ニコプロpresents佐藤光留デビュー21.5周年記念興行「真夏の変態祭り」
日時:2021年8月22日(日)
開場:14時00分
試合開始時刻:15時00分
メインカード開始時刻:18時00分
会場:神奈川・富士通スタジアム川崎
観衆:大和ヒロシの口が931(主催者発表)
第1試合 前口太尊プロレスデビュー戦 タッグマッチ 20分1本勝負 | |
佐藤光留(パンクラスMISSION) | |
● | 前口太尊(飯伏プロレス研究所) |
9分50秒 逆エビ固め | |
青柳亮生(全日本プロレス) | |
○ | 本田竜輝(全日本プロレス) |
第2試合 株式会社りくつなpresentsハードヒット・フリーダウン&フリーエスケープルール タッグマッチ 15分1本勝負負 | |
佐藤光留(パンクラスMISSION) | |
△ | 松本崇寿(フリー) |
15分00秒 時間切れ引き分け | |
渡慶次幸平(クロスポイント吉祥寺) | |
△ | 井土徹也(HEAT-UP) |
第3試合 デッドリフ太郎presentsYMZ対BASARA、地獄の対抗戦in華倭叉鬼 6人タッグマッチ 15分1本勝負 | |
佐藤光留(パンクラスMISSION) | |
米山香織(YMZ) | |
● | ベストストレッチマンV3(所属不明) |
11分24秒 スワントーンボム→片エビ固め | |
SAGAT(BASARA) | |
○ | 下村大樹(BASARA) |
中野貴人(BASARA) | |
▼泣きの延長戦 だるまさんが転んだ対決 SAGATが鬼にタッチしたためBASARA組の勝利 |
第4試合 株式会社りくつなpresents「JEEEP」提供試合 5wayタッグマッチ 桜島ライブが終わるまで1本勝負 | |
○ | 土肥こうじ |
PLEASE ABEIN | |
14分12秒 人殺しラリアット→片エビ固め | |
泣くな、泣くな、そんな佐藤光留で | |
● | おSUSHIにかえろう |
※あとの3組はフランシスコ順子&バリヤン順子、僕のギターにはいつも岡田剛史&真っすぐなTAMURA(田村和宏)の母ちゃん、菊タロー一輪の骨&友達が小橋太っちゃっ太 |
第5試合 元阪口presents IGFFルール シングルマッチ 15分1本勝負 | |
△ | 佐藤光留(パンクラスMISSION) |
15分00秒 時間切れ引き分け | |
△ | 定アキラ(AlmaLibre) |
第6試合 全日本プロレス提供試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負 | |
○ | 諏訪魔(全日本プロレス) |
SUSHI(元全日本プロレス) | |
田村男児(全日本プロレス) | |
17分24秒 ラリアット→片エビ固め | |
石川修司(全日本プロレス) | |
斎藤ジュン(全日本プロレス) | |
● | 斎藤レイ(全日本プロレス) |
第7試合 株式会社STRアドバイザリーpresents 富士通スタジアム川崎公認凶器持ち込みエニウェアフォールルール タッグマッチ 45分1本勝負 | |
● | 佐藤光留(パンクラスMISSION) |
植木嵩行(フリー) | |
21分59秒 横入り式エビ固め | |
木髙イサミ(BASARA) | |
○ | 阿部史典(BASARA) |
【光留の公認凶器】渡慶次幸平 【植木の公認凶器】グンバちゃん 【イサミの公認凶器】ギガラダー 【阿部の公認凶器】大和ヒロシ |
セミファイナル サブロク工房presents ストリートファイトトルネード電流爆破バット6人タッグデスマッチ 時間無制限1本勝負 | |
○ | 大仁田厚(フリー) |
ヨシタツ(全日本プロレス) | |
佐野直(フリー) | |
11分31秒 電流爆破バットフルスイング→体固め | |
関根シュレック秀樹(ボンサイ柔術) | |
和田拓也(フリー) | |
● | 田馬場貴裕(IMPACT) |
メインイベント 株式会社新太平洋運輸presents「川村亮、負けたら即引退試合」シングルマッチ 時間無制限1本勝負 | |
○ | 鈴木みのる(パンクラスMISSION) |
18分34秒 ゴッチ式パイルドライバーon the Chair→体固め | |
● | 川村亮(パンクラスイズム横浜) |
※敗れた川村亮は即引退…のはずが、エイドリアンストップがかかり「ロッキー川村2」に改名。 |
7月22日にキックボクシングの引退試合を行った前口太尊が、飯伏プロレス研究所所属として、いわゆる“純プロレス”デビュー。黒いショートタイツにレスリングシューズ姿で登場した太尊。裁くレフェリーは和田京平。しかもこの日は野外で広大な会場のため、観客も声が出せるということで「キョーヘー」コールが起こり、思わず和田レフェリーも「久しぶり」と笑顔に。対戦相手と握手を交わした太尊。まずは光留と本田で試合開始。ヘッドロックに捉えた本田はショルダータックルでなぎ倒していく。しかし下から足を絡ませて腕十字を仕掛けた光留。本田が脱出すると、両者タッチ。亮生とロックアップし、ロープまで押し込んだ太尊はクリーンブレイク。再びロックアップするが、今度は亮生がロープまで押し込む。こちらもクリーンブレイク。エルボーを打っていった太尊に対し、亮生も応戦。連打していった太尊に対し、亮生はフライングメイヤーから後頭部に低空ドロップキック。控えの光留がアドバイスを送る中、体の大きい本田にもエルボーで向かっていく太尊だは、本田のエルボーを食らってダウン。亮生がスリーパーで追い込むと、本田が逆エビ固め。光留はカットに入らず、場外から「(ロープに)手を伸ばせ!」と激を飛ばし、太尊もロープを掴む。ブレーンバスターを狙った亮生だが、踏ん張った太尊はドロップキックを返してタッチ。ミドルキックからジャンピングハイを叩き込んだ光留は水車落としを狙うが、回転エビ固めで切り返した亮生は低空ドロップキック。続いて本田がくし刺しエルボーからブレーンバスター。パワーボムを狙った本田だが、リバースで切り返した光留は太尊にタッチ。エルボーと逆水平チョップを叩き込んだ太尊は、カウンターのドロップキック。さらにその場跳びドロップキックを連打するが、本田は倒れない。「タイソン」コールが起こる中、何とかドロップキックで本田を倒した太尊だが、ボディスラムで叩き付けられてしまう。そこから本田は逆エビ固め。リング中央に引きずって腰を落としたところで、太尊はギブアップ。太尊の純プロレスデビュー戦は黒星に終わったが、キックで1時代を築いた選手がまた1から新たな闘いに挑む姿勢に、観客からは大きな拍手が送られた。
今大会唯一のハードヒットルールの試合に、5・2『My name is HARD HIT』で阿部諦道を相手に衝撃のハードヒットデビューしたラウェイの渡慶次幸平が登場。成長著しい井土と組んで、光留&松本と対戦となったが、試合前にフリーダウン&フリーエスケープルールで行われることがアナウンスされた。松本と井土で試合開始。鋭いローを飛ばしていった井土だが、低い姿勢からテークダウンさせた松本。しかし井土も松本の動きによく対応し、逆にしたから足関節を狙う。猪木−アリの体勢から井土はサイドにパスするが、松本はフロントネックロックを狙う。しかしこれも井土は脱出してみせ、渡慶次にタッチ。ラウェイvs柔術という構図になったが、何と渡慶次がタックルでテークダウンを奪うと腕十字を仕掛けていく。これは防御した松本だが、なおもグラウンドでバックから胴絞めスリーパーを仕掛けていく渡慶次。松本は光留に手を伸ばすが、渡慶次がタッチさせない。松本はどうにかロープに足を伸ばしてエスケープしてからタッチ。一転して光留とは緊張感のある蹴り合いに。渡慶次の強烈なミドルが光留のボディにヒット。前蹴りをキャッチして転がした渡慶次は腕十字の体勢に。クラッチした光留はアキレス腱固めで切り返す。渡慶次はロープに逃れて井土にタッチ。お互いの掌底が交差する中、前蹴りで光留をグラつかせた井土はタックルでテークダウン。上になって掌底を振り下ろしていった井土は、胴絞めスリーパーから腕十字にスイッチして、光留からエスケープを奪う。さらにミドルキックの連打から掌底でラッシュ。組みついた光留にニーリフトから左ミドルを入れてダウンを奪った。カウント9で立ち上がった光留にフロントネックロックで組みついた井土だが、ボディスラムで叩き落とした光留はタッチ。スピニングチョークから胴絞めスリーパーを狙った松本は、ヒザ十字にスイッチしてエスケープを奪う。続いて渡慶次が組みついてから押し倒し、三角絞めを狙う。首を抜いた松本だが、渡慶次は腕十字にスイッチ。柔術家の松本が顔を歪ませながら、どうにか逃れた。すかさず松本はヒザ十字を仕掛けていき、渡慶次からエスケープを奪う。渡慶次はハイキック、ソバットから払い腰で投げると、腕十字を狙う。ここで松本は足を伸ばして光留とタッチ。すると渡慶次も井土にタッチ。組みついた光留はワキ固めでエスケープを奪う。腕にダメージを負った井土は渡慶次にタッチ。お互いにハイキックを打っていくがブロック。残り3分となり、組みついてコーナーに押し込んだ光留だが、何と揉み合いながら場外へ出てしまう。ブン投げていった渡慶次だが、レフェリーがすぐにリングに戻す。渡慶次は井土にタッチ。コーナーを背にしながらも掌底で果敢に攻めていく井土だが、光留も掌底で応戦。松本にタッチすると、飛び付き腕十字。さらにオモプラッタから井土の両腕を両足で固めていく。エスケープした井土は飛びヒザ、掌底のラッシュ、左ハイキックと一気に攻めていくと、胴絞めスリーパーを仕掛ける。松本が逆に背後に回って腕十字を仕掛けるが、井土がアキレス腱固めで切り返したところで時間切れのゴング。
米山はビールの着ぐるみ、3試合目となる光留はYMZではお馴染みの童貞を殺すセーター姿で登場。さらにYMZ軍はベストさんに合わせて赤いマフラーを付けている。するとマイクを持った光留がBASARA軍に向かって「もうやめよう! こんな無益な争いを、夏休みの終わりのこんないい天気の日に。争いなんてしてる場合じゃないじゃないか! 俺はYMZのリーダーとして、俺は今日初めて告白することがある。俺は本当はプロレスリングBASARAが嫌いじゃない! 俺が嫌いなのは木髙イサミ一人だけだ! あと俺たちがプロレス界のかぶき者だみたいなことを言うのに、JRで来るだろ? ベンツとか借りてこいや!」と言い出す。SAGATが「免許持ってない」と言うと、光留は以前SAGATに会ったときはしゃべれないキャラだったのに、免許を持っていないことを誇る、そういうところが嫌いだから今日は完全決着だと挑発。するとベストさんが「待てーーーい!」と入ってきて光留は3試合目で疲れているから自分一人でBASARA軍を相手にすると言い出す。「オマエらどこの団体だ?」と言うベストさんに「BASARAだ! オマエもだろ!」と至極全うな反論をするが、ベストさんは下村を指差しながら、この凄惨で残酷なリングに上がる心を持っていない者はリングを去れと言い出す。てっきり下村のことかと思ったら「というわけで、我が輩はリングを下りさせてもらう」と自分のことを言っていた模様。もう訳が分からないので、BASARA軍が襲いかかって試合開始。いきなり場外乱闘になると、SAGATが光留の髪の毛を掴んでいく。「髪はやめろ!」と訴える光留だが、下村が光留のタイツを引っ張ってTバック状態にしていく。SAGATは米山も顔を押し潰しながら「(写真を)撮れ!」と観客に要求。だが、その背後から光留もSAGATの顔をヒドい感じにしていく。光留が本部席で休憩している間に、米山をリングに戻すと下村が逆片エビ固め。さらに中野が背後から低空ドロップキック。SAGATのコーナースプラッシュをかわした米山は、ダイビング・クロスボディー。ここで光留が「40歳」コールをして米山からタッチを受けると、「イサミの入り時間が遅い!」と叫びながらくし刺しラリアット。水車落としから腕十字を仕掛けるが、これは下村と中野がカット。光留は自ら「41歳」コールを煽ると、ヨシタツポーズでLRKの体勢に? しかし、ここでベストさんが「その技は危険過ぎる! 残り4試合もあるんだから控えておれ!」と言ってタッチを要求。光留がタッチすると、ベストさんは自らの腕をストレッチしてストレッチパワーを充電。その間にタッチを受けた中野がクリストに捉える。続いて下村がミサイルキックから野球チョップ。しかしベストさんもジャンピング・バックエルボーを返すと、腕をストレッチしてからトリガーポイント。ベストストレッチボンバーを叩き込んだベストさんは下村をコーナー近くに連れてきてムーンサルトプレスを投下するが、完全に距離間を間違えていて自爆。すかさずSAGATがゴア・グラインドを叩き込むが、光留と米山がカット。BASARA軍は二人を場外に出すと、中野が宇宙人プランチャ。その間にリング上では下村がスワントーンボムを投下してベストさんから3カウントを奪った。
だが試合後、米山が「ちょっと待ってー! せっかく来たのにこのままじゃ終われねぇよーーー!」と叫ぶと、この広い会場でだるまさんが転んだで決着をつけようと言い出すし、YMZ恒例の泣きの延長戦に突入。小池レフェリーが鬼となり、選手たちはフェールドの端からスタート。リング上の鬼に先にタッチしたチームの勝利となる。まず米山に押された中野が失格になると、続いて走って転んだ下村が失格。絶体絶命のBASARA軍だったが、SAGATがダッシュでリング内に飛び込み、レフェリーにタッチ。結局BASARA軍が勝利した。
「JEEEP」提供試合は4wayから5wayに変更してしまったため、1チーム控えるコーナーがない。さらに明らかに長渕ファンではない上に、そもそも長渕に寄せる気すらない選手も見られる中、例によって一人だけ熱量が違う土肥がPLEASE ABEINと一緒に「オイ! オイ!」と拳を突き上げながら入場。マイクを持った土肥は「今から行われるJEEEPに対して右だとか、左だとか思うヤツもいるかもしれねえ。右だとか左だとか、コロナワクチン接種するとか接種しないとか、いろんな思いが日本国民にある! ただ俺たちJEEEPは真っ直ぐ行きたいんじゃ!」と決めゼリフ。土肥、フランシスコ順子、菊タロー一輪の骨、真っすぐなTAMURA(田村和宏)の母ちゃん、おSUSHIにかえろうで試合開始が開始されると、土肥が「ツヨシ」コールを煽る。5人同時ロックアップからブレイクすると、手四つの力比べからのウエーブ。そこから土肥が長渕キックの乱れ打ち。SUSHI、菊タロー、TAMURA、フランシスコも長渕キックを見舞っていくと、5人同時の長渕キック。ここで全員タッチしてPLEASE ABEIN、泣くな、泣くな、そんな佐藤光留で、バリヤン順子、僕のギターにはいつも岡田剛史、友達が小橋太っちゃっ太がリングイン。するとABEINが長渕愛を確かめるために各人に長渕の好きな曲を聞いていく。しかしバリヤンは「勝手にシンドバット」と答えたため袋叩きにされてしまう。ではフランシスコはというと、まさかの「ロマンスの神様」。やっぱり袋叩きにされてしまう。光留が羽交い締めにしたバリヤンに小橋がマシンガンチョップ。さらに全員でトレイン攻撃を仕掛けるが、バリヤンがまさかの長渕キックで次々に迎撃。TAMURAが何とかボディブローで反撃するが、ドロップキックを返したバリヤンはフランシスコにタッチ。ゼロ戦キックからショットガン・ドロップキック、ネックスクリューで場外に出すと、バリヤンと一緒にノータッチトペコンを同時発射。菊タローとフランシスコがリングに戻りチョップの打ち合いに。そこからグーパンチを見舞った菊タローは、ブレーンバスターの体勢から中締めの挨拶。しかし逆にフランシスコが投げていく。土肥とSUSHIがカットに入ると、そこからSUSHIが『勇次』を口ずさみながら攻撃していくが、土肥はパワースラム。光留が入ってきてジャンピングハイを叩き込むと、「勇次歌うぞー!」と叫ぶ。SUSHIと中心に『勇次』の大合唱が始まると、SUSHIはコーナーに登っていく。しかし、歌い続けてなかなか飛ばない。歌いながらコーナーを移動した挙げ句、ようやく投下したダイビング・ヘッドバットはかわされて自爆。土肥はABEINと長渕キックをダブルで叩き込むと、ロープでもの凄い勢いをつけてから人殺しラリアットを叩き込んで勝利した。
3カウントフォール、ギブアップなどで勝敗を決する、普通のプロレスルールに酷似したルールである。違いはほとんど見受けられない。というか無いというIGFFルール。「10年ぶりのリベンジやってやりますよ!」と意気込んでから握手をした定。バックを取った光留だが、腕を取って切り返した定。グラウンドに持ち込んだ光留はヘッドシザースに捉えるが、首を抜いた定は一旦場外にエスケープ。リングに戻るとロックアップからロープに押し込んだ定は、離れ際に張り手。弓を引くナックルパートを叩き込むが、光留は「全然痛くありません!」と強がってチョップ。胸を張る光留に強烈なチョップを叩き込んだ定は、敢えて「ヒカル」コールを煽る。胸を張る定にミドルキックを叩き込んだ光留も「アキラ」コールを煽る。定のエルボーを食らい、のたうち回りながら耐える光留だが、定は「何試合目だと思っているんだ? もう年なんだ。確実にダメージは蓄積しているんだ。それでもなお頑張る光留さんに敬意を表して俺も受けます!」と言って、リング上に座って背中を出す。すると光留が「10年前は●●●…」と言い出し、狼狽する定にサッカーボールキック。それでも定はサミングからバックエルボー。堪らず場外に出た光留がリングに戻ろうとしたところに襲いかかる。奈落式DDTから鉄柱攻撃を見舞った定は、本部席に叩き付けてからイスを振り下ろす。さらにイスの上にボディスラムで叩き付けてからリングに戻る。何とかリングに戻った光留はエルボーで反撃。しかしアッパーカットエルボーを返した定は、執拗なカバーでさらに光留の体力を削る。スリーパーを逃れた光留だが、ショルダータックルでなぎ倒した定はブレーンバスター。首4の字から卍固めに捉えた定だが、どうにか投げて脱出した光留は定の左腕を蹴り上げると、左腕を固めた状態でコブラツイスト。「俺によく出来るな!」と叫んだ定は投げてから腕十字を仕掛ける。ロープに逃れた光留はエルボーを叩き込むと、ここでは書けない言葉で定の心理を揺さぶっていく。かつて光留との試合で鼻を折られ、アゴを外されたという定に「その節は申し訳ありませんでした!」と叫びながらエルボーを叩き込んだ光留は「知るかボケー! ●●●がナンボのもんじゃー!」と絶叫。一方、WWEとFMWで育ったという定は、デビュー当初から密かにやりたかったというトラースキックを光留にブチ込むがカウントは2。ならばと定がランニングニーリフトを叩き込んだところで時間切れのゴング。「体じゃなく心が痛いよ!」と訴える定は、試合中の心理戦の内容は「絶対ツイートするなよ!」と念を押すと、「ヒカル」コールを煽ってから座礼をし、光留の腕を掲げた。これで光留が前半戦の5試合を完走。披露困憊の様子で引き上げていった。
後半戦スタートとなる18時過ぎ、照明塔に明かりが点ると、主催者の佐藤光留が登場。光留は「本日は佐藤光留デビュー21.5周年記念興行『真夏の変態祭り』ご来場、まことにありがとうございます。昨年コロナで興行がドンドン減っていって、たまにある興行もお客さんがいなくて、お客さんがいても声が出せない興行が多くて。普段プロレスラーは自分たちで盛り上げているんだって思っていたんですけど、実はお客さんと一緒にプロレスをつくっていたんだと、多くのプロレスラーが知ったと思います。その空間をつくりたくて、どこか屋外でないかなと思っていたら、川村が『川崎球場が使えますよ』と言い出したのが、この大会の始まりでした。まさか2年連続でここでやるとは思いませんでした。これもひとえに応援してくれたお客様と、ちょっと来るの遅かった諏訪魔と、来なくていいのに第1試合から見てたヨシタツと、その他僕に携わってくれたすべてのレスラーと、応援してくれた皆さんのお陰です。本当にありがとうございます。実は昨年は昼にハードヒット、夜にプロレスの興行をやったのですが、せっかくなので今年は昼もプロレスをやろうということで。夜もずっと(1日中)プロレス漬けでやろうってことになりました。ここから後半戦ということで、これから4試合ラインナップしています。そして僕が中学校の頃、憧れて憧れてしょうがなかった大仁田厚。FMWの大仁田厚を照らした川崎球場の頃から残る照明を点灯させてもらいました。なかなかにリアルな額がかかるので、『死なば諸共』という誰も見ていない時間帯にこっそりやっている番組の視聴者に、照明スポンサーになっていただきました。デッドリフ太郎様! 当たり前田のニールキック様! 脱☆セフレ様! 見ていない方にはなんのこっちゃ分からないと思います(苦笑)。皆さんの協力で照明を今年も点けさました。実はこの照明を今すぐ取り壊してくれと言われている状況です。しかも老朽化が進んでって話は分かるんですけど、震度10の地震が来たらどうするんだ、と。そんな地震が来たら全部倒れるだろ、と。でもその話が行われているのが、まだ公にあまり知られていない状況なので、これからちょっと……プロレスもそうですけど、野球も。すべてのスポーツ、ここでスーパーヒーローをみんな照らしてきたここの照明! その記憶で我々は生きていますので、いきなり明日照明がなくなったら、僕たちが憧れた人生すべてを急に捨てられるみたいで。こんな悲しいことないです。これから照明を煽る運動が始まりますので、皆様の力を…好きでしょSNS? 大暴れしたいでしょ? ヨシタツみたいになりたくないでしょ? なので力を貸していただければと思います。その時が来たらまたお知らせすると思いますので、ぜひ力をお貸してください。……早く終わらなきゃいけないんですけど、この空気が好きでもうちょっとしゃべるんですけど……水分補給を必ずしてください。佐藤光留ファンは前半のYMZとか喜んでみている頭のおかしい人たちなので、釣られて水飲まないでいると本当に倒れます! 水飲んで、栄養とって。ヨシタツの入場とか本当に見る価値ないですから。外でかき氷売ってるんで、涼しくして栄養とって。帰るまでプロレス! 楽しんでいってください。それでは後半戦スタートします。よろしくお願いします」と挨拶した。
ドリー・ファンクJrPWF会長の代理人である大隅氏が全日本プロレス提供試合であることを宣言してから、ちょっと遅刻してきた和田京平レフェリーがリングイン。そしてレイが先発を買って出ると、石川が「SUSHI来い!」と挑発。「スシ」コールが起こったためSUSHIが先発で出ていく。ロックアップからロープに押し込んだジュンだが、体勢を入れ替えたSUSHIは顔に肘を擦りつける。ここで諏訪魔にタッチ。ロックアップからヘッドロックで絞め上げた諏訪魔はショルダータックルでぶつかり合う。両者とも倒れないと、諏訪魔はエルボーからビッグブーツ。しかしジュンは立ち合いで諏訪魔を吹っ飛ばす。レイが入って来ると男児がタッチを要求。諏訪魔が「行けるか? よし、行け!」とタッチ。ショルダータックルのぶつかり合いは互角。すると男児はタックルを狙ったレイにカウンターの飛行機投げ。レイもカウンターでボディスラム。男児が場外にエスケープすると、控えの諏訪魔が「飛ぶの?」と煽る。さすがに場外ダイブは出来ないレイは石川にタッチ。石川はまたもSUSHIを指名。ロックアップしようとする石川をかわして「へい、らっしゃい!」と叫ぶSUSHIだが、観客の反応を見た石川は「ややウケじゃねぇか!」と襲いかかる。カウンターのニールキックを返したSUSHIは、場外に出た石川に場外ダイブと見せかけて、セカンドロープに飛び乗るフェイント。しかしリングに戻った石川はショルダータックルでSUSHIを吹っ飛ばすと、レイとジュンもEvolutionに襲いかかっていき場外乱闘に。SUSHIをリングに戻すと、ジュンがフォアアームから突っ張り電車道。レイも入ってきてチョップを打っていくと、石川がSUSHIを寝かせて三人で乗っかって全体重を乗せていく。SUSHIが反撃しようとするが、ジュンは電車道から立ち合い。ジュンのくし刺し攻撃をかわして延髄斬りを返したSUSHIは男児にタッチ。ショルダータックルでジュンにぶつかっていった男児はバックフリップ。ジュンもジャンピングニーを返して石川にタッチ。くし刺しラリアットからフットスタンプを投下した石川はファイアーサンダーを狙ったが、背後に逃れた男児はヒザへの低空ドロップキックからジャンピングショルダー。タッチを受けた諏訪魔はジャンピングショルダーから「投げるぞオイ!」。しかしパワーボムをリバースで切り返した石川はエルボーの打ち合いに。諏訪魔はダブルチョップからラリアットを狙ったが、バックブリーカーで切り返した石川はレイにタッチ。立ち合いタックルから河津落としを決めたレイ。そこに石川とジュンが入ってきてトレイン攻撃。レイがサマーソルトドロップからのど輪落としを狙うが、諏訪魔は上がらない。ビッグビーツを返した諏訪魔は落下傘式バックドロップからラストライドの体勢。石川とジュンがカットするが、諏訪魔は二人にチョップからのショートレンジラリアットを叩き込んで蹴散らすと、レイにもショートレンジラリアット。さらに男児のダイビングショルダーからSUSHIがダイビング・ヘッドバットを投下すると、諏訪魔がラリアット。これもカウント2で石川にカットされたが、男児が石川を俵返しで投げて排除すると、諏訪魔がショートレンジラリアットを叩き込んでレイから3カウントを奪った。
勝った諏訪魔はマイクを持つと「あのさ聞くところによると、この川崎区50周年だって聞きましたよ。全日本プロレスって来年も50周年を迎えます。川崎区と全日本プロレス、ちょうど一緒なのでこれからも一緒になって頑張って行きたいと思うので、これからも皆さんよろしくお願いします!」とアピールした。
光留は植木に合わせてポリススタイルで登場。植木は公認凶器として三角木馬のグンバちゃんを持参。一方のイサミは公認凶器としてギガラダーを抱えて入場。そして光留vsイサミの因縁対決で試合開始。緊張感のある間合いからイサミがタックルを仕掛けるが、これを切った光留はワキ固めを狙う。防御したイサミだが、猪木−アリの体勢になった光留はパスガードして再び腕を取る。しかしハンマーロックで切り返したイサミ。光留がヘッドロックで切り返すと、ロープに振ったイサミにショルダータックル。ここでイサミは阿部にタッチ。光留も植木にタッチすると、グンバちゃんもリングインさせる。敬礼で威嚇する植木にソバットを叩き込んだ阿部だが、植木もカウンターのソバットから水面蹴りで倒すと、敬礼ヘッドバットを投下。そしてグンバちゃんの上に阿部をアトミックドロップで叩き付けようとしたが、逆にやられてしまう。そこから一気に場外乱闘に。イサミも光留を場外に連れ出し、フィールド内で大暴れ。リングに戻ったイサミは植木を横向きにしたグンバちゃんに叩き付け、さらに蹴っていく。「壊れちゃう!」と嘆く植木だが、イサミは容赦なくグンバちゃんを場外に投げ捨てる。阿部は張り手からドロップキック。続いてイサミがギガラダーをリングインさせ、植木の手をラダーでサンドイッチ。のたうち回る植木だが、「もう1回」コールが起こり、またも手を挟まれる植木。阿部がクルクルソバットを叩き込むが、植木もコーナーに飛び乗っての敬礼ヘッドバットアタック。さらにブレーンバスターで投げて光留にタッチ。イサミが飛び込んできてエルボーの打ち合いに。光留は「入り時間が遅い!」と叫びながらくし刺しミドル。イサミも「待ち時間が長い!」と叫びながらフェースクラッシャーを返すが、光留はジャンピングハイから水車落とし。イサミも腕十字を防御して勇脚を叩き込むと、阿部とダブルの正拳突き。さらにイサミの勇脚→阿部が伊良部パンチからのお卍固め。このピンチに植木が「こうなったら光留さんの公認凶器を呼ぶしかない! 公認凶器のアイツ、カモーン!」と叫ぶと渡慶次幸平が登場。テーマ曲を聞いただけで阿部は諦道ではなく史典にもかかわらず、「やめてくれー!」と半狂乱。事情が分からず棒立ちだったイサミに渡慶次はいきなりミドルキック。一発で渡慶次のヤバさを察したイサミは場外にエスケープ。その間に阿部に光留と植木がトレイン攻撃を見舞うと、渡慶次はヘッドバット。さらに光留がジャンピングハイから水車落とし、アンクルホールドに捉えるが、イサミは「(渡慶次が)恐いんだもん!」とカットに入らない。光留はジャンピングハイからバックドロップで投げるとキャプチャードアームバーへ。ギブアップ寸前の阿部は「イサミさん、俺の公認凶器を! 早く!」と絶叫。イサミが「俺たちの公認凶器はコイツだー!」と叫ぶと、陽気な曲がヒットすると共に作業着姿の男が登場。作業着を脱ぎながらリングインした男は大和ヒロシ! 光留とリング上で対峙するのは実に8年ぶり。「久しぶりだな!」と絶叫した大和に「相変わらず口がくせぇな!」と言って餌付く光留。「最近は嫁だけじゃない! 息子にも言われているから打たれ強くなっているんだよ」と強がった大和は、これまで散々控室で靴にイタズラされた恨みをぶつけに来たという。光留は2AWの十枝会長に「大和の靴どれですか?」と聞いたら「これだぞ」とあっさり教えてくれたことを告白。動揺する大和だが、ここからは光留&植木with渡慶次vsイサミ&阿部with大和の格好で場外乱闘に。阿部は「渡慶次はヤバイって!」と叫びながら全力疾走でフィールド内を走り回る。光留は水飲み場で大和を水攻めにしていくと、「全日本を辞めるときにひと言も連絡がなかった!」と言いながらチョップ。「そんなの言えるわけないだろ!」とチョップを返す大和。光留は飲食スペースのブルーシートで大和を簀巻きに。阿部を追いかけているうちに敵味方の判断が分からなくなってきた渡慶次は植木にも襲いかかる勢い。その植木をリング上で羽交い締めにしたイサミは大和を呼び込むが、エルボーは植木にかわされてイサミに誤爆。今度は植木が大和を羽交い締めにして渡慶次を呼び込むが、大和が体勢を入れ替える。完全に気付いていた渡慶次だが、そのまま植木にヘッドバット。これに植木がキレて渡慶次を場外に連れ出してヘッドバットをお返し。リング上では光留と大和が張り手の打ち合い。大和がゼロ戦キックで光留を場外に追いやり、「武藤さん、見ててください!」と叫んでエプロンに出る。すると、その背後からイサミが大和を場外に突き落とし、そこからイサミは二人に向かってトペを発射。ここで阿部がギガラダーを場外にセット。大和の上に光留を乗せると、イサミがギガラダーブレイクを投下。それでも光留はイサミにヘッドバットを返すが、不意を突いて阿部が伊良部パンチ。そこのままスクールボーイで丸め込んで光留から3カウントを奪って勝利。だが、場外ではまだ植木と渡慶次がヘッドバットの打ち合いをしていて、いつの間にか植木は大流血。止めようとした阿部や光留にも蹴りを叩き込んでいった渡慶次。文字通り人間凶器となった渡慶次の大暴走だが、勝ち名乗りを受けたイサミはほぼ使い物にならなかった大和にボディがお留守だぜをお見舞いすると、マイクを持って「大和さんとのケンカはどうでもいいかもしれんけど、佐藤光留と俺のケンカはこれからも続くぞオラ!」と因縁継続宣言。
昨年の川崎大会での電流爆破バットの火薬は5倍だったが、両チームの強い申し出により10倍の火薬を使用するとアナウンス。邪道軍の三人は黒い革ジャンで揃えてきた。一方のハードヒット軍はシュレックはオープンフィンガーグローブ、和田はノースリーブシャツにデニムの短パンというストリートファイトスタイルで登場。ハードヒット軍にペットボトルを投げつける大仁田だが、いきなり佐野が田馬場に襲いかかって試合開始。大仁田もイスでシュレックを場外に出すと、サミングからペットボトルで殴り付けると、有刺鉄線バットをシュレックの背中に押し付ける。和田をリングに戻したヨシタツはくし刺し攻撃を狙ったが、かわした和田はソバットから河津落とし。一気にヒザ十字に捉えるが、これは佐野がカット。和田を場外に出した佐野だが、シュレックがローキック。そこからマウントで殴っていったシュレックは、スタンディングのアームロック。しかし大仁田がシュレックの脳天にイスを振り下ろすと、佐野のくし刺しラリアットから大仁田がDDT。ここでヨシタツがバットを手に取ると、大仁田が点火スイッチをオン。しかし和田がエプロンに素早く上がってもう一度ボタンを押して解除。すかさず佐野が和田を排除すると、大仁田が再びスイッチオン。ヨシタツが電流爆破バットを振り上げると、間一髪でシュレックがかわしてヨシタツはコーナーに誤爆。10倍の火薬が爆破し業音が響き渡る。シュレックもヨシタツも大ダメージ。その間に和田と田馬場が大仁田を踏み付けてから、田馬場がアキレス腱固め、和田が腕十字を同時に決める。ヨシタツと佐野がカットするが、ここで和田がセットしたイスにシュレックが大仁田を座らせて羽交い締め。和田がスイッチを入れてから電流爆破バットを構えるが、大仁田は必死に逃げようとする。シュレックが力ずくでイスに座らせると、和田が電流爆破バット攻撃。ついに大仁田も被爆。シュレックが一気にスリーパーでトドメを刺そうとしたが、佐野が有刺鉄線バットでカット。そのバットを奪い取った田馬場は、大仁田に向かってバット攻撃。ヨシタツがビッグブーツでカット。さらにシュレックにミドルキック、和田にエルボーを叩き込むが、和田はソバットを返す。しかしブレーンバスターで投げたヨシタツはシュレックにLRKを狙う。シュレックがキャッチすると、背後から田馬場が有刺鉄線バットでヨシタツを殴打。朦朧とするヨシタツに和田が飛び付き三角絞め。何とかロープに逃れたヨシタツだが、間髪入れずシュレックがジャーマンで投げていく。佐野がカウント2でカットするが、田馬場がヨシタツにパワーボムを狙う。ここで大仁田が田馬場の顔面に真っ赤な毒霧を噴射。佐野がスイッチを押すと、大仁田が電流爆破バットを田馬場に向かってフルスイング。被爆した田馬場から3カウントを奪って邪道軍が勝利。
大仁田は大の字に倒れた田馬場に水を降り注ぐと、「オイ! オイ! オイ! オイ! オマエらよく聞け! オマエら格闘技かもしれねぇが、俺らはプロレスラーだ。生きていくためなら何でもやるんだよ! その違いなんだよ。分かったか? またやろうじゃねぇか。皆さん、格闘技とプロレスは違います。だけど俺たちは何でも出来ます! よろしくお願いします! 今日はありがとうございました!」と語りかけた。そして田馬場を引き起こすと、力一杯水を撒き散らしながら引き上げていった。
邪道軍が控室に戻ろうとすると、光留が近付いてきて大仁田に向かって「今日は大仁田さんに言いたいことがあるんですよ。去年、ずっと僕と一緒にプロレスをやってきた青木篤志さんがいなくなって、青木さんのために(佐藤光留デビュー20周年記念大会『変態と呼ばれて』まで)弔いに来てくれたじゃないですか。でももう時間が経って、段々薄れてきているんですよ。やっぱり青木さん言っていたんですよ! 全日本プロレスのこととか、ジュニアのこととか。でも『電流爆破、楽しかったっす。あんな刺激的なことないですね。また大仁田厚を爆破しに行きたいですね』って、青木篤志が言っていたんですよ! 今、体は二人じゃなくて一人になっちゃいましたけど、でも俺たちいつでもプロレスラーとしての魂は二つなんで、また俺と青木篤志の魂、電流爆破のリングに上げてください! そのお願いに来ました。お願いします」と直訴して頭を下げた。大仁田はこの日6試合やった光留の背中についた汚れを、水で洗い流してやると「全日本じゃなく、これは青木と佐藤、オマエの願いだな?」と問い掛ける。光留が頷くと「青木の意志を継いでオマエが電流爆破のリングに…今の電流爆破は只者じゃねぇぞ! それでもいいのか?」と再び問い掛ける。光留が「どんな電流爆破でも俺と青木篤志のプロレスで受けていきます! よろしくお願いします!」と言うと、大仁田は「オマエを地雷に落とすかもしんねぇぞ」と威嚇。それを聞いた光留が「いいですよ。(大仁田が)落とされるかもしれないですよ? 青木篤志が大仁田厚を地雷に落とすかもしれないですよ! 覚悟はしてます」と逆に威嚇する。光留の目を見た大仁田は握手を求めるが、光留が応じようとするとその手を引っ込め「闘う相手と握手するわけねえだろ。オイ来いよ! 怖じ気づくなよ! 地獄のデスマッチ。昔と違うぞ。こういう(電流爆破)バットとは違うぞ! それで怖じ気づくなよ。青木の意志を継ぐなら最後まで突き通せよ。オイ! 分かったな、佐藤! 分かったな? 最後まで突き通せよ」と言って光留ににじり寄ると睨み付ける。光留も一切目を反らせずに大仁田を睨み返すと、大仁田は「青木の遺言だろ」と捨て台詞を吐いて控室へ。その背中を光留はずっと睨み続けた。
鈴木が入場する際、音響トラブルで『風になれ』が途中で何度か止まってしまうが、観客が大合唱。鈴木も「かっぜになっれ〜」の大合唱の中リングイン。腕を取ってワキ固めを狙った鈴木だが、川村もスリーパーで切り返す。フロントネックロックを指を掴んでのハンマーロックで切り返した鈴木は、クルックヘッドシザースから腕十字を狙う。クラッチが切れてスケープした川村だが、鈴木はすぐに離さない。川村の掌底をスウェーでかわす鈴木はコーナーを背にしてブレイクをアピール。川村が構わずローを蹴って行くと、鈴木の表情が一変して前蹴りから左右の張り手。川村の掌底をブロックし、腕を足でロックしてからチンロックに捉えると、川村の右腕を取って腕固めへ。折らんばかりに手首を曲げた鈴木はアームロックへ。さらに右足も取ってアンクルホールドから、リバースのインディアンデスロックとキャメルクラッチの複合技で川村を追い込む。どうにかロープに逃れた川村だが、鈴木はストンピングを落とすと涼しい顔でニーリフト。倒れた川村の顔面を足蹴にした鈴木に対し、タックルでテークダウンした川村は掌底を振り下ろす。しかしアキレス腱固めを狙った川村の足首を捻り上げた鈴木はストンピングからアキレス腱固めを狙う。これをスタンディングのアキレス腱固めで切り返した川村だが、鈴木は和田レフェリーを掴んで川村に投げつける。さらに川村を和田レフェリーに投げつける。コーナーと川村に挟まれた和田レフェリーが倒れてしまうと、鈴木はイスを持ち出して川村の脳天に振り下ろす。さらに川村を場外に連れ出してニーリフト。川村もボディブローで応戦するが、李日韓レフェリーが入ってくる。「オマエ、関係ないだろ!」と一喝した鈴木はスリーパーで川村を半失神させると、アメフトのゴールを見ながら五郎丸ポーズをしてからサッカーボールキック。川村のセコンドについたレスラーたちを威嚇した鈴木は川村にチョップ。川村もチョップを返すと、徐々に覚醒。しかしエルボーで吹っ飛ばした鈴木はリング下や本部席にあるイスを次々にリング内に入れる。再び川村のところに戻ると、照明塔をバックに逆片エビ固め。リングに戻るように指示する日韓レフェリーに「うるせぇな! 俺に命令するんじゃねえ」と詰め寄るが、日韓レフェリーも毅然とした態度で「この試合はワタシが決める!」と一歩も退かない。「一番つえぇのは俺だ」と言い張った鈴木は観客のペットボトルを奪うと、朦朧とする川村に殴り付ける。川村をリングに戻した鈴木はイスを振り上げるが、日韓レフェリーが静止する。そこに割って入った川村が鈴木にボディブロー。さらに鈴木の蹴りをキャッチしてボディブローを叩き込むと、STOで叩き付ける。咆哮した川村は鈴木が振り上げたイスをストレートパンチで射抜くと、ボディブローを連打。完全に覚醒した川村は「やってやる、俺も!」と叫んで、鈴木の背中にイスを振り下ろす。制止する日韓レフェリーを突き飛ばして何度も殴打した川村だが、日韓レフェリーもイスを掴んで必死に制止。その間に不適な笑みを浮かべて立ち上がった鈴木は、強烈な張り手をお見舞い。川村も張り手で応戦。15分が経過し、壮絶な張り手での殴り合いからロープに飛んだ川村だが、鈴木はドロップキック。倒れた川村を何度もイスで殴打した鈴木は、鬼の表情で掌底のコンビネーションを叩き込む。川村もチョップを返すが、もはやダメージから全く腰が入っていない。鈴木は強烈なエルボー3連続を叩き込むと、ゴッチ式パイルの体勢。しかし一旦川村を離すとリング中央にイス盛りをつくる。川村にダメ押しの張り手を見舞った鈴木は、ゴッチ式パイルドライバーでイス盛りの上に川村を叩き付けて3カウントを奪った。鈴木を勝ち名乗りをしようとする日韓レフェリーにイスを振り上げた鈴木だが、さすがに殴ることなくその場でイスを捨ててリングを下りる。そして『風になれ』に合わせて手拍子を煽ると、「たぶん来年もやるから。ただ俺の興行じゃないけどな」と捨て台詞。そして観客の「かっぜになっれ〜」の大合唱を聞くと満足げな表情で引き上げていった。
川村が敗れたため即引退セレモニーに。例によって活字に出来ない経歴が読み上げられたあと、特別ゲストとして長渕剛……よりはかなり小柄な上、割とひと昔前の長渕が登場。「長渕剛です。川村亮選手のために歌います。彼がこよなく愛した曲です」と言って『とんぼ』を熱唱。デジャヴとして思えない光景だが、歌い終えたあとに10カウントゴングが鳴らされ始めると、照明塔の灯も消える。9カウント辺りで突如「待ってー! 辞めないでー!」と叫んだのが、本部席にいた川村夫人のエイドリアン。立ち上がったエイドリアンを光留を筆頭に選手たちが必死に止めようとするが、振り切ってリングに飛び込んだエイドリアンが川村に抱きつく。なおも選手たちが「止めろ! 止めろ!」と叫びながら川村夫妻を取り囲むが、しばらくしてから選手たちを愛のパワーではね除けると、何と川村亮がロッキーの格好で現れ、『ロッキー』のテーマが鳴り響く。羽織ったガウンの背中には「2」と書かれているが、エイドリアンの肩を借りた川村は朦朧としながらリングを下りてどこかに歩いて行く。リング上の選手たちが呆然とする中、スタンド席に現れた川村夫妻は富士通スタジアム川崎の一番高いところまで行くと、川村が「エイドリアーーーーン!」と絶叫。すると奥田リングアナが「180cm90kg、ロッキー川村2〜」とコールし、何とロッキー川村2が爆誕。リング上に選手やフィールド内の観客には、照明が消されてしまったためスタンドが暗く、最後の最後で主役の姿がまったく見えないまま真夏の変態祭りは終了した。
ーーでは大会の総括を。
光留 いります? この大会の総括。
ーーいります。
光留 今年も……夏が終わりましたね。去年よりも今年のほうがコロナの影響をすごい感じて。2年目ってどうしてもインパクトも落ちるし、何を間違ったか1興行分のチケット料金で2興行分やったんで、そりゃあ売上も落ちますわな(苦笑)。去年2興行やったんで。でも起死回生のアイデアで自分が試合すればタダっていう(苦笑)。思いついたときはノリでやったんですけど、プロレスを1日6試合やるのはシンドイことなんだなっていうのが、キャリア21.5年目でよく分かりました。ただ(それが)分からなかったら……これから何十年プロレスやるか分からないですけど、その間プロレスって1日6試合、屋外でやったらシンドイんだってのを知らずに死ぬんだって思ったら、俺は人より、ほかのプロレスラーより上にいるんだっていう気持ちです。去年、僕が屋外でやるって言ってから、屋外やったところもあるし、川崎球場出来るんだってことで問い合わせも沢山来たし。実際昨日DDTもしたし。でもどこにも追いつけないことをやるんだって気持ちが、気付いたらいろんな奇々怪々いろんな選手が集まって、よく分からない興行になって、最後川村がロッキー川村2になるっていう……満足度なんかクソ食らえ! 人の本音だけで生きてきた僕らの形になったと思います。
ーーとはいえ、鈴木選手、諏訪魔選手、大仁田選手が一堂に会す興行もなかなかないと思いますが。
光留 まぁないでしょうね。あと実はとんでもない人が「おめでとうございます」って言って、お祝いの金一封を持って来てくれたんですけど。マジで今ここでは名前出せない人です。それは『死なば諸共』で。見てない奴、ザマーミロ(笑)。何だってそうですよ。今日、渡慶次さんも言われたらしいんですよ。「プロレスなんだから、ルール守れないんだったら観に行かない」って。この間、反則やっちゃったから。ルール守らないんだったら観に行かないって。プロレスってこういうものだ、格闘技ってこういうものだって、プロレス側から見ても、格闘技側から見ても雑誌の表紙、SNSに流れてくる1枚の写真しか見ていないんです。でも本質ってもっともっと奥がめっちゃめちゃあるんですよ! でもみんなプロレスってこういうもんだ、格闘技ってこういうもんだで止まっているじゃないですか。今ってもっとそうじゃないですか。SNSで言うものはこういうものだ、人に対してこういうものを持たないといけない…ここで止まっているじゃないですか。でも実際腹の中で何を思っているか分からないことも沢山あるのに、なぜ表面だけを今取り繕う世界なのかなって思った。人の本音が沢山出た大会だから、僕はやっぱり自分の大会が好きですね。
ーーこれで2年連続なので、来年もと言う声が出て来ると思うのですが。
光留 最後のアレ見て来年もっていう奴、頭おかしいぜ!(苦笑)でも僕、偶数嫌いなんで。通常なんです。確変がいいんで。僕の人生、パチンコくらいしか上向きがないから。とりあえず奇数はやります! ちょっとだけ今日、会場に怒られたけど。ごめんなさい!