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ニコプロpresents佐藤光留自主興行「変態は26時に蠢きだす」

ニコプロpresents佐藤光留自主興行「変態は26時に蠢きだす」

ニコプロpresents佐藤光留自主興行「変態は26時に蠢きだす」
日時:2024年12月14日(土)
開場:午前1時00分
開始:午前2時00分
会場:東京・新宿FACE
観衆:飯伏幸太ありがとう(主催者発表)

ダークマッチ 当たり前田のニールキックpresentsタッグマッチ 時間無制限1本勝負
大和ヒロシ(裏切り者)
塚本竜馬(フリー)
4時間4分34秒 会場完全撤収時間となったため
透明人間
エル・イホ・デル・透明人間
第1試合 RYSKパートナーズpresentsタッグマッチ 30分1本勝負
鈴木みのる(フリー)
  X=安齊勇馬(全日本プロレス)
14分14秒 ゴッチ式パイルドライバー→体固め
  岩崎永遠(BURST)
田村男児(全日本プロレス)
第2試合 デッドリフ太郎presents「俺たちのALL NIGHT NIPPON PRO-WRESTLING」リトルトゥース3wayマッチ 2時間1本勝負
神谷英慶(大日本プロレス)
7分4秒 チョークスラム→片エビ固め
下村大樹(BASARA)
※もう1人は拳剛(フリー)
第3試合 株式会社りくつなpresentsタッグマッチ 30分1本勝負
  松本浩代(フリー)
VENY(フリー)
10分9秒 ムーンサルト・プレス→片エビ固め
  山下りな(フリー)
櫻井裕子(COLOR’S)
第4試合 松本幼稚園presents2024年何かしらランブル 時間無制限勝負
松本浩代(フリー)
17分13秒 オーバー・ザ・トップロープ
土肥こうじ(フリー)
宮本裕向(666)
阿部史典(格闘探偵団)
①○福士”赤天狗”直也〈5〉○マリーハナ〈6〉(7分10秒 腕ひしぎ逆十字固め)田馬場貴裕〈4〉●
②○中野貴人〈7〉○「2」〈2〉○井上彪流〈1〉(7分15秒 体固め)福士”赤天狗”直也●マリーハナ●
③○松本浩代〈10〉(13分52秒 OTR)井上彪流●
④○松本浩代(13分57秒 OTR)岡田剛史〈8〉●
⑤○松本浩代(14分00秒 OTR)中野貴人●
⑥○松本浩代(14分53秒 逆エビ固め)佐野直〈3〉●
⑦○土肥こうじ〈12〉○宮本裕向〈11〉○阿部史典〈9〉(16分13秒 松本のロックドロップ→体固め)「2」●
⑧○松本浩代(17分13秒 OTR)土肥こうじ●宮本裕向●阿部史典●
※松本が優勝。〈〉の中の数字は登場順。
セミファイナル 有限会社宮崎板金工業presentsジュニアタッグ4wayマッチ 60分1本勝負
  政岡純(フリー)
ガイア・ホックス(フリー)
8分2秒 BUTTERFLY EFFECT→片エビ固め
  橋之介(TTT)
斉藤拓海(花鳥風月)
※あと2組は高橋幸光(飯伏プロレス研究所)&前口太尊(飯伏プロレス研究所)と若松大樹(2AW)&関札晧太(大日本プロレス)
メインイベント 新太平洋運輸株式会社presentsシングルマッチ 3分無制限ラウンド(奇数ラウンド:ハードヒットルール、偶数ラウンド:シュートボクシングルール)
佐藤光留(パンクラスMISSION)
4R 1分49秒 試合不成立
飯伏幸太(AEW/飯伏プロレス研究所)
エニウェアフォールルール 時間無制限1本勝負
佐藤光留(パンクラスMISSION)
12分6秒 カミゴェ→片エビ固め
飯伏幸太(AEW/飯伏プロレス研究所)

師走の新宿・歌舞伎町のど真ん中、時刻が午前1時になり、開場時間と同時にダークマッチがスタート。まだ観客もチケットを引き換えたり、売店を見たりしているため、会場内には数えられるほどの人数しかいないが、大和ヒロシと塚本竜馬が入場。対するは透明人間&エル・イホ・デル・透明人間。観客が会場内に入ってくると、リング上では大和と塚本が“見えざる何か”と闘っているというシュールな光景が飛び込んできた。
このシュールな激闘が約1時間を経過したところで、大会プロデューサーの佐藤光留が登場。例によってリング上では試合が続いているが、光留は「本日は佐藤光留自主興行『変態は26時に蠢きだす』に沢山のご来場、まことにありがとうございます。ちょうど1年前の今頃、2024年は12カ月連続興行目指しますと宣言し、8月の川崎ぐらいまでは何とかいったのですが、まったくそのあと何をしていいか分からない時期があり…。それでも話を持ち掛けた米山香織が大会主催を忘れていた11月の名古屋大会や、途中謎のPPV売上数を誇った実家プロレスなど、いろいろなアイデアを駆使して11カ月興行を続けてきました。少し安易に12月は集大成のような興行をすればいいかなと思っていたんですけど、11月の初めの頃に、とある人から連絡がありまして。その内容が飯伏幸太が佐藤光留と試合がしたいと言っていると。そういうものでした。期間が決まっていまして。会場を探すことが難航しまして。最悪無人島でもいいかなと思ったのですが……本当に横須賀の無人島を探したんですけど。飯伏さんのほうから『どうしてもリングのある場所で試合がしたい』と言われまして。紆余曲折いろいろありまして、今日12月14日午前2時から新宿FACEで興行をすることになりました。もちろん自分でいろいろ努力はしました。もちろん人には出来ない我慢もしました。でも佐藤光留のプロレス人生はいつも必ず誰かに、そして何かに助けられて24年が経過し、来年の2月で25周年を迎えます。まさかそれを目の前にして、透明人間がいるリングに立っているとは夢にも思いませんでしたが、せっかく一度しかない人生だったら、思いもよらなかった人生で僕は死ぬまでプロレスをやって過ごしたいと思います! 第1試合に出場します鈴木みのる選手が、開場中の様子を見ながら『やる奴も観る奴も変態ばっかりだな』と……お褒めの言葉をいただきました。メインのルールは現時点でまだ固まっておりませんが、そんなもんは深夜の新宿が何とかしてくれるはず! 何とかメインまでには話をまとめて来ますので、ぜひそれまではいろんなプロレスをお楽しみください。本大会はPPVで生中継をしています関係で…こんな時間に見ている奴がどれだけいるか分かりませんが、出来るだけ放送禁止用語は避けたいと思いますが、自信はありません! 5時まで会場は借りていますが、試合が終わっても始発が出るまでは売店スペースを広く開けていますので、ゆっくり買い物していってください。選手が皆さんの財布を狙っておりますが、それは外に出ても同じですのでゆっくりしていってください。それでは第1試合のXがめちゃめちゃ緊張しておりますが、オマエラ深夜に蠢く準備は出来るか? 今日の昼のことは今日の昼に考える準備は出来ているか? そろそろ透明人間の試合見飽きたか? じゃあこいつらを連れて帰ります! 試合開始です!」と挨拶し、その間もずっと試合をしていた2選手と2透明人間を連行して退場した。

第1試合は鈴木みのる(フリー)&Xvs岩崎永遠(BURST)&田村男児(全日本プロレス)。岩崎&男児に続き、『風になれ』に乗って鈴木が登場。さらにサビの「かっぜになれ〜」の部分で登場したXは、何と全日本プロレスの安齊勇馬。その瞬間、深夜の新宿FACEに大歓声が響き渡った。鈴木が事前に予告していた“王様からのサプライズ”という言葉通り、安齊が佐藤光留興行初参戦。先発は安齊と岩崎。オーソドックスな攻防はほぼ互角。そこから男児がタッチすると「鈴木みのる出てこい、コノヤロウ!」と鈴木を指名。だが、鈴木は出ない。ムッとした男児をショルダータックルでなぎ倒した安齊だが、男児もジャンピングショルダーを返すと、控えの鈴木の襲いかかる。すぐに安齊も男児に攻撃していくが、男児はボディスラムからロープへ。背後から鈴木が蹴って行き、さらにぶら下がり式三角絞め。そのまま男児を場外に引きずり出した鈴木はイスに男児を叩き付けるが、男児もエルボーで応戦。安齊と岩崎もステージ上でエルボーを打ち合う。さらに鈴木は男児をカウンターに叩き付けると、その上に乗ってパイルドライバーの体勢に。これは男児が必死に抵抗して阻止。鈴木は散々痛めつけてから男児をリングに戻すと、サッカーボールキックからフロントネックロックに捉えた状態で安齊にタッチしようとする。しかし男児がその瞬間、ブレーンバスターで投げていき、タッチは両者ほぼ同時に。安齊と岩崎が飛び込んできてエルボーの打ち合いに。そこから岩崎が串刺しラリアット、ファルコンアロー。安齊も串刺しジャンピングエルボーからスロイダーを返すと、カウンターのドロップキック。だが、ジャンピングニ—をかわした岩崎はラリアット。2発目をかわした安齊もジャーマンで投げ捨ててタッチ。鈴木はエルボー。岩崎も串刺しラリアットを返してタッチ。男児はトレイン攻撃から岩崎のバックドロップ→男児がダイビングショルダーと連携。カットに入った安齊は岩崎をジャンピングニ—で吹っ飛ばして場外へ。その間、リング上では鈴木と男児がエルボー、フォアアーム、チョップと激しくやり合う。男児のショートレンジラリアットを受け止めた鈴木だが、助走付きラリアットでなぎ倒した男児はパワーボムを狙う。鈴木が踏ん張るとデスバレーボムにスイッチ。さらにトドメのラリアットを狙った男児だが、鈴木は時間差ロープワークからスリーパーで捕獲すると、そこから一気にゴッチ式パイルドライバーを決めて男児から3カウントを奪った。試合後、安齊と岩崎は睨み合いに。

第2試合は神谷英慶(大日本プロレス)vs下村大樹(BASARA)vs拳剛(フリー)の3WAYマッチ。「俺たちのALL NIGHT NIPPON PRO-WRESTLING」と題したこの一戦だが、3選手の共通点はニッポン放送の『オードリーのオールナイトニッポン』リスナー、通称リトルトゥースということ。3人それぞれ『ビター・スウィート・サンバ』に乗って入場。するとマイクを持った拳剛が「トゥース! この中にリトルトゥースってどんだけいてる?」と観客に尋ねると、まあまあの人数が手を挙げた。「いま手を挙げた人以外、申し訳ないけど今日は置いて行きます」と宣言。さらに神谷と下村は「ニセモノ」呼ばわりすると、奇襲攻撃を仕掛けていく。神谷と下村はダブル宇のカウンターエルボーで拳剛を蹴散らすと、脳を使って糖分を欲した下村が拳剛にアンパンかどら焼きを買ってくるように指示。拳剛が買いに行っている感に、下村がオードリーグッズを身につけていないことを指摘すると、神谷は「俺、この間春日と共演したんだよ」と、TBS系の番組で春日と共演したことを自慢。がっくり項垂れた下村だが、リトルトゥースワードエルボー合戦を要求。「茶々」「むつみ荘」「土曜日の夜カスミン」「自分磨き」「エロパソ」など、リトルトゥースにはお馴染みのワードを叫びながらエルボー。そこにアンパンもどら焼きもなかったので月餅を買ってきた拳剛が帰ってくる。岡田マネージャーのエピソードを完全再現。さらに「特急カスュー」のお手製お面を被って、ライオンズファンの春日がベルーナドームで行った始球式を野球チョップで再現。拳剛、神谷が失敗すると、下村が得意の野球チョップを叩き込んでいく。拳剛がトゥースからのドロップキックで下村を蹴散らすが、神谷がラリアットで拳剛を吹っ飛ばす。すると拳剛が「こうなったらあの力を借りるしかねぇか!」と言ってニチレイの冷凍食品を持ち出す。ビッグスポンサーを手にした拳剛は神谷と下村をフライング冷凍食品アタックでなぎ倒すと、「お弁当に……」と若林の決め台詞を叫ぼうとするが、神谷が「俺が言いたい」と阻止。揉み合う2人を下村がなぎ倒し、ニチレイの冷凍食品を手にすると「お弁当にグー!」と高らかに叫んだ。さらに拳剛にスワントーンボムを投下した下村だが、神谷がぶっこ抜いて垂直落下式ブレーンバスター。さらに豪快なチョークスラムで叩き付けて3カウントを奪った。勝った神谷は胸を張って「トゥース」と人さし指を掲げたあと「金曜の夜、カミちゃんです。拳剛、そして下村、オマエらプロレス死んでもやめんじゃねぇぞ! そして今日来ているお客さん、オマエらプロレス見ること死んでもやめんじゃねぇぞ!」とビトたけしばりに言い放った。というね。

第3試合は松本浩代(フリー)&VENY(フリー)vs山下りな(フリー)&櫻井裕子(COLOR’S)。当初は雪妃真矢が出場する予定だったが、ケガのため欠場に。手術を終え、この日も来場して客席で観戦していた雪妃だが、代わりに出場したのは松本。しかも裁くのは和田京平レフェリー。先発はVENYと山下。ショルダータックルで吹っ飛ばした山下だが、跳ね起きしたVENY。握手を求めたVENYに対し、山下が素直に応じるとVENYは目突き。しかし読んでいた山下はその手をキャッチして、逆に目突きをお見舞い。さらに桜井と立て続けにヘアーホイップで投げてからダブルのクローズラインを狙ったが、側転でかわしたVENYはドロップキックで二人まとめて吹っ飛ばす。タッチを受けた松本が桜井をコーナーにセットしてから、ぶっ壊すぞ体当たり。松本とVENYは代わる代わる桜井を痛めつける。桜井も松本に低空ドロップキックを返してなんとかタッチ。山下は串刺しラリアットからボディスラムで松本を叩き付けると、松本の髪の毛をひねり上げるが、松本も山下の髪の毛を鷲づかみ。さらにラリアットの相打ちからエルボーの打ち合いに。一歩も退かない両者だが、山下がラウンドハウスキックからラリアット。松本もバックドロップを返すと、またもラリアットの相打ちに。そこから山下はトラースキック。松本もカウンターのラリアットで吹っ飛ばしてVENYにタッチ。ミサイルキックで山下を吹っ飛ばすと、タッチを受けた桜井が顔面へのフロントキックを連打してからショルダータックルでVENYをなぎ倒す。そこからビッグブーツの打ち合いになると、VENYが張り手。さらにカウンターのトラースキック、バズソーキック、ソバットと畳みかける。しかし助走付きのトラースキックを桜井がかわすと、飛び込んできた山下がラリアット。続けて桜井がファルコンアロー。松本がカットに入るが、桜井と山下がダブルのブレーンバスターで松本を排除。しかしVENYがブファドーラで二人まとめて倒すと、松本がダブルラリアットを叩き込む。さらにVENYが桜井に助走付きのトラースキックからムーンサルト・プレスを投下して3カウントを奪った。 ■ダークマッチ〜第3試合までの写真提供/ユキ(BURST)

第4試合は2024年何かしらランブル。最初に登場したのは井上彪流(BASARA)と「2」(マイティーロッキーズジム)。今年デビューして若干19歳の彪流は、若干怯えながら「2」を見つめる。眉間への地獄トゥきで「2」が彪流を痛めつけていると、3番手の佐野直(フリー)が登場するが、佐野はリングに上がらず客席を徘徊しながらその場でチェキ撮影を1回1000円で実施。4番手の田馬場貴裕(IMPACT)はリングインするなり彪流をヘッドロックに捉えていく。そこに5番手の福士”赤天狗”直也(フリー)が入ってきて、「2」に捕まった田馬場に代わって彪流をヘッドロックに捉える。そこに6番手のマリーハナ(puzzle)が入ってきてダブルハンマーで次々とリング上の選手をなぎ倒していく。しかし「2」はハンマーをブロック。跳ね返したハンマーは彪流に誤爆。そこに7番手の中野貴人(BASARA)が入ってきてドロップキック無双。そして同じBASARAの彪流と「2」に連係攻撃。ここで8番手の岡田剛史(ダブプロレス)が都市伝説スタイルで登場。リングインすると新1000円札を手に都市伝説を語り始める。陰謀と聞いて「え、陰毛?」と言った田馬場に赤天狗がローリングソバットから腕十字。反対の腕をマリーハナが腕十字に捉え、田馬場がギブアップ。さらに赤天狗とマリーハナを周りの選手がカバーして3カウント。一気に3選手が退場になったところで、9番手の阿部史典(格闘探偵団)が登場。「2」に張り手を見舞った阿部は執拗にカバー。必死で返して「2」ポーズをする「2」だが、そこに10番手の松本浩代(フリー)が登場するのだが、そろそろ40歳が見えてきて肌の調子が悪いので試合には出場するが睡眠をするという。そのため入場曲もかすかに聞こえる程度で、とにかくうるさくしてはいけない雰囲気。その中、毛布と枕を持ってリングインした松本は、その場で寝始める。だが、カウントを叩く音がうるさくて機嫌が悪くなる。11番手の宮本裕向(666)はリングインするなり、松本に添い寝してピロートークを始める。カオス状態の中、12番手の土肥こうじ(フリー)はタンクトップにサングラスと完全なるJEEEP仕様。拳を突き上げ、曲のボリュームを上げさせた土肥は「桜島オールナイトライブにようこそ! 今日これだけ集まったんだ、みんなでとんぼ歌おうじゃねぇか!」と言って大音量で『とんぼ』を熱唱。これで松本が激怒しながら起きてきて彪流、岡田、中野を立て続けてにオーバー・ザ・トップロープ(以下OTR)で失格させる。ここでようやく佐野がリングインするが、松本がラリアットで吹っ飛ばしてから逆エビ固めに捉えてギブアップを奪った。これでようやく怒りが収まり再び寝床についた松本だが、土肥が「オイ、美悦子! オマエ何してんだ!」と、愛妻が間男(宮本)と情事の最中と勘違いして(?)詰め寄る。そこにまったく空気が読めない「2」が襲いかかっていくが、土肥がカニ挟みで倒すと「2」は宮本に激突。怒った宮本はラリアット。さらに阿部のサッカーボールキック、土肥の垂直落下式ブレーンバスター、そして松本がロックドロップで投げたところをみんなで抑え込んで3カウント。松本が再び眠りについた中、宮本が静かに阿部をラストライドで投げようとするが、揉み合いながら二人はエプロンに。そこに土肥が突っ込むが、ロープを下げられて土肥もエプロンに。土肥のチョップの音に松本が上体を起こしたが、その間に宮本と阿部が土肥にサンドイッチ・ドロップキック。そのまま3人まとめて場外に転落し、一人残った睡眠中の松本が優勝。男たちが静かに寝ている松本を運び出して退場していった。

セミファイナルは政岡純(フリー)&ガイア・ホックス(フリー)vs高橋幸光(飯伏プロレス研究所)&前口太尊(飯伏プロレス研究所)vs橋之介(TTT)&斉藤拓海(花鳥風月)vs若松大樹(2AW)&関札晧太(大日本プロレス)のジュニアタッグ4wayマッチ。ガイアと橋之介がスピーディーかつトリッキーな攻防を展開すると、そこに入れなかった太尊と若松が丸め込む。そして「誕生日おめでとう」と太尊が高橋にタッチすると、ほかの選手も高橋を祝福……かと思いきや、全員で袋叩きに。なぜかパートナーの太尊もそこに加勢した上、高橋をコーナーに投げて全員でお祝いトレイン攻撃から一斉ドロップキック。手荒い祝福を受けた高橋を橋之介がブレーンバスターで投げようとすると、全員でブレーンバスターの数珠つなぎになり、高橋組が一斉に投げようとしたが、投げたのは若松&関札と政岡&ガイア。F-SWAGが息の合った連係攻撃を繰り出すと、関札&若松もボディプレスとサマーソルトドロップを同時投下。橋之介&拓海がF-SWAGを排除し、関札&若松にドロップキック。入れ替わるように太尊&高橋が入ってきて橋之介&拓海に同時ローリングソバットから同時ランニングミドル。この日が誕生日で張り切っている高橋がハイキックで関札を排除すると、太尊がプランチャ。続いて若松がノータッチトペコン。さらに橋之介が鉄柱越えのノータッチトペコンを発射。関札をリングに戻した拓海が得意のチョップを叩き込むが、関札もロープに飛び乗ってのクロスボディ。そこにガイアが入ってきてジャンピングソバットから変形のスリングブレイド。高橋がローリングソバットでガイアを排除すると、橋之介が高橋にミサイルキック。若松がミサイルキックで橋之介を吹っ飛ばすと、太尊が若松にあごしつれいいたします。太尊をトラースキックで吹っ飛ばした政岡に、拓海がレインメーカー式チョップ。政岡が串刺しドロップキックを返すと、ガイアが逆立ちキックでリングインしようとした若松をカット。さらにガイアを踏み台にした政岡がドロップキックで太尊と高橋をカット。さらにガイアがノータッチトペコンを発射すると、F-SWAGは立て続きにトリッキーな攻撃で拓海を追い込み、最後はガイアがBUTTERFLY EFFECTで叩き付け、拓海から3カウントを奪った。

メインイベント佐藤光留(パンクラスMISSIO)vs飯伏幸太(AEW/飯伏プロレス研究所)。飯伏から対戦を希望する形で実現する格好となったが、難航していたルールは3分無制限ラウンド、奇数ラウンドはフリーダウン&フリーエスケープのハードヒットルール、偶数ラウンドは8オンスグローブ着用のシュートボクシングルールで行うと発表された。午前3時59分にいざ試合が始まると、一気に緊張感が場内を包む中、お互いにフェイントを入れながら牽制のロー。飯伏がタックルからテイクダウンすると、光留の足関節狙いから首を取ってガブる。飯伏が首を抜くと、すぐに立ち上がった光留。飯伏はローから掌底。2Rはお互いにボクシンググローブをはめ、飯伏はキックトランクスも着用。互いにジャブを出していくと、飯伏がミドルキック。見るからに重そうな飯伏の蹴りなこともあり、光留はなかなか懐に入れない。飯伏のパンチからローのコンビネーションを食らい、思わず体勢を崩す光留。強引に前に出ようとするが、飯伏は同じ箇所にロー。左腿にローを何発ももらい、苦痛で表情を歪めた光留だが、クリンチでどうにか耐え抜いた。3R、開始早々飛び付いてグラウンドに引き込んだ光留は、サイドポジションからアキレス腱固めを狙う。だが、飯伏は上体を起こすと馬乗り張り手。光留は奥に潜っていくが、飯伏は腹固めで切り返す。ロープにエスケープした光留に対し、ストンピングを落とす飯伏。寝ている相手への攻撃は反則のため注意された飯伏は謝って光留と握手。再開すると光留はミドル。飯伏も強烈なミドルを返すと、首相撲からヒザ蹴り。光留はどうにかテイクダウンするが、飯伏はハーフガードで凌いだ。セコンドも交えて慎重に両者を離してからSBルールの4R。一気に距離を詰めて飯伏にロープを背負わせた光留だが、飯伏はキャプチュードのような格好で光留をエプロンに出す。レフェリーが注意するが、そのまま揉み合いになると、光留側の川村、飯伏側の太尊と高橋と両陣営のセコンドまで出てきてやり合う。するとボクシンググローブを外して飯伏に投げつけた光留。慌ててそのほかの選手たちも次々に入ってきて両者を分ける。ここでマイクを持った光留が「オイ! 佐藤光留と飯伏幸太を呼んでおいて、このままプロレスやらずに終われるかよ! どうせ途中でルール変えたって文句は全部俺に来るんだ! オイ飯伏幸太! 夜中の4時……ちょうどいいじゃねぇか! 初めて会った頃のエニウェアルールで勝負しようぜ!」と言い出す。そして「この状況を裁けるレフェリー、世界に一人しかいねぇだろうよ!」と言って和田京平レフェリーを呼びに行かせると、エニウェアフォールルールによる時間無制限1本勝負のゴングが鳴る。 履いていたキックトランクを光留の頭に被せていった飯伏だが、そのトランクスを光留が投げつけると、会場のそこらこしこで選手たちが乱闘を始める。光留と飯伏は会場内を乱闘しながら練り歩く。するとなぜかタノムサク鳥羽とDJニラも現れてカオス状態になる中、光留と飯伏は揉み合いながらセコンドや和田レフェリーと共にエレベーターに乗り込んで1階まで下がっていく。何と新宿FACEが入っているヒューマックスパビリオン新宿歌舞伎町の外に出ると、早朝の歌舞伎町、いわゆる“トー横”で路上プロレスを展開。ミドルキックで蹴り倒した飯伏だが、カウントは2。光留はたまたまその様子を見ていた一般の外国人を盾にするが、飯伏はその外国人もろとも丸め込む。カウント2で返すと、光留と飯伏はその外国人を拉致して再びエレベーターに乗り込み、7階の新宿FACEに舞い戻る。1階までついていった観客は数人程度だったので、鳥羽とニラの大乱闘をその間見ていた観客の前に、謎の外国人を連れて光留と飯伏が戻ってきた状態。そこにニラがコーナーに上って背面プランチャ。さらに関札もコーナーに登るが、追いかけていった拓海が場外に雪崩式ブレーンバスター。ここでようやく光留と飯伏だけがリングに戻されると、気迫のこもったエルボーの打ち合いに。「全然痛くありません!」とジャンピングハイを叩き込んだ光留だが、飯伏もカウンターの飛びヒザ蹴りを返すと、そこから盤石のカミゴェをぶち込んで3カウント。

今のコンディションでは飛び技こそ出せなかった飯伏だが、ハードヒットルール、グローブをつけてのショートボクシングルール、そして路上プロレスを含めたハチャメチャなプロレスと、「これぞ飯伏のプロレス」というものを光留相手に存分に見せた飯伏は倒れたまま光留と手と手を取り合った。トー横から拉致ってきた謎の外国人が飯伏に勝利者賞を渡して祝福。光留と飯伏はお互いに座礼をすると、マイクを持った光留が「飯伏さん! 俺、そもそもパンクラスMISSIONに入ってプロレスやるっていうのは、ハードヒットで飯伏さんとやるのが最初の目的だったんですよ。あの試合を俺、忘れないです。たった15分の試合だったけど、パンクラスの道場で鈴木みのるに2時間ダメ出しされたんで。飯伏さんにDDTで勝ってタイトル獲ったときも、みんなは飯伏、飯伏って見てて。そこから俺はどんどんどんどんねじ曲がって……。でも飯伏さんが空へ空へ飛んで行くから、俺、その場でじっとしていなかったよ。地の果てまで、誰も見ていない暗いところまで掘っていったら、まさか飯伏さんと会うと思わなかったよ。今日は本当にありがとう!」と語りかけた。そんな光留に飯伏が頭を下げると、光留は謎の外国人に「オマエは誰なんだ一体。リアルトー横キッズじゃないか。でもキミも俺たちのプロレスだ。この場でフレンズ!」と言って握手。さらに「いろいろ大人の話はあるんだけど、飯伏さん、俺、飯伏さんが佐藤光留とやりたいって言ったら、もちろんどんなときでも何があっても、無人島だろうが実家だろうが絶対用意するから。もし今日出た選手、これから出てきたプロレスラーで“コイツとやったら頭おかしいな”っていう奴がいたら、どんどんリクエストちょうだい! そいつの実家に俺、頭下げに行くから。もしそのとき俺が死んでいたら、世界初! 葬式プロレスは俺の葬式でやってくれ! 俺の身内には言っておくから! 棺桶、絶対に破壊してくれよな!」と仰天リクエスト。飯伏も力強く頷くと、光留は「この時間まで見ていた変態とキ●ガイと頭おかしいやろうども! 飯伏幸太の蠢きが聞きてぇか?」と問いかける。「イブシ」コールの中、マイクを受け取った飯伏は「佐藤さん、佐藤光留さん。今日、僕がなんでここにいるか分かりますか? 分かりますよね?」と尋ねるが、光留は「LINEしててもマジで分からない」と首を振る。すると飯伏は「そう。LINEで…僕が佐藤さんにある人をツテにつないでもらいました。そして今日やっと久々にここの試合が組まれました。僕は少しでも…少しでも! いまプロレスが好きになれない。どうしても好きになれない。その部分を佐藤光留なら引き出してくれると思って、今日お願いしました。そして本当に実現しました。今日は本当にありがとうございます。そして今日来ていただいた皆さんも本当にありがとうございます。佐藤さんの興行なのに、僕がこうやってマイクを持っているのもおかしいと思うので、最後はやっぱり佐藤さんに締めてもらいたいと思います。よろしくお願いします!」と言ってマイクを渡す。最後に光留は全選手を呼び込むと「1年間、追いかけてくれた人も、途中から佐藤光留を知ってくれた人も、今日俺は…こんだけ面倒くせぇ人間がみんなにひと言だけ言うよ! 本当にありがとうな! 俺は死ぬまでプロレスやるって言ったけど、第1回葬式プロレスが決まったいま、死んでもプロレスをやることが決まりました! オマエら死んでても俺の実家に遺影を送れ! オマエらも参加させてやる。遺影、必ず5500円くらい取るからな! タダで興行なんかやるか! 本当にみんな1年間ありがとう。来年いつ興行やるか分からないけど、もし! もし! 楽しいことが知りたいなら、ほかじゃ見られないものが見たいなら佐藤光留の興行を観に来てくれ! もちろん、ほかのプロレスも観に来てくれ! もしかしたらXは全員、安齊勇馬かもしれない! 違っても俺に責任はない! とにかくプロレス観に来てくれてありがとう! 今日は本当にありがとうございました!」と挨拶して締めた。最後までリングに残っていた光留と飯伏は、笑顔でガッチリと握手を交わした。

【試合後コメント】
飯伏 (太尊、高橋、今成と並びながら)我々、飯伏プロレス研究所でこの新宿FACE大会に出ることが出来てすごく嬉しいですね。(会場の)サイズとかみんな気にしているけど、そんなのは全然関係ないんで。もう一人でもファンがいたら、どこにでも僕らは行くので。もうドームから一人まで、どこにでも行きますよ。みんな仲間ですから。

ーー飯伏選手はプロレスが好きなのか分からないとのことでしたが、今日、佐藤光留と対戦してプロレス楽しかったですか?
飯伏 僕個人! ファンはごめんなさい! 置いていったかもしれない。ファンは置いていったかもしれないけど、僕はすごい楽しかった!(研究員拍手)満足度は本当に…個人的に100%。うん。ファンは分からない(苦笑)。ファンは置いていちゃった。でもトー横キッズも連れて帰ったし。
高橋 ファンは置いていったけど、トー横キッズは連れてきた。
今成 バックドロップして最高ですよ!
飯伏 投げられた?
太尊 投げられてましたね。
今成 路上でバックドロップありました。スカッとしました!(笑)アイツ研究所入りっすか?
飯伏 帰り捕まえたら研究所入りなんで。「ちょっと待っておいて」って。アイツ本当に捕まえてきたから。
太尊 楽しみです、僕は。
飯伏 何もヤラセとかなくて、本当にいたから捕まえたっていう。実際(カメラに)証拠残っているし。
ーー2025年、飯伏プロレス研究所は楽しいことが出来そうですか?
飯伏 そうですね。僕はアメリカのほうの活動もあるので、そっちのほうも行きながらプロレス研究所のほうももっともっと活性化していけたらなと思いますね。あと久しぶりにハードヒットルールであったり……うん、難しかった! やっぱり。これだけ格闘家はいるのに(苦笑)。
今成 ストンピングはダメって言われてましたね。
飯伏 ダメなの? 忘れてた。
今成 ストンピング入れてたら怒られましたよね、梅木さんに(笑)。
飯伏 長州さんが乗り移ったんだよ!(研究員爆笑)
高橋 キャリアない俺でもストンピングがダメなの知ってましたよ。
飯伏 あ、ダメだった?
太尊 俺は知らなかったです。またひとつ勉強になりましたね。
飯伏 ダメだったんだ。まあ今のハードヒットは分からない! でも僕が2008年にハードヒットってものをつくったのは確かであって。僕がつくったときはストンピングありだった気がしますね。だからやっちゃった。うん、それだけ。あとはないかな。でもストンピング云々、反則云々関係なしに佐藤光留と触れることが出来て、僕は本当にいま最高ですよ。幸せですよ。また触れることがあったら、次もシングルでやりたいと思います。みんな、ありがとうございました。よし、次は飯伏プロレス研究所・東京ドーム大会やりますので。本当にやれたらやるよ! 本当にやるから! 本当にやる。
【プロデューサーの大会総括】
ーー大会総括を。
光留 週刊プロレスがクソだってことが分かりましたね。はい、それだけです。
ーー飯伏幸太選手と対戦してみていかがだったでしょうか。
光留 もう見たものがすべてです。言葉で補うのは散々やったからいいでしょう。あそこで感じたものが全部だし、それが僕らの本意と違ってもそれがプロレスなんで。
ーー今年12カ月連続興行をやってみていかがでしたか。
光留 死んだ! はい。でもこの佐藤光留興行から生まれた奴がいるし、佐藤光留興行に帰ってこられるってことが分かった人もいるし。もし誰かの何かのためになるんだったら、それが佐藤光留のプロレスだと思うし。それを見に来ない週刊プロレスは改めてクソだなと思いますね。
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