ニコプロpresentsハードヒット「STAND FORTH」
日時:2023年5月30日(火)
開場:18時00分
開始:19時00分
会場:東京・新木場1stRING
観衆:48,000円(主催者発表)
第1試合 3ロストポイント 10分1本勝負 | |
● | 植木嵩行(フリー) |
2分3秒 TKO(ハイキック→レフェリーストップ) | |
○ | 渡辺壮馬(GLEAT) |
第2試合 タッグマッチ 5ロストポイント 15分1本勝負 | |
田村男児(全日本プロレス) | |
○ | 井上凌(全日本プロレス) |
9分33秒 TKO(ヒザ蹴り→レフェリーストップ) | |
関根シュレック秀樹(ボンサイ柔術) | |
● | 岡田剛史(TKエスペランサ) |
第3試合 3ロストポイント 10分1本勝負 | |
● | 前口太尊(飯伏プロレス研究所) |
5分5秒 TKO(人殺しラリアット→レフェリーストップ) | |
○ | 土肥こうじ(フリー) |
第4試合 3ロストポイント 10分1本勝負 | |
○ | 小林ゆたか(夕月堂本舗) |
3分23秒 腕ひしぎ十字固め | |
● | 塚本竜馬(フリー) |
第5試合 RYSKパートナーズpresents エキシビションマッチ(1R:3分 キックボクシングルール、2R:5分 ハードヒットルール) | |
— | 佐藤光留(パンクラスMISSION) |
2R エキシビションマッチのため勝敗なし | |
— | 高橋幸光(TSK Japan/飯伏プロレス研究所) |
ダークマッチ 5分1R(延長3分1R) | |
● | SUSHI(フリー) |
延長19秒 フェースロック | |
○ | 山本裕次郎(フリー) |
セミファイナル 松本幼稚園presents 3ロストポイント 10分1本勝負 | |
○ | 川村亮(パンクラスイズム横浜) |
6分51秒 フロントネックロック | |
● | ぺぺ井上(蒼天塾あざみ野道場) |
メインイベント 新太平洋運輸株式会社presents 5ロストポイント 15分1本勝負 | |
△ | 和田拓也(フリー/第4代ウェルター級キング・オブ・パンクラシスト) |
15分00秒 時間切れ引き分け(残りポイント3-3) | |
△ | 池本誠知(STYLE/第3代DEEPウェルター級王者) |
オープニングVのあとに大会プロデューサーの佐藤光留が登場。「月末の平日、裏に巨大なドラディション後楽園大会がある中、沢山のご来場ありがとうございます。まったく興行開始の煽りVの話を聞いていなくてですね、とんだ偉そうなプロデューサーの煽りVに自分が仕立て上げられていてですね、ちょっとビビってはいるんですが…。今大会はSTAND FORTHという言葉が示す通り、『立ち上がる』『立ち上がれ』そういう意味の大会にしました。以前、まだコロナ前にハードヒットを主催しているときには……こういうと変な言い方なんですけど、興行やってカードを組めばお客さんが沢山集まるという状態でした。ほかにこのスタイルを突き詰めていくような団体もなかったですし、独占しているような感じでやっていたのですが、やはりコロナの影響でいろいろどこの団体も、プロレス以外のエンターテインメントも苦しいのは苦しいんだろうと思います。ただその中でも伸びているものは伸びていますし、そういう世の中で自分がハードヒットの主催者として、何を中心に置いてやっていけばいいのかを考えたときに、どんなに状況が変わっても信念を変化させないことが、そのまま生き続けることが自分の変化だと。でもそのためにはやはり立ち上がらなければ! ずっと座って周りを見ていると生きていけないんで。自分に言い聞かせるために立ち上がれ! STAND FORTHという名前を興行に付けたところ、現時点で黒字が36,000円!(場内どよめき&拍手)ようやくこれでシュレックの交通費が払える……。まあ、あの……UWF興行でいきなり金勘定の話をする主催者はいないと思うんですけど。ただまあコロナ前に、ここで『お客さんが一人になってもボクがUのスタイルをやり続けるんだ』と言った言葉に、こんな状況になっても嘘がないということを、これから証明していかないといけません! お客さんが一人になってほしくはないのですが、どんな状況になっても…今日もどうしてもプロレスが、ハードヒットのリングがということで出場してくれる選手が何人もいます。やはり日本のUはハードヒットだと言って、この興行を見に来てくれる人がいます。何より自分もこのスタイルが、どうしても捨てきれないくらい好きです! 段々と自分が利かなくなってくる……時間が経過してしまいましたが、それでもなおまだまだ足掻き続けて、もうひと花だけでなく、ふた花、三花……具体的に言うと、LIDET UWFを潰すくらい!(場内拍手)まあ今日(LIDET UWFから)二人出るんだよ。そんなに煽らなくて大丈夫です。それぐらい頑張りたいと思います。でも本当にハードヒットのリングに上がる選手は、ボクが気に入らない選手は一人も上げないので。そういう意味ではLIDET UWFから今日来た選手二人も含めて、何かここに爪痕を残して、問題提起をして帰っていくと思います。そのように控室で煽りまくっています! 馬鹿騒ぎしているのは前口太尊だけです! それも太尊のスタイルなので否定しませんが、この緊張感と、その緊張感が生み出す興奮と、生み出せる感動と…それが残るリングはハードヒットだけですので、一生懸命今日も頑張ります!」と挨拶。
第1試合は植木嵩行(フリー)vs渡辺壮馬(GLEAT)。植木は上半身は柔道着、レガース&シューズはなしというスタイル。握手を交わしてから試合が始まると、壮馬が鋭いローキックから掌底で前に出る。植木も前傾姿勢で突進するが、掌底でいなした壮馬は掌底から同じ箇所にロー3連発。劣勢の植木は意表を突いて飛び付き十字を試みるが、振り払った壮馬。ガードを上げる植木だが、壮馬はアッパー気味の掌底を顔面に叩き込み、植木はやや朦朧とする。それでもガムシャラに前進した植木は再び飛び付こうとする。これも失敗したが、植木は低い姿勢からどうにかテイクダウンを狙おうとするが、壮馬は阻止。すると、やや棒立ちだった植木の土手っ腹にソバットをぶち込んだ壮馬は、ハイキックとミドルで追い込んでからソバット2連発。植木の体がくの字になったところに右ハイキックを叩き込むと、植木は前のめりにダウン。李日韓レフェリーは倒れた植木の顔を覗き込むと、すぐに試合を止めた。勝った壮馬は両拳を握りしめて、勝利の咆哮。植木は悔しそうな表情を浮かべながらも、壮馬からの握手に応じた。
第2試合は田村男児(全日本プロレス)&井上凌(全日本プロレス)vs関根シュレック秀樹(ボンサイ柔術)&岡田剛史(TKエスペランサ)。昨年12・14『GLEAT MMA Ver.0』でグラップリングルールで対戦したシュレックと男児だが、ラッシュガード姿のシュレックは男児がリングインすると、近づいていって睨み付ける。さらにシュレックは男児を指名するが、井上が先発で出てくると岡田が先発で出る。岡田がローを何発もヒットさせるが、井上も低く鋭いタックルでテイクダウンを奪うとアームロックの体勢。しかし岡田はうまく防御してマウントを取る。スイープした井上だが、岡田は下から三角絞めを仕掛ける。井上もこれは極めさせず男児にタッチ。シュレックがタッチを要求するが、岡田は「俺だってコイツとやりたいんで」とタッチを拒否して男児に向かっていく。圧をかけて組み付こうとする男児だが、岡田がうまくいなすとシュレックが「もういいよ」と再びタッチを要求。「勝手だな」と岡田が渋々タッチに応じると、シュレックは片足タックルを狙うが、男児もテイクダウンは許さない。しつこくテイクダウンを狙うシュレックだが、腰が重い男児は背後に回り込む。しかしスリーパーを狙う男児を背負い投げの要領で前方に投げたシュレックは両足タックル。これも切った男児はガブった状態からローリング。シュレックもスイープしてガブっていくと、そこからマウントを狙う。必死に防御する男児だが、シュレックは男児の身体に絡みついて胴絞めスリーパーの体勢に。そこから腕十字にスイッチすると、男児は悲鳴をあげながらロープエスケープ。シュレックのタックルを切ってバックに回った男児だが、足を取ったシュレックはアンクルホールド。ヘッドシザースで防御した男児だが、両脇を差したシュレックは相手コーナーまで押し込んでいく。ここで井上がタッチするが、シュレックが男児からなかなか離れない。苛立つ井上だが、レフェリーが注意しながら両者を離すと、ようやく井上がシュレックに掌底と蹴りで向かって行く。しかしシュレックはまったく動じず、井上を突き飛ばすと厳しい表情で控えの男児を睨み付ける。そして岡田にタッチ。井上と岡田は激しい掌底の打ち合いに。岡田は組み付いてグラウンドに持ち込むと、一気に腕十字へ。これで井上はロープエスケープ。続けて岡田はヒザ蹴りのラッシュで井上からダウンを奪い、全日本コンビは残り2ポイントに。岡田は一気に仕留めようと、勢いよくタックルを仕掛けるが、井上はヒザ蹴りで迎撃。これが岡田の顔面にカウンターでクリーンヒットしたため、レフェリーが慌てて試合をストップ。終始劣勢でシュレックからは相手にもされなかった井上だが、衝撃の逆転KOで一矢報いた。
第3試合は前口太尊(飯伏プロレス研究所)vs土肥こうじ(フリー)。JEEEPでは自他共に認めるエースの土肥だが、ハードヒットはこれが初参戦。改めて対峙すると身体の厚みがかなり違う。リング中央でどっしりと構える土肥に対し、その周りを回りながらどうにか蹴りで突破口を開こうとする太尊。しかしノーガードで圧をかけていった土肥は、一気に太尊に組み付けていくと背負い投げでテイクダウン。横四方からマウントにパスした土肥だが、なかなかパウンド掌底が打てず自ら立ち上がる。ローからミドルを飛ばしていく太尊。それでも圧をかけながら前進していく土肥。ローとボディブローで応戦した太尊だが、ロープ際までジリジリ追い詰めた土肥。組み付いた太尊はコーナーに押し込むが、両脇を差した土肥はスロイダー。立ち上がった土肥の右ヒジ目掛けて、太尊は速射砲のようなミドルキックを連打。これには顔をしかめた土肥。すかさずローでガクッと身体がくの字になった土肥のボディにソバットを叩き込んだ太尊だが、飛びヒザをかわした土肥はどうにか太尊に組み付く。明らかにローが効いている様子の土肥だが、首相撲からヒザ蹴りを入れていくと、棒立ちになった太尊に至近距離からラリアット。格闘技仕様の激堅リングに叩き付けられた太尊はダウン。カウント8でどうにか立ち上がったが、そこに走り込んだ土肥が人殺しラリアットを叩き込む。再びダウンした太尊を見て、レフェリーは試合をストップ。見事な勝利をあげた土肥は、勝利の雄叫びをあげた。
第4試合は小林ゆたか(夕月堂本舗)vs塚本竜馬(フリー)。いわゆる“田吾作スタイル”の塚本はレガース&ニーパットなし。ゴングと同時にラリアットで突っ込んでいくが、ひらりとかわした小林。塚本は体勢を低くして、どうにか小林に懐に飛び込もうとするが、小林にまったく隙がない。塚本のフェイントにも反応し、塚本が飛び込もうとする直前にインローをズバリと叩き込んで止めていく。左右の掌底をブン回しながら前進していく塚本だが、冷静にさばいた小林はがら空きだった塚本の顔面に、フック気味の掌底を叩き込んでダウンを奪う。頭から突っ込んでいった塚本だが、小林はボディにヒザとパンチ。しかし強引にコーナーまで押し込んだ塚本はボディスラムで叩き付けると、何とサソリ固めを狙う。しかし足を取って倒した小林はアキレス腱固め。塚本は溜まらずエスケープして残り1ポイント。後がない塚本は強引にヘッドロックに捕らえるが、小林は低空バックドロップで投げると、そこから一気に腕十字。残り1ポイントしかない塚本はタップした。ほぼ完封勝ちだった小林だが、座礼から塚本の腕を掲げて健闘を称えた。
第5試合は佐藤光留(パンクラスMISSION)vs高橋幸光(TSK Japan/飯伏プロレス研究所)のエキシビションマッチ。1Rは3分間のキックボクシングルールということで、両者ボクシンググローブを装着。いきなり鋭いハイキックを飛ばしていく高橋。光留はガードしたものの、見るからに破壊力のありそうな蹴りだったため場内からどよめきが起こる。このルールではさすがに余裕を感じる高橋。どうにか食らいつこうとする光留だが、ヒジに連続でけりをもらって思わず後退。さらに光留の蹴り足をキャッチして転ばせたり、高速ステップ式の連続キックを出すなど、余裕がうかがえる。光留もパンチからの蹴りのコンビネーションで積極的に前に出るが、高橋が余裕の表情のまま1Rが終了。
2Rは5分間のハードヒットルール。グローブを外した高橋に対し、光留はいきなりタックルを仕掛ける。すると高橋は光留の腰に両手を回すと、そのまま後方回転しマウントを取ってみせる。ならばと足関節を狙う光留だが、高橋はなかなか極めさせない。立ち上がった高橋はテイクダウンを狙おうとした光留の背後に組み付く。どうにかして足関節を取ろうとする光留だが、高橋はどうにか防御すると一旦離れてスタンドに。牽制の蹴りを出す高橋だが、光留はタックルでテイクダウン。マウントを取った光留は「シンドイか?」と挑発。しかし光留が腕十字を狙おうとしたところで、うまく防御した高橋は逆にサイドヘッドロックに捉える。頭を抜いて上になった光留は再び「シンドイか?」と挑発。観客から「実家、柔道場だろ! ガンバレ!」と独特な野次が高橋に向かって飛ぶと、スイープして上になった高橋はアームロックを狙う。立ち上がろうとした高橋だが、うまく足をかけて倒した光留。しかし高橋は足関節を極めさせず脱出。ミドルキックを連打していったが、キャッチした光留はグラウンドに引き込んでアキレス腱固め。しかし、ここで時間切れのゴング。
すると高橋は腕立て伏せをして「まだまだやれる」アピール。光留にも促すが、マイクを持った光留は「誰がカネ払っておっさんのスクワット見たいんだよ! いやあ、高橋幸光選手! 今日初めて会うまでLINEではメチャクチャ丁寧な文章で。新木場に似つかわしくない、爽やかな男が現れたなと思ったら、やっぱり中身は飯伏(プロレス)研究所! 愚問なんですが、ここに来てあんなことをしたということは、もしかしてプロレスがやりたいんですか?」と尋ねる。すると高橋は「ボクは今はまだ現役のムエタイのプロで、本当は世界トーナメントの途中なんですけど。6月も7月もタイに、世界チャンピオンと戦いに行ってきます! でも昔から本当にプロレスが大好きで、この超人的な強さに憧れていました! 本当はスゴくプロレスがやりたいですけど、あと一押し何か足らないのかなって思って……。皆さん、どう思いますか? ボク、プロレスやっていいと思いますか?」と、ハードヒットファンに尋ねる。拍手でプロレス挑戦を後押しされた高橋は笑顔で頷く。その様子を見ていた光留が「いろんなタイプの選手がいて超面白いですけど、ハードヒットのリング、そして佐藤光留興行に出るヤツは真剣で真面目でちょっと頭のおかしい、控室で川村と一緒に笑い合える、そういう人脈と才能が必要なんですよ。高橋選手、聞いて分かると思うんですけど、プロレスやりましょう」と改めてプロレスに勧誘。これに「よろしくお願いします!」と高橋が返事をすると、光留は早速8月26日に神奈川県川崎辺りでプロレスの大会をやる予定があるので、あとでどんなプロレスが好きだったかこっそり教えてくれと公開オファー。正式発表が待たれる。
休憩時間中にSUSHI(フリー)vs山本裕次郎(フリー)のダークマッチが行われ、延長戦で山本がフェースロックを決めて勝利。
そしてセミファイナルは川村亮(パンクラスイズム横浜)vsぺぺ井上(蒼天塾あざみ野道場)。ペペが積極的にローからの掌底で前に出て行くが、川村はガードを下げながらもプレッシャーをジリジリとかけていく。至近距離でお互いの掌底が激しく交差する。ロープを背にしたペペに対し、川村は圧をかけながら下(ボディ)と上(顔面)に掌底をうまく打ち分けていく。組み付いた川村は足をかけて倒すと、顔に手のひらを押しつけてから、ニーオンザベリー。どうにか脱出したペペだが、川村はなおも圧をかけてながら上下に掌底を打ち分けロープ際まで追い込む。そこかたタックルを仕掛けた川村は、両足を刈ってテイクダウンすると、コーナー下でネックロックの体勢に。ここでペペは極められる前にロープエスケープ。お互いに相手の顔面に掌底を叩き込むが、体重差もあるため明らかに川村の打撃のほうが威力がある様子。組み付いたペペは体勢を入れ替えて川村をコーナーに押し込むと、一旦離れる。川村がなかなかコーナーから前に出ようとしないでいると、ペペは意表を突いて豪快なカカト落とし。これが川村の顔面にヒットすると、続けてフック気味の掌底。モロにもらってしまった川村はヒザから崩れ落ちるようにダウン。カウント9で辛くも立ち上がった川村に対し、ペペは掌底でラッシュ。しかし組み付いた川村は鯖折りでどうにかテイクダウン。カメになるペペに腹固めのような体勢に両足でペペの腕を挟んで体重を乗せていくと、ペペはエスケープ。残り1ポイントとなったペペをロープ際まで追い込んだ川村は、身体を振りながら掌底を叩き込んでいく。ペペがグラつきながらも倒れるのを必死に拒否していると、川村は抱え込むようにして後方回転。そのままネックロックに捉えると、ペペはタップ。
メインイベントは和田拓也(フリー/第4代ウェルター級キング・オブ・パンクラシスト)vs池本誠知(STYLE/第3代DEEPウェルター級王者)。GLEAT所属ではないが、池本はLIDET UWFによく参戦していることもあって、どこかハードヒットvsLIDET UWFの対抗戦的雰囲気のある一戦。組み付いていった和田はロープまで押し込むが、池本はなかなかテイクダウンを許さない。どうにかテイクダウンした和田だが、池本はラバーガード。ガードポジションになった和田だが、スイープして上になった池本は回転体から腕十字を狙う。しかしクラッチした和田は後転して上になると、池本のスイープを潰した和田は上四方。サイドにパスした和田だが、ヘッドシザースでスイープした池本。どうにか捕まえようとする和田だが、回転しまくってそれをさせない池本。ならばと和田はサドルロックからレッグスプリットを狙う。腕十字で切り返そうとした池本だが、和田が防御してガードポジションに。下から張っていく池本だが、和田は冷静にパスを狙う。池本も防御しながら立ち上がろうとするが、和田はそれを許さない。バックを取った和田だが、クラッチを切った池本はアームロックを狙ってグラウンドへ。池本の回転に合わせて脱出を試みた和田だが、池本はヘッドシザースで阻止。和田も逆にヘッドシザースから脱出を狙ったが、背後に張り付いた池本はそのまま胴絞めスリーパー。腕十字にスイッチしようとするが、和田は防御しながら潜ろうとする。だが、ちょうど四つん這いになった和田の背中に乗った池本は回転して再び腕十字へ。クラッチした和田はうまく脱出して立ち上がる。足をかけて倒した和田だが、スイープした池本はサドルから両足をフックした状態で、チキンウイング・フェースロック。これは和田も必死にロープエスケープ。するとピタリと身体を寄せた和田が、カニ挟みから一気にクロスヒールホールドへ。エスケープ出来ないように池本の腕も掴んだ和田だが、池本はどうにかロープエスケープ。組み付いた和田だが、両脇を差してグラウンドに持ち込んだ池本。猪木−アリ状態からヘッドスプリングでのパスガードを狙った池本だが、和田はすぐに反応。逆にカメになった池本の顔面にサイドから掌底。スイープした池本はアームロックを狙うが、和田は立ち上がって脱出。ローを叩き込んでいった池本だが、3発目をかわし、4発目をキャッチした和田はその状態から池本の顔面にストレート掌底をブチ込んでダウンを奪う。モロに食らってしまった池本だが、カウント9で立ち上がる。すると池本は首相撲からヒザ、さらにローを連打して和田の意識を下にいかせたところでブラジリアンキック。見えない角度から頭部に食らってしまった和田はダウン。カウント9で立ち上がった和田をコーナーに追い詰めた池本は掌底でラッシュ。両足タックルでどうにか切り抜けた和田はヒザ固めへ。残り3分を切ったためエスケープを避けた池本は、上から覆い被さって肩固め。しかし後転して脱出した和田はカメになる池本の顔面に掌底を入れていく。転がって下になった池本は、下からの三角絞めを狙う。しかし、和田が防御すると池本は腕十字にスイッチ。しかしうまく脱出した和田はマウントを取ると、サイドにパス。下からヘッドシザースを狙った池本だが、立ち上がった和田は猪木−アリ状態に。後転して立ち上がった池本だが、一気にコーナーまで押し込んだ和田はテイクダウン。マウントを取った和田は再びサイドにパス。しかし、ここで時間切れのゴング。残りポイントも両者3-3だったため引き分けに終わった。握手をした両者はどこか無念そうな表情を浮かべながら無言でリングを降りた。
ーーまずは大会総括を。
光留 何か最初の煽りVが、佐藤光留がすごい偉そうでしたね。
ーー発言をそのまま使っただけですよ。
光留 いや、何かあんな性格の悪い人になっているとは思わなかったので(苦笑)、すごい出づらかったです! けど、やっぱり……何て言うんですかね。より先鋭的に…レベルが上がった・下がったじゃなくて、先鋭的なキャラクターと格闘技の人の技術を持っていないとハードヒットには上がれないっていうのを示せたっていうのは、収穫があったと思います。ただ自分で自分の首を絞めているっていうのも、もちろん分かっています。でも自分で自分の首を絞めるって、よくない慣用句として使われるかもしれないですけど、自分で自分の首を絞めるプロレスって魅力あるように感じるんですよね。まあ間違っているか・合っているかは、他人からどう言われようと、僕が判断すること。間違っているなら“間違っているっていうプロレス”が好きなんで、それでいいと思います。
ーー今日は5選手も初参戦の選手がいましたが。
光留 そんなにいました? 誰? SUSHI?
ーー違う! 池本選手、塚本選手、ペペ選手、高橋選手、土肥選手。
光留 土肥さんも入れちゃう? ……でも確かにそうか。でも思ったよりは少ないです、それこそ。今日ダーク入れて8試合あったら、8人新顔入れたかったですね。それぐらい……引っ越したい欲ですよ! いや、結局今回スケジュールが合わなくて出られなかった選手もいるし、明日のインディージュニアのほうに出る選手もいるんですよ。けど、結局僕が昔、いろんな試合に出してもらったっていうのは、もちろんありがたいことなんですよ。けど、他にも出てる選手はたくさんいたんです。だけど生き残った選手って何人かしかいないんですよ。そういう意味では誰がダメっていうわけじゃないですけど、必要か・必要じゃないかっていうところは常に振るわれるんで。
ーー中でも高橋選手は非常にプロレスに興味を持っているようで。
光留 アレは騙されたね。あんな人じゃなかったのに! 今日、知り合って。だから第一印象って大事ですよ。もっと…本当にああいう人が笑いながら後輩に酒飲ますんだろって思いながら、マウントで下になってました(笑)。
ーーさすがは飯伏プロレス研究所。
光留 いや、理由はあるんだなって思いましたね。ただ、あの試合を見てジェラシーを感じたっていう選手もいるし、逆に高橋選手が「この試合がすごかった!」「ワー!」って言って。初めてのプロレスの控室ですから! ちょっとまあ通常のプロレスじゃないけど……っていうところで、お互いの刺激になったら、それが僕のやりたかったことなので。
ーー明日別の興行がありますが、ハードヒットとしての次回大会は? 川崎ではハードヒットの試合は?
光留 分からないです! ハイ! 川崎の前にやるかもしれないですし。今日ので思いましたけど、このスタイルっていうのはやっぱりいいなって思います。出られる人はもちろん限られているし、いろいろお金もかかるんですけどね。でも、何もそこまで約束守らなくてもいいじゃないかってぐらいずっとやるんで。