらに串刺し式ランニングエルボーから串刺し式ドロップキック。政岡もフロントキックからヒザへの低空ドロップキック。タッチを受けたHAYATOがうずくまっているカラを踏み台にして、相手コーナーの二人にドロップキック。さらにロープに走って、ものすごい勢いをつけてからランニングエルボー。HAYATOがトラースキックで追い込むが、カラも素早くバックを取ってジャーマンで投げ捨てる。タッチを受けたファイヤーがHAYATOにジャンピングニー。HAYATOもチョップを返すが、ファイヤーはドロップキック。しかしロープに走ったファイヤーを追走してのドロップキックを叩き込んだHAYATOに、ファイヤーは返す刀で変形エメラルドフロウジョン。お互いにタッチして関札と斎藤がチョップを打ち合う。そこからロープに飛び乗った関札はクロスボディ。だが、串刺し攻撃をかわした斎藤はランニング式チョップから胸板にチョップ。関札もバック宙キックを返すが、斎藤は強烈なチョップからカバー。そこに政岡がミサイルキックでカット。その政岡をファイヤーがバックドロップで投げると、HAYATOがファイヤーにラ・ブファドーラ。そこにカラがランニングローを叩き込むと、HAYATOもエルボーでなぎ倒す。全選手がダウンする中、ダークマッチから試合を継続中の2と立花が花道に現れる。光留が「止めろ! 止めろ!」と叫ぶが、どんどんリング内に雪崩れ込んでくる2と政岡と出場選手たち。政岡がMJボードを振り下ろして、選手たちを場外に出すとカラがノータッチトペコンを発射。続いてHAYATOがスワンダイブ式プランチャ。ファイヤーもトップロープに飛び乗って宇宙人プランチャを投下すると、関札もコーナーへ。しかしエプロンから登っていった斎藤が、雪崩式ブレーンバスターで関札を場外に投げていく。ようやく2と立花たちが引き上げていくと、ファイヤーが関札にバックドロップ。そして斎藤がノーザンライト・スープレックスで投げる。カウント2で返した関札はジャーマンを狙う斎藤を丸め込む。返した斎藤は反撃を試みるが、場外にいた政岡がMJボードで斎藤を背後からぶっ叩くと、関札がブレーンバスター。政岡を捕まえようとしたカラにHAYATOがトラースキックを見舞っていくと、政岡&&HAYATOがファイヤーと斎藤にダブルのトラースキック。20分が経過し、政岡のAmbitionsからHAYATOがライオンサルト、そして関札がダメ押しのフロッグスプラッシュを投下して斎藤から3カウント。
なおもカラと政岡が睨み合うが、マイクを持った関札が「勝ったぞー! 数あるインディーの猛者たちが集まって開かれたこの大会、最後に勝ったもは大日本プロレスの関札晧太だー!」と叫ぶが、マイクを奪い取った政岡が「何を気持ち良く一人でしゃべっとんねん。俺は今日対戦した奴……どっちかと言うと、お前ら二人(関札とHAYATO)のほうが興味あんねんけどな。今日キッカケで起きたことは、また佐藤光留の興行でまた対戦マッチが組まれると、俺は信じているよ」と言い放つ。関札から「何かしゃべりますか?」と言われたHAYATOは「しゃべりたいことはとくにないよ」。関札は「まあいいよ! 俺だって今日の対戦相手で満足してるわけないだろ。俺も一番闘いたいのは今日組んだ二人……ダムズを主戦場にしている政岡純、そして全日本プロレス所属ライジングHAYATO。でも団体間の交流があるわけでもねえ。このカードだって夢のカードだって思わないか? でもコイツらと闘っている俺がみんな見たいよな? でもこの夢、インディーレスラーの夢を叶えてくれるのは、ボクはこの佐藤光留さんの興行、このリングだと思っています! だから佐藤光留さんにテメーらとの対戦を組んでもらえるように、最後はちょっと媚びて締めてもいいですか?」と提案。しかしHAYATOも政岡もまったく乗り気じゃない様子。それでも最後は関札が観客を立たせて「(HAYATOと政岡に)テメーら、仲間だと思っていたのに……。ああ、いいよ! このままやってやるよ! 準備はいいですか? アーユーレディ? ぼくらはみんないきているー!」と拳を突き上げて締めてみせた。
政岡 インディージュニアの祭典、初参戦や! いまさら初参戦……遅いんちゃうか。みんな見たがっていたんちゃうか? まあええわ。まあ対戦相手……カラぐらいかな。アゴに強烈なキックもらったやろ。アイツの宣戦布告やと、俺は感じたぞ。どっかのジュニアのチャンピオンやろ、アイツ! 引っ剥がすぞ。そんなことより俺は味方の二人に興味があるぞ。団体の垣根? そんなの知るか! 俺は根っからのフリーランスじゃボケ。佐藤光留! アイツらとの対戦を俺は強く望んでいるよ。以上!
HAYATO みんなありがとう。ぼくらはみんないきている……たぶんまた俺らが生きている限りもう1回出来ると思うけど、俺は全日本プロレス所属でもあり、愛媛プロレス所属でもあって。このインディージュニアの祭典で唯一メジャーとインディーを行き来できる存在だと思っているんだよね。あ、それ佐藤光留さんもか。ま、細かいことは置いておいて。いま俺は世界ジュニアを持っている。だから世界ジュニアを持っている間に、もっといろんな選手とやりたいね。またね!
関札 ちょっと待ってよ! 最後締めるとき、みんなで一緒に締めやすいようにかけ声も決めたのに。最後みんなが欲しいって言ってたこれ(勝利者賞)も独り占めでもらっちゃって…まあ嬉しいんですけど! 普段、大日本プロレスのリングでただ闘ってちゃ闘えない相手、そういう奴らと試合が出来るのが、このインディージュニアの祭典であり、ぼくらはみんないきているだとボクは思っています。お客さんに聞いても、やっぱり今日組んだアイツら二人との対戦が見たいと思うんで、そこはちゃんと佐藤光留さんに媚びて! また組んでもらいたいと思います。今日は帰ってこれ(エムロイ)を一人でたんまり飲んでやろうと思います! ありがとうございました!
ーーまずは総括をお願いします。
光留 総括? 総括……総括出来ないのがインディー。便利な言葉ですね。でも今まではインディージュニアをやろうっていうので本家のジュニアの祭典があって、それに対抗してやってやるんだって感じだったんですけど、何かちょっとインディーの等身大に出来たなっていう手応えがありますね。今日のが別にインディーの全部じゃないです。プロレスって底が丸見えの底なし沼って言うじゃないですか。インディーって見えなくなってからの下のところなんで。もうマリアナ海溝より深いですから、とんでもないのがまだまだいるんで! その辺ももっともっと探って出していきたいなって思いますね。
ーーメインでは大日本プロレスのジュニアチャンピオンのカラと、全日本プロレスの……。
光留 違う、違う! 全日本プロレスじゃないですよ、愛媛プロレスですよ!
ーー持ってるベルトが全日本プロレスの世界ジュニア王者。普段当たることがない選手が当たって、こういう闘いをこのリングでやりたいという発言も出てました。そういう広がりが出てきましたね。
光留 まあそうですね……それが叶うのは、必ずしもこのリングでなくてもいいとボクは思っているんですよ。インディーってやっぱ貪欲に自分で獲物を探して、ガツガツいって、それで負けても負けてもまた沸いて出てくるものだと思っているので。もしチャンスがあったらドンドン行っていいし、その責任はボクも取らないし。「チクショー、やられた!」って思わないんで。今日は高橋幸光をここでデビューさせたっていう、それ以外の後悔はないです。それだけです、後悔は。こんなところでデビューさせちゃダメだった!(苦笑)
ーーそのデビュー戦では望月選手相手に大健闘してましたし、セコンドには飯伏選手がついていました。
光留 マジで飯伏さん来たから「久しぶりっすね」って言ってて。パッと見たら一緒に入場してて。今日一番緊張しましたね。でもスゴイよかったですね。格闘技からプロレスに来る人って沢山いると思うんですけど、高橋幸光選手は今までになかった扉を開けてくれそうだなって思いますね。でも前口太尊…今日は来てないですけど、前口太尊っていう違う扉を開けた奴もいるんで。そういう人も今後はどうなるのかなっていうもがひとつと、あんなちゃんとしたレスラーをうちでデビューさせちゃいけなかったなっていうおがひとつと。二つ我にありですよ。
ーーご自身は阿部史典選手と壮絶な試合でしたが。
光留 記憶ないです。
ーー記憶が飛ぶぐらいの試合だった?
光留 いやいや。アイツとの記憶は持たないようにしているんで。
ーーインディージュニアの祭典、今回が3回目でしたが、いずれまた4回目もやろうと?
光留 そうっすね。だから本家のジュニアの人たちが、一体何をしているんだっていうのを、こっそりSNSとかで見守りながらやっていきたいなって思いますけど。まあタイミング的には今年の後半かなって思っていますけどね。いつかマイナージュニアっていうのもやってみたいですけどね。
ーーさらに下?
光留 インディーの下がマイナーじゃないんですよ。マイナーっていうもは、マイナーっていう独立した……よくないものなので(苦笑)。
ーーオープニングで次回の興行を4月にやると発表していましたが。
光留 はい。ノーコンプライアンスプロレスvol.0です! プレ旗揚げ大会なので、本当にどの辺までやっていいか探り探りやる大会です。プロレス界一コンプライアンスにうるさい人に、ちょっと来てもらおうかなって思っています。