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ニコプロpresents佐藤光留自主興行「変態の逆襲」

ニコプロpresents佐藤光留自主興行「変態の逆襲」

ニコプロpresents佐藤光留自主興行「変態の逆襲」
日時:2024年8月25日(日)
第1部:14時開場/15時開始
第2部:17時開場/18時開始
会場:神奈川・富士通スタジアム川崎
観衆:川村はひと晩で3回(主催者発表)

【第1部】
ダークマッチ 松本幼稚園presentsシングルマッチ 時間無制限1本勝負
立花誠吾(フリー)
  with黒潮TOKYOジャパン(フリー)
6時間 川崎市の条例により屋外イベント終了時間となったため興行終了
斎藤拓海(花鳥風月)
  with土肥こうじ(フリー)
第1試合 RYSKパートナーズpresentsタッグマッチ 15分1本勝負
  関根シュレック秀樹(ボンサイ柔術)
塚本竜馬(フリー)
10分29秒 ウラカン・ラナ
  SUSHI(フリー)
高橋幸光(飯伏プロレス研究所)
第2試合 デッドリフ太郎presentsシングルマッチ 15分1本勝負
拳剛(フリー)
8分38秒 ダイビング・フットスタンプ→片エビ固め
セレジェイラ(Magic Box)
第3試合 株式会社りくつなpresentsYMZ対エボ女ゴキゲンな対抗戦だオイッ 6人タッグマッチ 10分1本勝負
  松本浩代(フリー)
沙也加(我闘雲舞)
  真琴(フリー)
  with松澤さん
10分00秒 時間切れ引き分け
  ZONES(Evo女)
Chi Chi(Evo女)
  ソイ(Evo女)
延長戦 だるまさんが転んだ対決
沙也加(我闘雲舞)
※YMZ軍の勝利
セミファイナル デッドリフ太郎presentsノーコンプライアンスプロレス提供試合 6人タッグマッチ 69分1本勝負
鈴木秀樹(フリー)
ライジングKIYOSHI(フリー)
12分16秒 ステ○イド打ってる
中澤マイケル(AEW)
岡田剛史(ダブプロレス)
神崎ユウキ(TTT)
KURO-OBI(TTT)
with一般人・澤宗紀(一般人)
メインイベント 新太平洋運輸株式会社presentsインディペンデント・ワールド・世界ジュニアヘビー級選手権試合 エニウェアルール3wayマッチ 時間無制限1本勝負
[王 者]佐藤光留(パンクラスMISSION)
26分28秒 横入り式エビ固め
[挑戦者]前口太尊(飯伏プロレス研究所)
※あと1人は[挑戦者]香取貴大(イーグルプロレス)。第38代王者が6度目の防衛に成功。
【第2部】
第1試合 RYSKパートナーズpresentsシングルマッチ 15分1本勝負
SUSHI(フリー)
8分01秒 ラリアット→片エビ固め
本田竜輝(全日本プロレス)
第2試合 松本幼稚園presents2代目「2」決定バトルロイヤル 22分2本勝負
1本目 07秒 全員OTS
松本浩代(フリー)
2本目 7分26秒 OTS
一般人・澤宗紀(一般人)
X=大和ヒロシ(フリー)
【退場順】
①○松澤さん(15秒 OTS)セレジェイラ●
②○松澤さん(21秒 OTS)レザーフェイス●
③○松澤さん(28秒 OTS)塚本竜馬●
④○松澤さん(35秒 反則)KURO-OBI●
⑤○松澤さん(1分38秒 体固め)THEよっちゃん●
⑥○あべけんじ(2分1秒 OTS)松澤さん●
⑦⑧○T-98(2分24秒 ローキック→踏みつけフォール)パンディータ●あべけんじ●
⑨○サンダーサマーズ(2分37秒 エルボードロップ→体固め)T-98●
⑩○岡田剛史(2分46秒 横入りエビ固め)サンダーサマーズ●
⑪○キラ☆アン(2分53秒 横入り式エビ固め)岡田剛史●
⑫○関根“シュレック”秀樹(3分48秒 OTS)キラ☆アン●
⑬○一般人・澤宗紀○大和ヒロシ○チチャリート・翔暉(3分49秒 OTS)関根“シュレック”秀樹●
⑭○大和ヒロシ(5分46秒 OTS)チチャリート・翔暉●
⑮⑯○松本浩代(7分26秒 OTS)一般人・澤宗紀●大和ヒロシ●
※松本浩代が優勝。松本に「2」を継ぐ権利と義務が発生。
第3試合 株式会社りくつなpresents3wayタッグマッチ 30分1本勝負
雪妃真矢(フリー)
  ZONES(Evo女)
10分00秒 ホワイトアウト→レフェリーストップ
  真琴(フリー)
ソイ(Evo女)
※あと1組は沙也加(我闘雲舞)&Chi Chi(Evo女)
セミファイナル デッドリフ太郎presentsジュニア12人タッグマッチ 45分1本勝負
  ライジングHAYATO(全日本プロレス)
  拳剛(フリー)
  中野貴人(BASARA)
  香取貴人(イーグルプロレス)
  橋之介(TTT)
神崎ユウキ(TTT)
16分24秒 パワーボム→片エビ固め
田村男児(全日本プロレス)
  和田拓也(フリー)
  若松大樹(2AW)
  植木崇行(フリー)
  前口太尊(飯伏プロレス研究所)
  高橋幸光(飯伏プロレス研究所)
メインイベント 新太平洋運輸株式会社/サブロク工房presents電流爆破結婚式8人タッグマッチ 時間無制限1本勝負
  佐藤光留(パンクラスMISSION)
  鈴木秀樹(フリー)
  渡慶次幸平(迷拳パチ公)
小林ゆたか(夕月堂本舗/新郎)
  with富松恵美(新婦)
16分03秒 夫婦の共同作業式電流爆破バット攻撃→体固め
  大仁田厚(フリー)
  雷神矢口(怪獣プロレス)
  佐野直(フリー)
田馬場貴裕(IMPACT)

出だしからあるトラブルに見舞われたが、第1部に出場する選手、レフェリー、さらに試合は第2部なのに早めに来て設営を手伝ってくれた選手によってリングの組み立てをはじめ、会場の設営が行われた。開場時間の14時になってもリングは完成していなかったが、例年通りダークマッチがスタート。「2」の代わりにダークマッチ出場権を得た斎藤拓海に対し、もう慣れたものの立花誠吾が、やはりやや優勢。このままではついに予定通り、本戦開始時間までにダークマッチも決着がつくのではと思われたが、劣勢だった斎藤が助っ人を呼び込む。そこに現れたのは、今年は阿部史典の欠場によりJEEEP提供試合がなく、出番なしかと思われた土肥こうじ。まだ観客もまばらだったが、“JEEEPのエース”が登場したことにより、富士通スタジアム川崎が一気に鹿児島へと変わっていく。マイクで世の中への不満をブチあげ「右とか左とかそんなんじゃねぇんだ、俺はただ真っ直ぐ行きたいんじゃー!」の決め台詞も決まり、観客も熱狂。すっかり形勢逆転された立花もマイクを持つが、観客はもはやJEEEPを観に来たかのような状態に。立花が強引に助っ人を呼び込むと、福山雅治の『HALLO』がヒットして黒潮TOKYOジャパンが登場。黒潮といえば永遠と『HALLO』が流れる中、なかなか入場しないでお馴染みだが、富士通スタジアム川崎が広大である。立花のピンチを救うためには、1分1秒でも早くリングインしたいが、どうしても身体がリングではなく会場中を練り歩きながらファンと交流することを求めてしまう。真夏の昼間、屋外の富士通スタジアム川崎をグラウンドからスタンドから走り回っていた黒潮は、リングサイドまで来たところで熱中症でダウン。 そうこうしているうちに本戦開始時間の15時になり、主催者である佐藤光留がなぜか某選手の入場曲で登場。土肥は上機嫌だわ、黒潮は倒れているわ、リング上では立花と斎藤がまだ試合してるわで、例年以上にカオスな状況の中、「本大会は今年の1月から企画がありました。8月25日に会場を取って、その時点で名前は言えませんが、ジュニアの祭典で大ブレイクして控室で『僕が阿部史典ですよ』みたいな顔していた選手を含め、いろいろな選手にオファーをしたのですが、何と同日開催の日高郁人興行に、佐藤光留興行に出るはずだった選手が6人もいるというハプニングが起こりまして。もはや島根に佐藤光留興行が移ったのではないかと言われる事態に。まあまあパニックになりましたが、どうにかこうにか皆様のおかげで本日を迎えられました! だが、しかし! ハプニングは続くもので、13時……インディーレスラー20名がいまかいまかとリング設営を待っているのに、リング屋が来ない! 名前は言えませんが、日本のプロレス団体のリング、シェア率8割を占めるオフィス○○ィに電話をしたところ、『そうだっけ?』と言われまして。……ビックリしました。だが、こうして今リングが出来て、ダークマッチの試合中に一人熱中症で倒れ(?)……土肥さんは何をしているんですか? 日焼けしているだけじゃないですか? 違うんですか? こうしてまた興行が行われることが事実です! もう6月ぐらいで何が起こってもどうしようもない、変更してもそれに何の意味があるんだ! とにかくすべての壁を乗り越えるのではなく、壊していこうということで、今大会名を変態の突撃(※実際は『変態の逆襲』)にしました! 今年は5回目の大会、本当にあそこ(スタンド席)で流しそうめんをしている奴らがいます! もしかしたら昨年、エル・デスペラード選手が出た大会とは有名な選手の数が違うかもしれません。ただし、ここにしかないものは、2024年8月25日、これからこのリング上でつくっていきます! ぜひ皆様もお客という立場を乗り越えて、共犯者となり、よくないものをつくり上げていってください。ゲリラ豪雨も来るそうです。知るか! 雨が降ったら濡れればいいんだよ! それが川崎のプロレスだよ! 試合を開始するぜ! よろしくお願いします!」と挨拶すると、リング上で試合をしている立花と斎藤を蹴落とし、倒れている黒潮を土肥と一緒に控室へと運んでいった。

第1試合は関根シュレック秀樹&塚本竜馬vsSUSHI&高橋幸光。シュレックに握手を拒否された高橋は、いきなりローと前蹴りのコンビネーションから首相撲でシュレックを捕まえて膝蹴りを入れていく。しかしベアハッグで捕まえたシュレックは、グラウンドに持ち込んでアームロック。例によって黒いキャンバスが熱くて悲鳴をあげる選手。SUSHIは「へい、らっしゃい!」とアピールするが、何せ声が遠くまで届かない。それでも塚本をショルダータックルでなぎ倒したSUSHIがタッチすると、高橋はランニング前蹴り。だが、高橋を場外に出した塚本は試合序盤から「パパ頑張れ−」と声援を送っていた高橋の子供の目の前で攻撃。これに怒った高橋は「子供が見てるだろうが!」とハイキック一閃。そして子供に向かって「頑張るよ!」と笑顔を見せると、場外で巴投げ。リングに戻った塚本はシュレックにタッチし、高橋にダブルのタックル。さらに塚本がスローイングした高橋にシュレックがラリアット。高橋もジャンピング脳天エルボーからステップ式延髄斬りを返してSUSHIにタッチ。ニールキックからラリアットでシュレックをなぎ倒したSUSHIだが、シュレックはカバーしたSUSHIをブレーンクローで捕まえると、そのまま立ち上がってブレーンクロースラム。続いて塚本がヒップアタックを見舞って行く。さらに塚本は高橋をブレーンバスターで投げるが、高橋もエルボーで反撃。敢えて両手を広げて受け止めてみせた塚本はエルボーで高橋の動きを止めるが、渾身のミドルキックを返した高橋はSUSHIがスローイングした塚本をティヘラで投げていく。PKでカウント2まで追い込んだ高橋は、ウラカン・ラナでくるりと丸め込んで3カウントを奪った。試合後、シュレックが高橋に1vs1での勝負を要求。高橋が「MMAvsムエタイ、皆さん見たいですか?」と観客に尋ねると、シュレックは「キックルールでもいいぞ!」と挑発した。

第2試合は拳剛vsセレジェイラ。セレジェイラは拳剛の左腕を一点集中攻撃。しかし拳剛もグラウンドで上になったセレジェイラに対し、下からのヘッドシザースでスイープすると、そこから逆片エビ固めに捉える。ロープに逃れたセレジェイラだが、エルボーの打ち合いでは拳剛が圧倒的に優勢。ダウンしたセレジェラに馬乗りになってエルボーを打ち込み、立ち上がろうとするセレジェイラを下から蹴り上げる。それでも食らいついていったセレジェイラは渾身のエルボーで反撃するが、拳剛はケンカキック一発でダウンさせると、ロープに飛ぶ。「ふざけんな!」とカウンターのゼロ戦キックを叩き込んだセレジェイラは、ブレーンバスターからアームロック。さらに左腕へのコードブレイカーからカウンターの掌底アッパーを叩き込んだセレジェイラは、拳剛を抱え上げようとしたが、背後に逃れた拳剛は串刺しラリアットからバックドロップ。ヨレヨレになりながらもエルボーで向かって行ったセレジェイラだが、拳剛はランニングエルボーからブレーンバスター。必死でキックアウトしたセレジェイラだが。拳剛はコーナー二段目からダメ押しのダイビング・フットスタンプを投下して3カウントを奪った。

第3試合は「YMZ対エボ女ゴキゲンな対抗戦だオイッ」松本浩代&沙也加&真琴with松澤さんvsZONES&Chi Chi&ソイ。裁くレフェリーは和田京平。沙也加とZONESの先発で試合開始。腕の取り合いから丸め込んでいった沙也加はドロップキック。しかし沙也加の串刺し攻撃をかわすとChi Chiとソイが入ってきてエボ女がトレイン攻撃から、ZONESとChi Chiのダブルドロップキック。そこから1年前の同大会でも披露した「EVO」の人文字! 2023年は引退したサニーがやっていた「V」をソイが引き継いだ。YMZ軍に崩されると、ソイが沙也加にショルダータックルを連発。しかしリング下の松澤さんがソイの足をすくって倒すと、今度は沙也加が「Y」、松本が「M」、真琴が「Z」とYMZの人文字を披露。松澤もなぜか真ん中でグラビアポーズ。さらに真琴が松澤さんとの連携攻撃でソイを追い込んでいくと、松澤さんのブロンコバスター。ZONESとChi Chiが「まだ新人なんだよ!」と嘆くが、松本がソイをコーナーにセットしてコーナースプラッシュ。ソイもエルボーを打っていくが、松本はビクともしない。ならばとショルダータックルで何度もぶつかっていくが、逆にショルダータックル一発でなぎ倒した松本。そこにZONESが入ってきて、ソイとのダブルタックルでどうにか倒すと、ソイはセントーンを投下してZONESにタッチ。串刺しラリアットの連打を見舞ったZONESはダイビング・エルボ—ドロップ。ZONESがラリアットを狙うと、かわした松本が逆にラリアット。OZアカデミーではタッグを組んでいる両者だけに、相手の動きを分かっているようだ。沙也加がブレーンバスターを狙うが、逆に投げたZONESはタッチ。串刺しビッグブーツの連打を叩き込むと、ZONESのエルボーからソイがボディプレス。そしてChi Chiがフィッシャーマンで投げるがカウントは2。コーナーに登ったChi Chiだが、松本が入ってきて追いかけていき、雪崩式ブレーンバスター。さらに真琴がダブルアーム・スープレックスで投げると、沙也加がドロップキック。Chi Chiもロープに振ろうとする沙也加に卍固めを決めるが、これはカットされる。松本と真琴がダブルブレーンバスターで投げたChi Chiを、沙也加がロールケーキで丸め込むが時間切れのゴング。 すると、この試合の特別リングアナを務める予定だった米山香織に代わり(現在米山は左膝前十字靭帯断裂で欠場中。そのヒザの調子が思わしくないため来場が中止になった)、沙也加が「このままじゃ終われねえよー! こうなったらダルマさんが転んだで勝負だ!」とYMZ恒例の延長戦を要求。京平レフェリーが鬼となり、松澤さんを含めた7人が飲食ゾーンの手前辺りに横一列に並び、京平レフェリーに「ダルマさんが転んだ」の声に合わせて、少しずつリングに近づいていく。リングインの際が一番の団子状態だったが、一人抜け出した沙也加が京平レフェリーにタッチし、YMZ軍の勝利となった。

セミファイナルは鈴木秀樹&ライジングKIYOSHIvs中澤マイケル&岡田剛史&神崎ユウキ&KURO-OBIwith一般人・澤宗紀のノーコンプライアンスプロレス提供試合。もはや2vs4+1という変則タッグマッチな上に、PPV生中継では音声のみの配信になるという異色な試合となったため、とてもじゃないがその詳細をここに明記することは出来ない。会場で実際にその目で見た観客だけが心の中にとどめてくれればいいのだが、最後はAEWスーパースターである中澤マイケルがステ○イドを打っていたため勝利。マイケルが勝利で対戦相手の2人もパートナーもwithもみんな負けという、タッグマッチの概念すらぶち壊したカオスな試合だったことだけは伝えておこう。

第1部メインイベントは佐藤光留vs香取貴大vs前口太尊のインディペンデント・ワールド・世界ジュニアヘビー級選手権試合。しかもエニウェアルール3wayマッチで、王者の光留から直接勝利しなくても、勝ったものが王者というルール。三つ巴の力比べからチョップやエルボーの打ち合いになるが、なぜか香取だけが多くの打撃を受ける展開に。「待って! 何かがおかしい」と訴える香取だが、「あの試合(ノーコンプライアンスプロレス提供試合)のあとにおかしいことなんてない」と断言する光留。たまらず場外にエスケープした香取が「エニウェアマッチだぞ! 外でやろうぜ!」と挑発するが、その隙を突いて太尊が光留をスクールボーイで丸め込む。慌ててリングに戻った香取も丸め込んでいくが、光留もカウント2で返す。光留と太尊は連係攻撃を狙うが、かわした香取がドロップキックで二人まとめて場外に蹴落とすとスライディングキック。しかしキャッチした光留と太尊が香取を場外に引きずり出すと、そこから光留が観客にペットボトルで殴打したり、お客さんが持参した折りたたみチェアを盾にして「壊すなよ!」と牽制しながら大暴れ。さらに光留は太尊と香取を捕まえてスタンド席に雪崩れ込む。太尊のサッカーボールキックを食らって階段落ちした光留を、フェンスからグラウンドに落とそうとする太尊。レフェリーやセコンドが慌てて止めるが、今度は香取が太尊を落とそうとする。必死に抵抗する太尊だが、その様子を光留はスタンド席で観戦していたZONESの肩を抱いて見つめるという不思議な光景。すると太尊が「そうめん食べたいんだよ! 腹がヘリコプター!」と叫んで、観客がやっていた流しそうめんを食べることに。光留と香取も流しそうめんを食べ出すと、太尊が「マウスピースしてた」と食べながら気付くというパンチドランカーっぷりを発揮。そこから急に試合が再開し、売店前などで大乱闘をしながらようやくグラウンドに戻ってくる。香取をリングに戻した太尊はスワンダイブ式ミサイルキック。香取もウラカン・ラナで丸め込むがカウントは2。さらにジャーマンで投げ捨てた香取は、ブレーンバスターで太尊をコーナーに投げつける。太尊も何とかハイキックを返すが、ここでようやくリングに戻ってきた光留が串刺しミドルキックから水車落とし。アームロックに捉えた光留は、ロープに太尊の左腕を巻き付ける。だが、太尊も串刺しニーを返すとエルボーの打ち合いに。光留がジャンピングハイを叩き込んだところで20分が経過。香取が光留にニーを叩き込むと、続けて太尊にもニーを狙うが、キャッチした太尊はローリングソバットからハイキック。3者ともダウンするが、カウント9でどうにか立ち上がる。光留を場外に落とした太尊はエプロンからランニングロー。そのまま場外に出ると、香取が場外ダイブを狙う。しかしセカンドロープを踏み台にした瞬間、香取の右足にロープが絡まり宙吊り状態に。右足にダメージを負った香取だが、「いける! いける!」と自らを鼓舞。すると太尊が「空気読めよ! 俺の3周年なんだよ! 正々堂々、男らしく行こう! あっちだ!」となぜかリングと逆方向を指さす。そして光留を座らせた太尊は、香取に向かって「(グラウンドを)一周して早くゴールした奴が(光留を)殴って決めていい!」と提案。つい数分前にアクシデントに見舞われたばかりの香取が「俺、いま足痛いんだけど」と訴えるも「男らしくねえ!」とムチャクチャなことを言う太尊だが、香取はこの無謀な提案を受け入れることに。ちょうど17時を告げる川崎市のチャイムが鳴り響く中、観客の「よーい、ドン!」のかけ声と同時にダッシュする太尊と香取。当然、足が痛い香取を大きく引き離す太尊だが、中盤あたりで香取が大幅にショートカット。気付いた太尊もショートカットして追いかけるが、香取が光留の目の前で転倒。すかさず抜き去った太尊が「もらった!」と光留を蹴り飛ばそうとするが、完全に休めて回復していた光留はあっさり太尊の蹴りをかわすと、全体重を乗せたスクールボーイで丸め込んで3カウント。第38代王者の光留が6度目の防衛に成功し、第1部は終了した。

第1部と第2部の間もダークマッチは続いていた。実際に今年のJEEEPでも大活躍だったBluetoothスピーカーを持参した土肥が、長渕の曲を流して斎藤や観客と熱唱する中、すっかり回復した黒潮はスタンド席からそうめんを流し……いや、落として下にいる立花が口でキャッチするという高度な攻防が繰り広げられていたが、黒潮がまたしても熱中症で倒れてしまう。

そしてやっぱり第2部本戦開始時間の18時になったため、主催者の佐藤光留が第1部のときとは別の某選手の入場曲で登場。土肥のBluetoothスピーカーを止めるが、リング上の立花と斎藤は「周りの目なんか気にしてんじゃねえ!」と相変わらず試合続行。光留は「確かにそのようなことも私が言いました。このようなことが行われるのも、日本で僕の大会ぐらいだと信じておりますが、意外とこういうのをやってるのがインディーなので。インディー恐るべしと、いま川崎球場の真ん中で感じております。1部でも言いましたが、この興行はレギュラー選手の何人かが出られていません。大体この頃になるとプロレス興行も落ち着くんですけど、何と本日プヲタスケジュールを見たところ30興行くらい被っておりまして。そんな中でこの興行を選んで、天気予報を見つめながら、この会場に集まってくれた皆様の顔を見ると、こういう人たちがいるから日本の治安は保たれているのか、保たれていないのか……恍惚と不安二つ我にありというところでございます。あ、山崎一夫さんが来てくれています。いつも夕方に実施しています、川崎ちびっこプロレス教室はついに5年目にして一人も参加せず中止になりました! しかし安心してください! ちゃんと昨日、川崎球場をいっぱいにした大仁田厚さんはもう来ています! 挨拶に行ったら『結婚式ってなに?』って言われました。ひと言『大丈夫です』と言って部屋を出ました。いろんなプロレスがありますが、そもそもこの富士通スタジアム川崎でプロレスを始めたのは、コロナで声を出してプロレスが出来ないというのが最初の始まりでした。まさか5年も続くとは思いませんでした。これもいま目の前でエルボーを打ち合っている二人を含め、今日パンクラスで弁当出しのバイトがある川村も含め、すべての人の協力の上で成り立っているものだと思っております。これからドンドン変化していくと言われておりますが、プロレスだけはずっと変わらない、プロレスの根幹だけはずっと変わらない、喜怒哀楽すべてが揃ったエンターテインメントだと思っています! 今日は初めて電流爆破で結婚式をします! 現時点でどうなるか……そんなもの分かるか! 分かんねえから楽しいんだよ! 分かんねえからやるんだ、俺たちは! 楽しみにしてください」と挨拶。最後に照明スポンサー5社の名前を読み上げた光留は、「そろそろ第1試合を始めないと、今日SUSHIはこの大会が終わったあと仕事だって言うんで。一生懸命生きてるんで、早いところ試合させてあげたいと思います。ぜひ後半戦、今年も夏の終わりをこの川崎で感じてもらいたいと思います! 楽しんで、声上げて……(立花と斎藤に)うるせー! 試合開始だー!」と言って、二人を場外に蹴落とすと、なぜか土肥まで熱中症で倒れていたため、4人を連れ出した。

第1試合はSUSHIvs本田竜輝。本田の突進をかわして「ヘイ、らっしゃい!」アピールをするSUSHIは、そのままサミング。ショルダータックルで倒れない本田に「オマエが行け」と挑発したSUSHIは、本田のショルダータックルを受け止めた上で、逆にタックルでなぎ倒す。しかしスリーパーで捕まえた本田はカウンターエルボー。カバーする本田だが、京平レフェリーはわざとゆっくりカウント。「遅いよー!」と訴えた本田はSUSHIをロープに押しつけてヒザで押し込むが、いつものようにスピーディーに反則カウントを取ってくれない京平レフェリー。完全に自分のペースを作らせてもらえない本田だが、キャメルクラッチで追い込むとブレーンバスターの体勢に。これを逆に投げていったSUSHIはエルボーの打ち合いに応じる。そこからロープに飛んだ本田だが、SUSHIはカウンターのニールキックから串刺しラリアット。さらにスシカッターで叩き付けると、TEEKAMAKIを狙う。踏ん張った本田はショルダータックルでSUSHIを吹っ飛ばすと、ラリアットを狙うがSUSHIは何度も両腕でブロック。本田は左右のエルボーから突進するが、SUSHIはカウンターのラリアット。カウント2で返した本田はSUSHIの突進をかわすと、カウンターのスピア。そこから豪快なラリアットでSUSHIを吹っ飛ばして3カウントを奪った。

第2試合は2代目「2」決定バトルロイヤル。当初は松本浩代しか出場決定選手がいなかったが、佐野直に協力を求めたところインディー選手が大挙参加表明したためランブルからバトルロイヤルに変更されたこの試合。昨年の2代目阿部史典発掘ランブルと同様、Xとして大和ヒロシが登場するとまさかの「帰れ」コールの大合唱。そんな波乱の幕開けとなったこの試合だが、2カウントルールとオーバー・ザ・セカンドロープを採用。誰も「2」になりたくないため、1本目の開始のゴングが鳴った瞬間、全員がセカンドロープを越えて場外に出てしまう。そのため全員失格に。この事態を予め想定していた主催者から、2本目の勝者が優勝となり、優勝者にはギャラが2倍になることがアナウンスされると、全員一斉にリングに戻って2本目開始。セレジェイラがアックトゥボンバーを狙うが、松澤さんにかわされてオーバー・ザ・セカンドロープ(以下OTS)で失格。勢いに乗った松澤さんはレザーフェイスと津本を続けてOTSで失格にする。KURO-OBIは帯で松澤さんの首を絞めたため反則で失格。一般人・澤宗紀を皮切りにヘッドロックの数珠つなぎになると、THEよっちゃんが全員まとめてDDT。しかし松澤さんがそのままよっちゃんをカバーして2カウント。あべけんじが松澤さんをOTSで失格にさせると、T-98が強烈なローキック。横にいたパンディータもローキックでダウンさせ、二人まとめて踏みつけフォールで失格させる。サンダーサマーズがT-98にジャンピングニ—を見舞うと、エルボードロップからカバーしてT-98も失格。岡田剛史がサマーズをスクールボーイで丸め込んで失格にすると、キラ☆アンがその岡田を丸め込んで失格にさせる。キラ☆アンに詰め寄っていくシュレックだが、キラ☆アンの打撃にビクともしないシュレックはヘッドバット。しかし串刺し攻撃をかわしたキラ☆アンは串刺しビッグブーツ。怒ったシュレックはキラ☆アンを持ち上げるとOTSを狙う。周りの選手に誘導されてトップとセカンドの間から身を乗り出してキラ☆アンをOTSにしたシュレックだが、手伝っていた選手たちはシュレックも突き落として失格にさせる。残り人数が少なくなると、松本は「やっぱりなりたくない!」と自らOTSになろうとするが、ほかの選手たちが一斉に阻止。大和とチチャリート・翔暉がエルボーの打ち合いに。ティヘラで大和を投げたチチャはコーナーへ。しかし大和がドロップキックで蹴落としてOTSに。その隙を狙って自らOTSになろうとする松本だが、澤が「それでもレスラーか! ちゃんとやれよ!」と文句を言うが、松本は「オマエ、レスラーじゃないだろ!」。大和に対しては「オマエ誰だよ! 帰れ!」と一蹴。すると澤と大和が共闘して松本を攻撃していくが、ダブルラリアットで吹っ飛ばした松本はまたも自らOTSになろうとする。ここで大和が松本にフライングXチョップ。さらに澤にもフライングXチョップをお見舞いするが、勢い余って二人まとめてOTSに。結果、残ったのは松本のみ! 「嘘でしょ? 嫌だよー!」と絶叫する松本に「2」の全身スーツが投げつけられる。「2」コールの大合唱を聞いた松本はスーツを手に「やってやるよ!」と開き直る。2代目「2」を祝福しようと、出場選手たちでアーチを作って2代目「2」の門出を祝福した。

第3試合は真琴&ソイvs雪妃真矢&ZONESvs沙也加&Chi Chiの3wayタッグマッチ。いきなりZONES、Chi Chi、ソイのEvo女対決となり、三つ巴の力比べで見事なブリッジを見せたChi Chi。Chi Chiとソイが両サイドからZONESの腕を決めていくが、投げ飛ばしたZONESはショルダータックルで二人まとめてなぎ倒してロープをブンブン揺らしてアピール。ここで雪妃、沙也加、真琴が出てくると、雪妃が「真琴さん、ラスエゴいきましょう!」と、SEAdLINNNGで先日引退したばかりの中島安里紗が立ち上げたヒールユニット『ラスエゴ』仲間として真琴と共闘。ラスエゴの攻撃をかわした沙也加だが、雪妃が串刺しジャンピングニ—を叩き込むと、続けて真琴も串刺しニー。しかし、その背後から雪妃が真琴を丸め込む。あっさり裏切るのもラスエゴらしい部分。ここでZONESが入ってくるが、真琴は二人をロープに投げつけると、下から蹴り上げる。さらにエプロンから真琴がZONESを踏みつけると、反対側から沙也加も踏みつける。ここで真琴が沙也加に「いくぞ、ガトムトレイン!」と、今度は我闘雲舞ではお馴染みの連係攻撃をZONESにお見舞いする。しかし真琴が沙也加を裏切る。怒った沙也加はボディスラムからドロップキック。タッチを受けたChi ChiはZONESと共闘して連係攻撃。だが、Chi ChiがカバーするとZONESがカット。お互いに髪の毛を掴んでいがみ合うと、ZONESがChi Chiを抱え上げるが、真琴が押し倒してソイ②タッチ。ショルダータックルでChi Chiを吹っ飛ばしたソイに「落ち着け」と諭したZONESはソイと協力してChi Chiを攻撃するが、カバーしたソイにエルボーを落として高笑い。Chi Chiを持ち上げたZONESだが、Chi Chiが卍固めで切り返すと、ソイが二人まとめて丸め込む。そこからEvo女が三つ巴でチョップやエルボーを打ち合うと、徐々にZONESへの攻撃だけ増えていく。怒ったZONESはダブルラリアットで二人まとめてなぎ倒して雪妃にタッチ。ソイをスリーパーで捕まえた雪妃だが、Chi Chiがカットしようとする。雪妃は二人まとめて丸め込むが、慌てて沙也加がカット。選手たちが入り乱れる中、リング上に残ったのは雪妃とソイ。ソイが大外刈り、払い腰と柔道殺法で雪妃を追い込むが、雪妃も強烈なエルボーでダウンさせると、ランニングニーを叩き込む。レッグラリアットもカウント2で返したソイだが、雪妃はホワイトアウト。ギブアップしなかったソイだが、身動きが出来ずレフェリーが試合をストップ。雪妃&ZONESの強力タッグが勝利したが、試合後松澤さんに追いかけられたChi Chiが全力ダッシュで逃げていった。

セミファイナルはライジングHAYATO&拳剛&中野貴人&香取貴人&橋之介&神崎ユウキvs田村男児&和田拓也&若松大樹&植木崇行&前口太尊&高橋幸光のジュニア12人タッグマッチ。全日本プロレスのみの所属の男児が入っているため、インディージュニアの祭典では実現しない夢の対決。中野と和田の先発で試合開始。今成ロールで牽制する和田だが、中野も学生時代はレスリングでジュニアオリンピック出場経験があるだけに、果敢にタックルを仕掛けていく。しかしタックルを切ってバックを取った和田はアームドラッグ。中野もアームドラッグを返すと、続くドロップキックは相打ちに。続いて第1部のメインで激しくやり合った香取と太尊が入ってきて、太尊がドロップキック。HAYATOがリングインすると大「ハヤト」コール。気分が良くない若松はボディスラムからいきなりサンセットフリップを落として歓声を浴びた。しかし若松を場外に落としたHAYATOは、ダイブすると見せかけてロープに飛び乗って’バック転すると、着地してお馴染みの決めポーズ。そこに植木が背後から忍び寄り、HAYATOの整った顔面に汗まみれの胸毛を押し当てていく。苦悶の表情のHAYATOに対し、植木は追い打ちに胸毛ウォッシュで女性ファンに悲鳴をあげさせるが、HAYATOもその胸毛を掴んで引き抜いていく。そこから全選手が一斉に場外に出ていって大場外乱闘。男児はビーチサンダルで中野を殴打。中野がダッシュで逃げると、男児も意外と速い足で追いかけていく。植木をリングに戻したHAYATOは橋之介にタッチ。スリングショット式アトミコからその場跳びムーンサルトを決めた橋之介は拳剛にタッチ。エルボーの打ち合いからダウンした植木だが、突進してきた拳剛にカウンターの払い腰。タッチを受けた高橋は蹴りからティヘラで拳剛を投げていくが、バックを取った拳剛は投げ捨てジャーマン。続けて橋之介がハンドスプリングエルボー。高橋もブレーンバスターを返すが、橋之介が返す刀でショットガン・ドロップキック。ここで男児と神崎が入ってきて、神崎がジャンピング・バックエルボーからダイビング・クロスボディー。神崎のニーをキャッチした男児はバックフリップ。ここで男児組全員入ってきて神崎にトレイン攻撃。しかし最後の男児の攻撃を神崎がかわすと、今度は神崎組が全員入ってきて男児にトレイン攻撃から一斉ドロップキック。神崎のハーフハッチスープレックスはカウント2。男児もバックドロップを返すが、そこにHAYATOがトラースキック。和田が入ってきてドロップキックでHAYATOを排除するが、橋之介が和田にスワンダイブ式ミサイルキック。その橋之介を若松がミサイルキックでぶっ飛ばすが、若松をロープに叩き付けた拳剛が背後からドロップキック。そこに植木が敬礼式ジャンピング・ヘッドバットをお見舞いすると、香取が背毛を引き抜いてからヒザ。太尊がハイキックを香取に叩き込むが、中野がコンビネーションの打撃で太尊を排除。高橋がローリングソバットで中野を吹っ飛ばすが、神崎がドロップキックで高橋を場外に出すと、エプロンからのコンヒーロを発射。続いて拳剛がトップロープ越えのトペコンでダイブすると、HAYATOと中野が素アンダイブ式プランチャ。橋之介がノータッチトペコンを出せば、若松も負けじとノータッチトペコン。リングに戻った男児と神崎が激しいエルボーの打ち合いに。神崎のジャンピング・フロントキックからフィッシャーマンバスターをカウント2で返した男児は、コーナーに登った神崎を追いかけると雪崩式ブレーンバスター。カウント1で返す意地を見せた神崎は、男児のショートレンジラリアットを2発耐えたが、3発目でなぎ倒した男児はロープに走ってのラリアット。これもキックアウトした神崎だが、強引に持ち上げた男児はパワーボムで叩き付けて3カウント。試合後、男児が神崎の健闘を称えて握手を交わした。

第2部のメインイベントは佐藤光留&鈴木秀樹&渡慶次幸平&小林ゆたかwith富松恵美vs大仁田厚&雷神矢口&佐野直&田馬場貴裕の電流爆破結婚式。試合前にライチリングアナが「本日の火薬の量ですが、お二人へのご祝儀ということで通常の3倍の量となっております!」とアナウンスし、大きな拍手が起こる。まず光留と渡慶次が「祝結婚」「ゆたか君♡恵美ちゃん(相合い傘)」と書かれた有刺鉄線ボードを持参し、なぜか秀樹はチョコレートの着ぐるみ姿で入場。続いて大仁田組が入場すると、最後に小林夫妻が仲良くお揃いのTシャツを着て、腕を組みながら入場。いつもの四方に一礼するルーティンも夫婦一緒に披露すると、それを見た大仁田が名前をコールされた際に四方に一礼する場面も。邪道軍が奇襲攻撃を仕掛けていって試合開始。いきなりの場外戦になると、田馬場が観客から奪ったビニール傘で渡慶次にチョーク攻撃。すると近くにいた富松が打撃で渡慶次を救出し、矢口にフロントチョーク。その間に大仁田が小林を「一人幸せになろうとしやがって!」とペットボトルで殴打。さらに矢口が小林のバックを取り、秀樹が富松のバックを取り、なぜか夫婦で殴り合いをさせるという……。すると大仁田が富松の髪の毛をつかんで、客席に投げつけていく大ブーイングを浴びる。「自分だけ幸せになろっていってもそうはいかない!」とペットボトルで富松を殴打していった大仁田。リングに戻された小林に対し、有刺鉄線電流バットを持った矢口はコーナーのスイッチをON。矢口が小林と緊張感のある睨み合いをしている間に、富松が再びスイッチを押して爆薬の起動を停止するファインプレー。だが、大仁田が背後から富松を攻撃してリングに入れると、矢口が何と有刺鉄線ボードに富松を投げつける。真っ二つになったボードの中で悶絶する富松を見て、矢口が「嫁、爆破するぞー!」と叫ぶと、佐野が起動スイッチをON。身動きが取れない富松に対し、矢口が有刺鉄線電流バットを振り上げる。絶体絶命のピンチだが、そこに小林が駆け寄ってきて富松に覆い被さる。次の瞬間、ものすごい爆破音が川崎の夜に響き渡ったが、矢口の有刺鉄線電流バット攻撃から身を挺して愛妻を守った小林。矢口がカバーするが、光留がカット。ならばと佐野が渡慶次をリングに上げて、ロープを使ってのサミングからDDT。邪道軍で渡慶次を取り囲むと、大仁田が起動スイッチをON。渡慶次は自慢の頭突きで邪道軍を蹴散らすと、何と自ら有刺鉄線電流バットを持った大仁田の前に頭を突き出す。大仁田は躊躇することなく、何と渡慶次の脳天を有刺鉄線電流バットで殴打。渡慶次の頭からものすごい爆発が起こり、さすがの渡慶次もダウン。大仁田がカバーするが、これも光留がカット。「頭が焼けてる!」と慌てて水をかけるが、渡慶次はこれで戦線離脱状態。蹴りで田馬場と佐野を蹴散らした光留は「ゆたか、おめでとう!」と叫んでから、もう1枚残っていた有刺鉄線ボードに佐野を投げつけようとする。しかし矢口がカットし、逆にダブルブレーンバスターで光留をボードに投げつける。有刺鉄線の中で悶絶する光留を佐野がカバーするが、秀樹がカット。佐野が秀樹を場外に連れ出すと、田馬場が光留を羽交い締めに。そこに大仁田が毒霧を噴射するが、光留がかわして田馬場に誤爆。光留が大仁田にジャンピングハイ。さらに秀樹が大仁田をイスに座らせると、光留が場外でダウンしていた小林夫婦を呼び込んで「夫婦の共同作業だ!」と言って有刺鉄線電流バットを持たせる。朦朧としながらもバットを持った小林を、背後から富松が支える。そして小林夫妻は秀樹と光留が押さえつける大仁田に有刺鉄線電流バットを振り下ろす。爆破で全員が吹っ飛んだが、小林が大仁田をカバー。どうにか矢口がカットしたが、光留が田馬場にジャンピングハイを叩き込むと、秀樹がツームストンパイルドライバー。ここで光留が「もう一発は大仁田厚と川崎市からのご祝儀だ! 決めろ!」と、当初有刺鉄線電流バットは3本の予定だったのだが、小林夫妻への“ご祝儀”として急遽増やしたもう1本の有刺鉄線電流バットを再び小林夫妻に託す。朦朧としながらも渡慶次が起動スイッチを押すと、光留と秀樹が羽交い締めにした田馬場に向かって、今度は富松がバットを持ち、背後から小林が支える形で有刺鉄線電流バット攻撃! 夫婦の共同作業から重なり合うようにして小林夫妻がカバーして3カウント。

田村潔司に憧れてU-FILE CAMPに入り、いつしかハードヒットにレギュラー参戦。MMAでも活躍しつつ、U-FILEを辞めたあとも師匠である田村の入場ルーティンを継承した“ハードヒットの赤いパンツ”小林ゆたかが、まさか奥さんと一緒に大仁田厚と電流爆破マッチで対戦して勝利するなんて、誰が想像しただろうか。壮絶、カオス、それでいて愛を感じる電流爆結婚式を終えて歓喜のガッツポーズをする小林を、妻の富松が支えると大仁田も二人と握手。「恵美さん、ゆたかさんご結婚おめでとうございます。ここで結婚の誓いと約束を交わしてもらいたいと思うのですが、どうですか?」とムチャぶり。まるで仲人のように大仁田と光留に抱き起こされた小林に、大仁田が「恵美さんのどこが好きになったの?」と質問。照れながら「すべてです」と答えた小林にマイクを渡すが、小林はモジモジ。それを見た富松が「ちゃんとしゃべれよ!」と一喝すると、大仁田も大喜び。大仁田から「早く言えよ!」とせっつかれた小林が意を決して「愛してます! 今後ともよろしくお願いします!」とビシッと言ってみせる。最後は小林夫妻を中心に両チームが並び立つ中、観客に立つように促した大仁田が「オイ! オイ! オイ! オイ! オイ! 結婚おめでとう! 変態万歳! 1、2、3、ファイヤー!」で締めくくり、小林夫妻に頭から水をかけて祝福した。 水を撒きながら引き上げていく大仁田の背中に向かって、マイクを持った光留は「この誰もいない佐藤光留興行、2024年8月25日、この変態の逆襲、大仁田厚さんがいなかったら成り立ちませんでした! 一生に1回だからよく聞けよ! 大仁田厚、ありがとよー!」と感謝の言葉。「今日は本当にどうなるかと思ったんですけど、ずっと一緒にやってきた小林ゆかたと、その伴侶、奥さん、富松恵美の結婚をこんなムチャクチャな形だけど祝えて本当によかったです!」と言って、出場全選手を呼び込む。ズラリと選手たちが並び立つ中、「リングを降りたら誰も佐藤光留のところなんてインタビューにも来ないから、勝ちもしないし、勝ってもニュースにもならないからずっとずっと俺のSNSでつぶやき続けてきたよ。聞いている人の数はそんなに多くないかもしれないけど、俺は万人に届けるより聞いてくれる奴の胸の奥の奥に届けるつもりで今言ってるよ。いい? プロレスっていうのはコロナでなくなりかけたけど、結局いまこうやって川崎球場でこんなにデカイこと出来てるじゃん! 笑いもあったし、痛みもあったし、本当によく分からないノーコンプライアンスプロレスもあったし。だけど最後、仲間の結婚をこんなに清々しい気持ちで祝えたのはプロレスがあったからだよ! あと、来年やるかどうか分からないけど、もしやれることがあったら来年はさらに世間に伝わらないものをやってやるから、オマエら来年の8月も何となく空けておけよ! 本当にこのメンツと川崎やれてよかったです!」と光留が締めの挨拶。しかし「今日は全試合、滞りなく終われて……あーーーー! まだ1試合、終わってなかったー!」と絶叫しながら崩れ落ちると、会場入り口のほうからまだ試合中だった立花と斎藤、そして土肥が現れる。選手たちがどうにか止めようとするが、立花と斎藤は揉み合いながらリングを目指す。どうにかリングに上がった立花が「俺たちの試合、邪魔するんじゃねえよ! そして、まだやり遂げてないことがあるだろ! まだ入場し終えてねえ男がいただろ! あの曲を鳴らせ!」と絶叫。『HALLO』が鳴り響く中、満を持して登場した黒潮だが、熱中症のダメージで足下がおぼつかない。這ってでもリングに向かっていく黒潮を選手と観客が一緒になって「イケメン」コールで励ます。みんなの声を受けて、ついにリングに辿り着いた黒潮がついにリングインし、コーナーに登った瞬間、川崎市の条例により屋外イベント終了時間となったため照明塔が落とされ暗転。今年もまた富士通スタジアム川崎が真っ暗闇に包まれて大会は終了した。

【プロデューサーの大会総括】
ーーでは大会の総括をお願いします。
光留 今年も夏が終わりましたね。まさか明日、2時からパイルドライバーの店番で、18時30分からYMZだなんて。これ全部、川村が愛人と昼間からS○Xしてるからです! これはちゃんと書いてくださいね。嘘か本当かは視聴者の方に委ねますが、川村が愛人とS○Xしてるからです!
ーー今年はその川村選手をはじめ、ここで幾多の名勝負を繰り広げた選手が出られないという状況でしたが。
光留 まあ、だから変な話、どこにも用事がない奴らを呼んで、ひとつ人の心を動かす興行をやろうよっていうのがインディーだったんですよ。さらに今、インディーもすごく良くなっちゃったんで、インディーの原点って必要ないものなんですね。プロレス界においては。なくても困らないものだったんですよ、最初は。だから今日ここを選んでくれた人のためだけに俺はやっているんで。「なんだアレ?」(って言われても)別にいいんですよ。まあ良くないことなんですけど、有名になること、お金を沢山稼ぐことってすごい大事なことだと思うんです。でも幸せってそれじゃないんですよ。だってお金持ってることが幸せだったら、世の中で幸せな人って世界で一人しかいなくなるし、「俺は金持ちだ!」って言ってても円安になったら日本人の価値が下がるわけじゃないですか。そんなわけないじゃないですか! そんなわけないじゃないですか。俺は何が幸せって、自分が幸せだったら幸せだと思うんです。今日、幸せを選びに来た人はみんな幸せになって帰ったんで、それでいいと思うし。小林ゆたか、富松恵美、実は7年前に結婚したらしいですけど(苦笑)。新婚の逆襲になったかな?
ーーついに念願の客席で流しそうめんをするお客さんも出てきて、5年もやっているとだいぶ(夏の富士通スタジアム川崎大会が)浸透してきましたね。
光留 はい、さっきその(流しそうめんの)主催者が来て「来年は麻雀やります」って言ってました(笑)。
ーーってことは、また来年も?
光留 いや、分からないです。これはハッキリ書いておいてほしいんですけど、(グラウンド内で)飲食した奴、タバコ吸った奴、酒飲んだ奴もいるらしいんですよ! なので来年はお茶もダメです。水以外禁止で! 佐藤光留興行、水以外禁止にします! 飯は外で食ってくれ! で、試合のオファーをするかどうかは分からないですけど、見回りをずっと雷神矢口がやるっていう(苦笑)。ホント、これ何でもそうなんですけど、続けていくのって僕のスーパースター論と一緒で、スーパースターって入場したらすごくカッコイイですよ。でも照明があって、音があって、会場があって、リング作ってくれる人がなかったらただのデカイ人ですよ。プロレスラーなんて。ルールがなんであるかって、守らないと罰則を受けるからじゃないんですよ。人の夢を邪魔しないためにあるんですよ。人の夢を邪魔することが自分にとって幸せな奴は、来ないでもらっていいですよ、本当に。そういう奴に対しての佐藤光留の逆襲ですよ。これから価値観の逆襲をしていきますので。見に来ない奴はもう構わないです! 川村もS○Xばかりしてればいいんだよ!
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