ニコプロpresentsハードヒット「My name is HARD HIT」
日時:2021年5月2日(日)
開場:11時30分
開始:12時30分
会場:東京・新木場1stRING
観衆:コロナでいっぱいいっぱい(超満員札止め=主催者発表)
第1試合 松本幼稚園presents 3ロストポイント制 10分1本勝負 | |
○ | 関根シュレック秀樹(ボンサイ柔術) |
3分10秒 KO | |
● | 田馬場貴裕(IMPACT) |
第2試合 マクロテオスpresents 3ロストポイント制 10分1本勝負 | |
○ | 唐澤志陽(ベストボディジャパンプロレス) |
2分39秒 KO | |
● | 前田賢哉(自称・高岩の弟子) |
第3試合 株式会社STR Advisory presents タッグマッチ 5ロストポイント制 15分1本勝負 | |
○ | 佐久田俊行(フリー) |
植木嵩行(フリー) | |
7分18秒 胴絞めチョークスリーパー | |
河野真幸(VAMOSTAR PRO-WRESTLING) | |
● | SUSHI(フリー) |
第4試合 Physical Design Works presents 3ロストポイント制 10分1本勝負 | |
○ | 松本崇寿(フリー) |
10分00秒 TKO(時間切れ→残りポイント2-1) | |
● | 前口太尊(TEAM TEPPEN) |
第5試合 プロレスBAR「DIVA」presents 3ロストポイント制 10分1本勝負 | |
– | 渡慶次幸平(クロスポイント吉祥寺) |
2分24秒 没収試合 | |
– | 阿部諦道(浄土宗西山深草派) |
セミファイナル 株式会社りくつなpresents 3ロストポイント制 10分1本勝負 | |
● | 井土徹也(HEAT-UP) |
5分40秒 クロスヒールホールド | |
○ | 飯塚優(GLEAT) |
メインイベント 新太平洋運輸株式会社presents 5ロストポイント制 15分1本勝負 | |
△ | 佐藤光留(パンクラスMISSION) |
15分00秒 時間切れ引き分け(残りポイント1-1) | |
△ | 川村亮(パンクラスイズム横浜) |
開場後、おもむろにリングに上がった佐藤光留は観客の前でシャドーを始める。その後、ミット打ちも披露。公開ウォーミングアップのあと、開始を告げるオープニングVTR。
VTR明け、プロデューサーの佐藤光留がマスク姿で登場。「本日はこのような状況下で、たくさんのご来場まことにありがとうございます。今大会は昨年から続く新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から発令された緊急事態宣言中の状況となりましたが、不要不急のジャンルと言われたプロレスをなぜ『あれはプロレスじゃない』と言われたハードヒットが守らなければいけないかというところから、何とか開催するにはどうしたらいいかを話し合い・考え、そして皆さんの理解と協力を得て、いま開催出来たことを嬉しく思います。本当にありがとうございます! 言いたいことは山ほどあるのですが、今日は言葉よりもリング上のほうが多くのエネルギーを持った、いまこのご時世で数少ない場所のひとつだと思っています。初めてプロレスに参戦する者、初めて対抗戦となったものに参戦する者、初めてじゃないのに初めてのような気持ちでここに立つメインイベントの二人、いろんな選手のいろんな思いが非常に限られたルールで、リングの上で発揮されることがハードヒットだと自信を持っていまは言えます。皆様には声を出しての声援、会場内での飲食の禁止など、多くの禁止事項・お願いをして……そして会場のシャッターを全開にして行うという、もしかしたら過ごしにくい場所になるかもしれませんが、それを忘れるさせるくらい、いまから控え室に帰って選手全員にハッパを掛けてきます。ぜひ最後まで目を開けて、現実を脳裏に焼き付けて帰ってください。よろしくお願いします! 最後になりましたが、たくさんのスポンサー、そして応援チケットご購入の皆様、ニコプロ前でPPVをお買い求めになった皆様、会場に来ていただいた皆様、すべてが揃ってハードヒットだと宣言して終わりたいと思います。本当に今日はありがとうございました。よろしくお願いします!」と挨拶し、四方に一礼した。
第1試合は関根シュレック秀樹(ボンサイ柔術)vs田馬場貴裕(IMPACT)。まずは田馬場が右のローから入っていき、右ハイキックから脇を差してロープに押し込む。離れ際、またも右ローを打っていくが、シュレックも右ローを返す。左の掌底をもらい、やや後退した田馬場だが、すぐにローを返して組みつく。しかしシュレックは右ロー2連発。田馬場はミドルからソバット。これがボディに入り、思わずうめき声をあげて身体を折り曲げたシュレック。一気に掌底でラッシュをかけた田馬場だが、逆にシュレックが掌底を打ち返してダウンを奪う。立ち上がった田馬場だが、明らかにダメージがある様子。すかさず組みつきバックを取ったシュレックは腿にヒザ、脇に掌底を入れてから一気にジャーマンで投げ捨てる。田馬場は10カウント以内に立ち上がれずシュレックがKO勝ち。田馬場は試合後もなかなか立ち上がれないほどのダメージだった。
第2試合は唐澤志陽(ベストボディジャパンプロレス)vs前田賢哉(自称・高岩の弟子)。鋭い蹴りを飛ばしていく唐澤に対し、掌底で前に出ようとする前田。しかし距離を取ってローをビシビシと入れていった唐澤。前田は強引に組みつくと、大外刈りで倒していくが、唐澤はすぐに立ち上がる。強烈な左右のローを叩き込む唐澤に対し、前田は胴タックルで何とかテイクダウン。しかし唐澤はこれもすぐに立ち上がってみせる。ローがかなり効いている様子の前田をコーナーに追い詰めたところで、唐澤右ハイキックがヒットして前田は前のめりにダウン。そのまま10カウントが入り、唐澤がKO勝ち。
第3試合は佐久田俊行(フリー)&植木嵩行(フリー)vs河野真幸(VAMOSTAR PRO-WRESTLING)&SUSHI(フリー)。元警察官の植木は素足に柔道着、河野は素足に赤のバトルトランクス。佐久田とSUSHIの先発で試合開始。組みついてきたSUSHIを投げていった佐久田だが、体重差を活かして上になったSUSHI。佐久田はガードポジションからスイープするが、SUSHIは横四方から袈裟固めを狙う。佐久田は極められる前に脱出してタッチ。植木は河野に対して内掛けを狙っていくが、うまく回避した河野は片足タックルからテイクダウンを奪うとバックマウント。スイープした植木だが、河野は下からボディシザース。しかしそのまま持ち上げてバスターで叩き付けた植木。ここで佐久田にタッチ。身長差がもの凄いが、ガブった河野はそのままスピニングチョークでグラウンドに持ち込む。佐久田はロープエスケープ。さらにSUSHIが掌底でラッシュし、ダウンを奪う。これで佐久田組は残りポイント3。組みついた佐久田はスロイダーで投げるが、上になったのはSUSHI。一気に得意の逆片エビ固めに捉え、佐久田はエスケープ。残りポイント2に。タッチを受けた植木は組みついて払い腰で投げると、そのまま袈裟固め。どうにか脱出したSUSHIだが、今度は佐久田がグラウンドに持ち込んで三角絞めの体勢に。そのまま持ち上げたSUSHIはバスターで脱出。一気にアンクルホールドに捉え、佐久田からエスケープを奪う。これで残りポイント1となり、後がない佐久田は強引にバックを取ると一気に胴絞めチョークスリーパー。リング中央で極められたためSUSHIはギブアップ。佐久田組の逆転勝利となった。
第4試合は松本崇寿(フリー)vs前口太尊(TEAM TEPPEN)。いきなり低い姿勢から威嚇する松本に対し、前口は慎重にロー。しかしその足を取ってテイクダウンを狙う松本。倒されまいと防御する前口だが、しつこく組みついていき、ジワジワとグラウンドに持ち込んでいく松本。頭をマットに抑え付けてどうにか立ち上がった前口だが、松本は超低空から前口に足首を取ってテイクダウン。ガードポジションから松本のアゴを手で押して脱出した前口だが、松本はなおも低空タックルからテイクダウン。それでもグラウンドの練習をだいぶやってきた感のある前口はうまく脱出。松本は自ら寝転び、猪木−アリの体勢から挑発。立ち上がった松本にボディブローからの左ミドル、さらにソバットで一気呵成に攻め込んでいく前口。組みついた松本をうっちゃった前口は左掌底で飛び込んでいき、ダウンを奪う。カウント9で立ち上がった松本はどうにか胴タックルからテイクダウン。カメになる前口だが、松本はヒールホールド。前口はロープエスケープ。ローとボディブローでラッシュをかける前口だが、蹴り脚をキャッチした松本はアンクルホールド。前口は必死にロープに手を伸ばしてエスケープ。残りポイント1に。胴タックルに来た松本をコーナーに押し込んだ前口は首相撲から転がしていく、立ち上がったところに掌底でラッシュ。さらにコーナーに押し込んでボディブロー。苦しそうな表情でタックルに行き、テイクダウンした松本だが、前口はすぐに立り上がってボディブローからの掌底でラッシュ。さらにハイキックを叩き込むが、ここで時間切れのゴング。残りポイント2-1で松本が辛くも勝利した。
第5試合は渡慶次幸平(クロスポイント吉祥寺)vs阿部諦道(浄土宗西山深草派)。相手が「地上で最も過激な格闘技」と言われているミャンマーの立ち技格闘技“ラウェイ”から初参戦の渡慶次ということで、阿部はタッグパートナーの野村卓矢(大日本プロレス)を従えて入場。セコンドには一般人・澤宗紀もつく。いきなり渡慶次が鋭いローを飛ばすが、阿部もローを返す。掌底を打ってきた渡慶次に組みついた阿部は、足を掛けてテイクダウンを狙う。しかし潰して上になった渡慶次は、何と阿部のこめかみ辺りに頭突き。ラウェイでは有効技だが、ハードヒットではもちろん反則のため、レフェリーが時計を止めて渡慶次にイエローカード。謝る渡慶次だが、明らかに顔色が変わった阿部。掌底の打ち合いからバックブロー掌底をヒットさせた阿部に対し、渡慶次も掌底で前に出てくると、首相撲から左の掌底をフックで叩き込んでダウンを奪う。立ち上がった阿部は渡慶次の左ハイキックをガードすると、コーナーに押し込む。体勢を入れ替えた渡慶次だが、阿部はそこに頭突き。レフェリーは阿部にもイエローカード。不穏の空気が漂う中、頭から突っ込んでいった渡慶次に対し、阿部も引くことなく頭突きを返す。レフェリーが割って入るが、二人は止まらない。慌ててセコンド陣がリングに雪崩れ込んできて両者を分けるが、没収試合(ノーコンテスト)で試合終了のゴング。
「ふざけるなよ、お前!」と興奮気味に叫ぶ渡慶次だが、阿部はすぐに冷静さを取り戻すと渡慶次と握手をした上で頭を下げる。渡慶次も冷静になったようで「(阿部が)すごい打撃で飛んじゃいました。スミマセン」。ここでマイクを持った阿部が「話を整理するならば、渡慶次さんにハードヒットルールではちょっと窮屈過ぎたかもしれません。ただ、渡慶次さんみたいな人間と今日試合出来て……次はこういうハードヒットルールじゃなくて、また違うプロレスで…ルールなしの違うプロレスのリングで試合してください」と言うと、渡慶次にマイクを渡す。「(対戦相手が)プロレスラーだって聞いていて、こんなしっかりと打撃が出来ると思わなくて。本当に…本当に腰がいま落ちかけて、そこからあまり覚えてないないんですけど、頭突きとかで注意されて。ダメだって。『ああ、そうだ。今日ハードヒットだから頭突きダメだ』って思い出したんですけど、阿部君がすごい強烈な頭突きをしてきちゃって、それで無我夢中で闘っていたら何かノーコンテストですよね? こういう後味が悪い感じになってスミマセン。本当にこうやって会場に来てくれている皆さんがいることで、僕らは闘えているんでありがとうございます」と言うと、自身が出演しているドキュメンタリー映画『迷子になった拳』をPRした上で、ファイトマネーはミャンマーに寄付するという。
セミファイナルは井土徹也(HEAT-UP)vs飯塚優(GLEAT)。6・9LIDET UWFとの全面対抗戦に先がけ、GLEAT所属となった飯塚を、つい最近まで同門だった井土がハードヒットで迎え撃つ一戦。飯塚のセコンドにはGLEATの伊藤貴則と渡辺壮馬がつく。なお、リデットエンターテインメントの鈴木代表も会場内で視察していた。お互いにフェイントを入れながらローや掌底で牽制。緊張感のある間合いから掌底からコーナーに押し込んだ飯塚はうまくテイクダウン。下になった状態からでも掌底を入れていった井土だが、飯塚もバックに回る。いわゆる回転体でグラウンドでもお互いに動きが止まらない。井土が下から腕十字を狙うが、飯塚は足を取って立ち上がり、そこからヒザ十字へ。井土はここでエスケープ。井土は構えをスイッチすると胴タックルでテイクダウン。ニーオンザベリーから腕十字、さらにフットチョークにスイッチ。ここで飯塚はエスケープ。お互いに鋭い打撃の応酬から、井土が二段蹴り。蹴り脚をキャッチしようとした飯塚だが、逆にアゴにヒットしてしまいやや後退。すかさず井土が飛びヒザで飛び込んでダウンを奪う。前のめりに倒れた飯塚だが、カウント8でどうにか立ち上がるが、残りポイント1。一気に首相撲からヒザ蹴り、掌底、左ハイキックからジャーマンでラッシュをかけた井土だが、投げられた直後ワキ固めに捉えた飯塚。立ち上がって脱出しようとした井土だが、飯塚はカニ挟みで飛び付いてから一気にクロスヒールホールドを極めてギブアップを奪った。逆転勝利の飯塚は倒れている井土に近付き、何やら言葉をかけるとリングを下りた。対抗戦はLIDET UWFが先勝。
メインイベントは佐藤光留(パンクラスMISSION)vs川村亮(パンクラスイズム横浜)。2012年の佐藤光留プロデュース体制となって最初のハードヒットのメインと同カード。ロッキーでもランボーでもない川村は、2012年のときと同じ黒いショートタイツにレガース姿で登場。握手をしてから試合開始。ゴングが鳴ってもなかなか両者動き出さない。何とも言えぬ緊張感が漂う中、ジリジリと距離が詰まっていくと、まず光留がミドル。ガードした川村はロー。光留もローを返す。プレッシャーをかけていく川村に対し、コーナーを背にした光留はタックルからバックに回る。強引にスリーパーを狙う光留に対し抵抗する川村だが、グラウンドに持ち込んだ光留。しかし立ち上がった川村は猪木−アリの体勢から掌底を振り下ろす。下から足を絡ませていった光留はヒールホールド。これで川村はエスケープ。ボディへのストレートを伸ばした川村に対し、後退しながらミドルを出した光留は体勢を崩して転倒。すかさずバックマウントを取った川村は脇に掌底を入れていくが、スイープした光留。下から掌底を打っていった川村だが、足に絡みついていった光留は回転しながらヒザ十字。さらにヒールホールドにスイッチしたところで、川村はエスケープ。残り3ポイント。掌底で一気に前に出た川村に対し、顔面にもらった光留はタックルで凌ごうとする。しかし押し潰して上になった川村はマウントから光留の顔面に掌底。TKシザースから足関節を狙った光留だが、川村は立ち上がって回避。ローからハイ、ミドルで光留をコーナーに追い込んだ川村は右のストレート掌底を叩き込んでダウンを奪う。カウント9で立ち上がった光留だが、川村はボディブローでラッシュをかけると脇を差してロープに押し付ける。しかし払い腰で投げた光留は袈裟からマウント。スイープした川村はボディへのパンチから顔面に掌底を打ち下ろす。2012年のフィニッシュを彷彿させる場面だったが、光留はエスケープ。これで両者残りポイント3となったが、光留はダメージですぐに立ち上がれずダウンを取られてしまう。どうにか立ち上がった光留にラッシュをかけた川村だが、光留はどうにかバックに回ってジャーマンで投げ捨てると、一気に腕十字を狙う。川村はクラッチが切れた瞬間、辛くもロープに足を伸ばしてエスケープ。両者残り2ポイント。光留の強烈なミドルキックに対し、川村もジャンピングミドルで飛び込んでいくが、前に出て来る川村を前蹴りで止めた光留は右ミドルでダウンを奪う。カウント9で立ち上がった川村だが、残りポイント1。後がない川村は掌底とボディブローでラッシュ。後退しながらもハイやミドルで応戦する光留だが、強引に転がした川村は掌底からチキンウイング・アームロックへ。しかし光留はアキレス腱固めで切り返す。川村はその状態から光留の顔面に掌底を叩き込む。首を振って挑発する光留だが、マウントを取った川村は掌底から腕十字を狙う。クラッチが切れた瞬間にうまく脱出した光留はジャンピングハイ。残り試合時間30秒。尻餅をついた川村だが、すぐに立ち上がると掌底で飛び込み、ヒザから左のフック掌底がクリーンヒット。ダウンした光留だが、どうにか立ち上がった直後、時間切れのゴング。両者残り1ポイントで引き分けに終わったが、大の字に倒れた両者に万雷の拍手。
全出場選手がリング上に呼び込まれる中、光留と川村は握手をすると座礼。座り込んだままマイクを持った光留は、リング上の選手たちを見渡した上で「主催者が全員上がれって言ってて、上がってきてねえ何とか社の奴がいるだろ! 出てこいよ!」と言うと、GLEATの飯塚、伊藤、渡辺がリング上へ。光留はLIDET UWFのロゴが入ったTシャツを見ながら「タレント揃えて、その3文字を胸につけて『俺がUWFだ』なんて顔してんじゃねえぞ。ここにいる人間は誰も見てねえところで生き続けてきたんだよ。名前はねえけど、熱い夏を寒い冬を生き続けてきたんだよ。その俺たちに対してお前らがやっているものがどういうことかは……川村が言ってくれるから。頼むぜ、川村亮!」とムチャぶりして大の字に倒れる。マイクを持った川村は「これ…これがハードヒット。これ、出来る? これ! 俺らは逃げも隠れもしない。真っ正面から受け止めるからやれる?」と挑発。マイクを渡された伊藤は「佐藤さん、川村さん。現在進行形のUの試合、しっかり見させてもらいました。正直いまカラダの奥底がすげー熱くなってなってます。俺たちLIDET UWFがこのUスタイルでやっていく以上、ハードヒットを避けてはいけない、超えなきゃいけない壁だと思っています! 6月9の対抗戦、俺たちLIDET UWFがハードヒットを倒して、俺たちLIDET UWFが令和のUを築いていきたいと思います! 6月9、よろしくお願いします」と返答して川村と睨み合う。光留が「後ろ見ろよ」と言うと、LIDET UWF勢の背後には阿部やシュレックらハードヒット勢が臨戦態勢で睨み付けている。「試合もしてねえのにそこに立っていることにイライラしてる奴もいるんだよ。呼んで悪いけどな、帰れ! お前らマジで今日、和田拓也が来なかったことを感謝しろよ! 生きて帰れるんだからな! 早く帰れ!」と言ってLIDET UWF勢を帰すと、「見てないだろうけどプロレス・格闘技、ほかにも何でもいいよ。飯食う以外のものを不要不急って言った奴らはよく聞けよ! お前らの耳に何が入っているか知らねえけど、全部取ってテメーの鼓膜で聞け! 世の中にな! 人間の生き方にな! 不要も不急もねえんだよ! これがハードヒットだ! 以上、ありがとうございました!」と叫んで『My name is HARD HIT』を締めくくった。
ーーまず大会総括を。
光留 見たまんまですよ。My name is HARD HIT。今日初めての人も、何度も出ている人も、今日来ていない人もハードヒットはスタイルじゃないから。生き方だから。チープな言い方かもしれないけど、みんな言ってることかもしれないけど、みんな言うってことは理由があるんだよって思いましたね。いままではレガースつけて制約が多くて、「これがハードヒットだ」「Uスタイルだ」って思ってましたけど、結局UWFの人たちも生き方でしょ。生き方がショボイ奴らがスタイルだけ真似しているから広がっていかないんでしょ。UWF、Uスタイル、このスタイルの役割はプロレスと総合格闘技に別れて終わったんじゃないよ。この生き方をする奴がいなくなっただけだよ。そう思いましたね。
ーー今日、LIDET UWFとの対抗戦第1Rで飯塚選手と井土選手がやって、飯塚選手が勝ったわけですが。
光留 1Rじゃないですよ、こんなの! 向こうが記者会見やって「ここ10年、UWFスタイルはなかった」って言ってるところからもう始まっているんですよ! ラウンド制になっただけだったら1Rかもしれないけど、もう始まってんだよ。マジで和田拓也がいなくて、おめぇら命拾いしたなって感じ! 感謝してほしいね。
ーー6月9日の全面対抗戦はハードヒットのベストメンバーで?
光留 はい! 今日の試合を見て決めました、このメンツだなって。
ーー今日はラウェイから渡慶次選手が参戦しました。ああいう形になりましたが、いかがでしたか。
光留 いやぁ、もうレフェリーも本部もビビっているんで(苦笑)。コイツはヤベェっていうのが直感的に分かるんでしょうね。でも面白いでしょう! 何ですか! 「あの技がすごい」「このコンビネーションがすごい」「どんなところでプロレスやった」「何のベルト獲った」よりも、渡慶次幸平っていう人間がすごいでしょ! 面白いでしょ! それがハードヒット、格闘技、プロレスでしょうよ! 思うね。これはプロレスだけじゃない、格闘技だけじゃない。全部に言いたいことだね。
ーー敢えてお伺いしますが、反則、乱闘、無効試合も許容するのがハードヒット?
光留 いや、しょうがないですよ。人が殴り合っているんですから。いっつもプロレスやってて思うんですよ。「負けたけどいい試合だったな」とか言うバカいるじゃないですか。(木髙)イサミとか。もう大っ嫌いなんですよ、マジで。これ書いておいていいっすよ! 何て言うかな…言い訳にするなよ、格闘技を。負けてんだよ、オメーは! 悔しいんだろうが! それを隠すんじゃねぇよ。客は何千円も払って観に来ているんだよ。テメーが隠してんじゃねぇよって、イサミだけじゃなくて全員に思ってるよ! 「いい試合だった。スッキリした」…いい加減にしろよ! クッソ! だから人間が殴り合っているんだから、本気ですよ。マジで。見たら分かるでしょ? 本気ですから。本気を隠してんじゃねぇよ。
ーーああいうこともあり得るリングだし、ああいうことがあり得るマッチメークだしということ?
光留 そうっすね。もう組んだときからまともじゃねえだろうなと思ったんですよ。でも構いやしないっすよ。だって初挑戦なんだから! 初めてプロレスやった奴に「アイツ、意外とうまかった」とかいま言うでしょ。クソ食らえだよ! うまいのはそれでいいね。でも全然俺の心は動かないよ。俺の心が動くものだけだから、ハードヒットでやるのは。
ーー「誰も見ていない」というようなことを度々言われてますが、今日の会場…数はほかの団体と比べると限られているかもしれないが、見ている人が確実に感じられる興行だと思ったが。
光留 みんな何かしらあると思いますよ。今日観に来ている人で、例えば芸能人が観に来たって言っても、すごい有名でテレビに出ている人で「今日は○○プロレスを観に来ました」ってインスタにあげて、いいねが1万つく人っていないじゃないですか。みんなそれぞれ自分のところで生きているんですよ。上にいることはひとつの評価だと思う。たくさんお金を持つことも評価だと思う……でもそれだけじゃないから。それに自分を重ねて観に来ている人もいるし、これを知ったって人もいるしね。まだまだ……やっと俺たち(注目されるようになってきた)だから感謝はしてますよ、LIDETに。ただ後悔もさせますよ! お前らが生きている限り、ハードヒットが世に出るチャンスだから。「あんなのプロレスじゃねえ」「あんなの格闘技じゃねえ」って言って、プロレスからも格闘技からもコレ(邪険に)されてるんだから。関係ねえよ、生きてるんだから俺たちは。
ーーLIDETを潰して、ハードヒットが世に出る?
光留 はい! 「どうしてもハードヒットに出たいです」って言うんだったら、頭下げたら諏訪魔と一緒に考えてやるよ。