12月30日、リデットエンターテインメント株式会社が東京・TOKYO DOME CITY HALLで『GLEAT Ver.2』を開催。ハードヒット主催者の佐藤光留が鈴木みのるとのタッグで参戦し、飯塚優&井土徹也とLIDET UWFルールで対戦した。
昼のハードヒット「今」ではHEAT-UPを退団しGLEAT所属としての試合を行う前の井土は“フリー”として、SUSHIとキックルールで対戦して2RKO勝ち。一報、グラップリングタッグマッチ委で対戦した光留と鈴木だが、試合後鈴木が「UWF倒しに行くぞ!」と光留に激を飛ばした。
光留と井土の先発で試合開始。光留の重たいミドルに思わず後退した井土だが、恐れず前に出る。さらにタックルにいくが、光留は立ち上がって猪木−アリ状態に。そこからアキレス腱固めに捉えた光留。すると井土はエスケープ。掌底の打ち合いから光留が重たいローからガブると、井土がコーナーに押し込むが、青コーナーだったため光留は鈴木にタッチ。鈴木も相手コーナーに井土を押し込んでいき、飯塚がタッチ。レガース&ニーパットを着用していない鈴木だが、グラウンドで飯塚に何もさせない。蹴り合いから組み付いた光留は払い腰でテイクダウン。マウントを取った光留だが、飯塚はうまく立ち上がって井土にタッチ。掌底を連打した井土だが、蹴り足をキャッチした光留は足関節を狙う。井土もアキレス腱固めを仕掛けていくが、光留はアンクルホールド。ここで井土はエスケープ。井土のタックルを切った光留だが、井土は足に絡みついていく。だが、足関節を取らせない光留は井土の足を逆に取って逆片エビ固めへ。井土はどうにか手を伸ばす飯塚にタッチするが、これもロストポイント1。鈴木は飯塚のマウントを取ると肘グリからマウントエルボー。さらにストンピングを落としイエローカード(ロストポイント1)。すると飯塚が打撃でラッシュをかけて鈴木からダウンを奪う。さらに打撃で追い打ちをかけ、カニバサミからアキレス腱固めを決めて鈴木からエスケープを奪ってポイントで並ぶ。しかし次の瞬間、鈴木が電光石火のワキ固めを決めて飯塚からタップを奪った。
試合後、鈴木はリングを降りると放送席の田村潔司のところまで行き、何やら言葉をかける。そして立つように促すと、立ち上がった田村とガッチリ握手を交わした。その様子を放送席から山崎一夫さんが見守っていた。
飯塚 クソッ……どうだった? GLEAT所属一発目の試合。
井土 今日、GLEAT所属としてのデビュー戦を迎えましたけど……もちろん、それもメチャクチャ大事なことですけど、ただそれ以上に今日、鈴木みのる、佐藤光留にやられたことがメチャクチャ悔しい。このままで終わるわけにはいかないし、このLIDET UWFを頂点に持っていくんだったら、佐藤光留だろうが、鈴木みのるだろうが、誰だろうが関係ない。1位になれるのは、トップになれるのはただ一人だけ、ひとつの団体なんですよ! だから俺は鈴木みのる、佐藤光留、俺ら二人でぶっ倒してやるよ。
飯塚 鈴木みのるから反則含めて3ポイント取った。でも、これは経過であって僕の目的じゃない。僕は最後に絶対立ち上がって、最後夢☆勝ちます! 応援して待っていてください。ありがとうございました。
鈴木 (報道陣を見ながら)久々だな、人がいっぱいいるの! いっぱいでもないけど。何か言えよ。
光留 僕こんなに人に囲まれるの、今年初めてです。うちの大会だと誰も来ないんで(苦笑)。GLEATがいるお陰でこんなに人が集まるようになりました。GLEATの、LIDET UWFの全選手嫌いだけど! 飯塚と井土、うちが育てたとは言わないけど、やっぱ今日やってあの二人だけはいなくなってちょっとダメージだな、ハードヒットにって思いましたね。
鈴木 言ってるな。言ったよ。完全に言ったよ。
光留 ……より一層恨みが深まりましたよ。
鈴木 そこまで? 俺は恨みも……恨みつらみ何もないからな。呼ばれて仕事しにきただけだから。どんな仕事かと言うと「コイツをブチのめしてください」っていう仕事。
ーー鈴木選手、田村潔司さんと向き合う場面がありましたが、何か会話は交わされましたか。
鈴木 会うのが(新生UWF)解散以来なんだよ。一度も会ってない! だから「オマエ、久しぶりだな」って。それだけよ。「オマエ、久しぶりだなぁ。オマエ、(試合を)やんないのか?」って言ったらニヤニヤって笑ってたよ。せっかくだから握手しておいた。いや、それだけよ。本当にあれ以来だわ。30年ぶりぐらいじゃないかな。別にアイツにどうしろって言う気はないけど、ただ俺は、鈴木みのるは今最も世界で求められている日本人なんだよ。忙しいんだよ!(ニヤリ)そう! もう無理だと思う奴は無理でいいよ。もう出来ないって奴は出来なくていい。もう疲れたって言う奴は休んでいればいい。そう、世界のプロレス界はすべて俺のものだからな……だ! 言うことなくなっちゃったよ。帰ろ。腹減ったなー! 飯!
光留 (鈴木が控室に向かっていくのを確認してから小声で)世界のプロレス界の下水道は俺のもんだよ。
ーー初参戦の鈴木みのる選手の試合を間近で見ていかがでしたか。
田村 ……何か複雑。でも……やっぱり時折、鈴木……1990年代の鈴木みのるの動きが出ていて、いろいろ昔と今と気持ちが混ざっちゃって、すごく複雑な……心境でした。
ーー単純に再会して嬉しいとかだけじゃないってことですか?
田村 ……うーん……何ですかね、僕らの……これもうホント、昔の話をよこしちゃうと今はあまりよくないんでしょうけど、僕らの時代ってそういう生き残りを懸けた戦いだったんで。練習にしてもそうですし。だからある意味、戦友でもありますし。鈴木みのるっていう1個人、1選手であれば戦友でもあるし、ライバルでもあるし。今日はね、最後鈴木さんと握手しましたけど……(新生UWFの)解散…1991年かな? 解散以来だったと思うんで、何か複雑でありっていう。で、まあ僕は鈴木さんとは船木(誠勝)さんとか、あと中野(巽耀)さん、長井(満也)選手も出場してもらいましたけど……えーっとね、今日GLEATの全体的な流れの中で、最後GPROのほうがすっげーなげぇなって思いながら見ていたんですけど。なげぇなを通り越して、ちょっとすごいなって思ったんです。最後のメインですかね、30分…40分近くやっていて。だからその試合を見ながら、僕は今現在LIDET UWFの監督的なコーチの立場ですけど、やっぱりGPROの今日のメインを見て……いろいろ考えさせるものがありましたし、結局今GLEATでやっていることっていうのはGPROとUWFの試合で、対極だと思うんですよ。だから今日のGPROの最後のメインの試合……あ、カズ・ハヤシもすごかった! カズ・ハヤシ選手、すごかったなぁ。だから僕らがやらないと……僕ですかね。UWFの選手の指向っていうのは“格闘プロレス”なんで。ある意味、ちょっと水と油で、比較するなって言っても比較しちゃうと思うんですよね。同じ舞台に立っているので。だからちょっと僕は僕で選手を育てる、U系の格闘プロレスを育てるのってすごく時間がかかるので、地道に選手育成というか。もちろん選手も頑張ってもらわないといけないんですけど。GPROに負けないようにっていう、ちょっと簡単なまとめになりますけど。あとは現時点では船木さん、鈴木さん、中野さん、長井選手とか、ああいうUWFの全盛期を知ってらっしゃる選手の力を借りつつ、若い選手…井土選手も入ってきましたし、これからはドンドン若い選手も、隣のGPROを見ながら。刺激をドンドン受けてもらえると思うので。だから僕は最終的には地道に選手を育てていきたいなっていうのを、ちょっと改めて思ったみたいな大会でした。
ーー鈴木選手から「オマエは試合をやらないのか?」と言われたそうですが、田村さん自身がリングに上がって若い選手を相手にするという考えはないのですか。
田村 やらないです。やらないですっていうか(苦笑)、そっちになっちゃうと論点がズレちゃうんで。僕はGLEATであり、LIDET UWFのあくまで監督でありコーチなので。今は選手としての立場で話をしていないので。でもね、そこはたぶん聞かれるなって思ったんですけど……さっきの僕がしゃべった地道にだったり、諸先輩方の力を借りながらっていうのと、そこもすごく複雑で。正直言うと、僕が(試合に)出て見せれば簡単なことなんですよ。分かってもらえると思うんですけど、その……どうなんだろうなぁ。何て言えばいいんだろうなぁ。すごいちょっと複雑で、諸先輩方を頼らないといけないんですけど、頼り過ぎてもダメだと思うんですよ。だから僕と鈴木さんが今日握手しましたけど、まぁみんなの前で。これはこれで鈴木さんも何かのメッセージだと思いますし、僕がその中で回答するとすれば“夢の続き”があると思うんですね。だけどそれはあくまで夢の続きであって、僕が描いている夢の続きを崩すくらい若い選手がドーンと来て……まぁドーンとは来ないですけど。若い選手に頑張ってもらいたいなっていう思いますね。
ーー今日、若い選手の中で可能性を感じたり、こうすればいいみたいな気付きがあった選手はいましたか。
田村 います、います。一人、二人、三人ぐらいいます。名前は言いませんけど。(GLEATが)形になって半年……まぁちょっと時間がかかるって言いましたけど、3ヶ月、半年、1年単位でドンドン良くなっていくと思いますから。そういう選手はいっぱいいますね。
GLEAT Ver.2
日時:2021年12月30日(木)
開場:17時00分
開始:18時30分
会場:東京・TOKYO DOME CITY HALL
観衆:803人(満員御礼=主催者発表)
▼第1試合 渡辺壮馬LIDET UWFルール復帰戦【シングルバウト】15分1本勝負
●渡辺壮馬(GLEAT)
2分47秒 ヒザ蹴り→KO
○中野巽耀(フリー)
▼第2試合 LIDET UWFルール【ダブルバウト】20分1本勝負
●飯塚優(GLEAT)
井土徹也(Joins GLEAT from Dec.30)
9分21秒 ワキ固め
○鈴木みのる(パンクラスMISSION)
佐藤光留(パンクラスMISSION/ハードヒット)
▼第3試合 LIDET UWFルール【シングルバウト】15分1本勝負
●宮城倫子(GLEAT)
4分21秒 TKO(オブライト→レフェリーストップ)
○橋本千紘(センダイガールズプロレス)
▼第4試合 LIDET UWFルール【ダブルバウト】20分1本勝負
○田中稔(GLEAT)
船木誠勝(フリー)
12分44秒 逆片エビ固め
●松井大二郎(GLEAT)
長井満也(ドラディション)
▼第5試合 LIDET UWFルール【シングルバウト】30分1本勝負
●伊藤貴則(GLEAT)
9分21秒 TKO(バックドロップ→レフェリーストップ)
○石川修司(全日本プロレス)
▼第6試合 GPRO【渡辺壮馬復帰戦6人タッグマッチ】15分1本勝負
●渡辺壮馬(GLEAT)
佐藤恵一(フリー)
政岡純(フリー)
9分51秒 ファイアーバードスプラッシュ→片エビ固め
○青柳亮生(全日本プロレス)
頓所隼(フリー)
仁木琢郎(2AW)
▼第7試合 GPRO【細川ゆかりデビュー戦シングルマッチ】15分1本勝負
●細川ゆかり(GLEAT)
10分33秒 ホルモンスプラッシュ→片エビ固め
○DASH・チサコ(センダイガールズプロレス)
▼第8試合 みちのくプロレス/東北ジュニアヘビー級タイトルマッチ 30分1本勝負
[王 者]○MUSASHI(みちのくプロレス)
13分13秒 二天一流→片エビ固め
[挑戦者]●カズ・ハヤシ(GLEAT)
※王者が東北ジュニアヘビー級王座初防衛に成功
▼第9試合 GPRO【#STRONGHEARTSvsバルク・オーケストラ カベジェラ・コントラ・カベジェラ敗者髪切り時間差イリミネーションマッチ】60分1本勝負
CIMA(GLEAT/#STRONGHEARTS)
T-Hawk(GLEAT/#STRONGHEARTS)
○エル・リンダマン(GLEAT/#STRONGHEARTS)
鬼塚一聖(GLEAT/#STRONGHEARTS)
入江茂弘(#STRONGHEARTS)
42分26秒 タイガースープレックスホールド
●河上隆一(GLEAT/BULK ORCHESTRA)
田村ハヤト(GLEAT/BULK ORCHESTRA)
KAZMA SAKAMOTO(BULK ORCHESTRA)
QUIET STORM(BULK ORCHESTRA)
島谷常寛(BULK ORCHESTRA)
【失格順】入江→KAZMA→鬼塚・STORM→CIMA→T-Hawk→田村→河上。リンダマンの一人残りで#STRONGHEARTSの勝利。指名されていた田村ハヤトがスキンヘッドに。