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ニコプロpresentsハードヒット「ハードヒットの逆襲」

ニコプロpresentsハードヒット「ハードヒットの逆襲」

ニコプロpresentsハードヒット「ハードヒットの逆襲」
日時:2024年9月26日(木)
開場:17時30分
開始:18時30分
会場:東京・新木場1stRING
観衆:ジュニアの祭典の9分の1(主催者発表)

第1試合 デッドリフ太郎presents シングルマッチ 3ロストポイント 10分1本勝負
高橋幸光(飯伏プロレス研究所)
3分11秒 TKO(全ロストポイント消失)
SUSHI(フリー)
第2試合 RYSKパートナーズpresents タッグマッチ 5ロストポイント 15分1本勝負
  和田拓也(フリー)
山本裕次郎(フリー)
11分10秒 クルックヘッドシザース
  田馬場貴裕(IMPACT)
サンダー・サマーズ(フリー)
第3試合 松本幼稚園presents シングルマッチ 3ロストポイント 10分1本勝負
DJ.taiki(KKA)
5分14秒 TKO(全ロストポイント消失)
塚本竜馬(フリー)
第4試合 デッドリフ太郎presents シングルマッチ 3ロストポイント 10分1本勝負
門馬秀貴(Brightness)
6分20秒 三角絞め
前口太尊(飯伏プロレス研究所)
第5試合 RYSKパートナーズpresents シングルマッチ 3ロストポイント 10分1本勝負
田村男児(全日本プロレス)
10分00秒 TKO(時間切れ→残りポイント2-1)
小林ゆたか(夕月堂本舗)
セミファイナル 新太平洋運輸株式会社presents グラップリングルール(ロストポイントなし) 15分1本勝負
佐藤光留(パンクラスMISSION)
15分00秒 時間切れ引き分け
藤田晃生(新日本プロレス)
メインイベント 松本幼稚園presents シングルマッチ 5ロストポイント 15分1本勝負
川村亮(マイティーロッキーズジム)
11分34秒 KO(ソバット→10カウント)
渡辺壮馬(GLEAT)

まずは大会プロデューサーの佐藤光留が「本日は沢山のご来場、誠にありがとうございます。年間12興行という目標を掲げて、ついに9月までやってまいりました。さあ今月何をしようと考えたところ、ハードヒットの本戦を今年まだ1回もやっていないことに気付きまして。これはよくないと思って組もうと思ったのですが……どういうカードがいいかっていうのが、毎回放っておいても出てきたんですけど、何を考えても最初はまったく出てきませんでした。そういう状況の中で果たして興行を組んで、ハードヒットというものを見せていいのか……これはまた9月もノーコンプライアンスプロレスやって、みんなで全裸になって、そろそろ王子を出禁になったほうがいいんじゃないかと本当にちょっと考えたんですけど、現状の…いわゆるU系といわれるものの興行であったり、試合を日本で見るにつけ、これはこのままじゃいけないというものがひとつ出てきました。まあいつまで言ってるんだって話ではあるんですけど、某なんとかUWFに於いて1vs3という試合が組まれまして。もう鈴木秀樹と毎晩のLINEが止まらなかったんですけど。一度それからUWFというものを、もう一度洗い直しまして。そして自分の興行、自分のプロレスも改めて見つめ直したところ、どんどんどんどん“怒り”が沸いてきまして。最近出来るだけ怒らないようにしていたんですけど、小さなことがイライラするようになりまして。これはもう海外のインディーやメジャーを見ていると、キックも使わないのにレガースをつけている人だったりとか、昔のUWFを見て佐山先生と藤原さんの試合を見たときに、藤原さんがどんな攻撃も本当に信じられないスピードの関節技で佐山先生を追い詰めているのを見て、もしや自分の関節技や、ほかの選手がやっている格闘技から流れてきた技もファッションとして見過ごしていないかな? 見て見ぬフリをしているんじゃないのかなというのをすごく感じて、それにまたイライラして。これはもうハードヒット本戦で、格闘技としてのプロレスというのはこういうものだ! これがUWFなんだ! というものをうち出さなければいけない。そういう怒りが沸いてきたので、今回の興行開催に至りました。大会名をハードヒットの逆襲にしたのは、たまたま8月の川崎が変態の逆襲だったからっていうのは否定しないんですけど、それでもいつの間にか慣れてきて、そこにあるものが当然だと思うと、やはり足をすくわれるので。怒りだったり、納得いかないものに逆襲するパワーということで、プロレスというものを行っていこうと思ったのがこの大会のコンセプトです。だからというわけではありませんが、いつかシングルでやれたらなと思っていた新日本の藤田晃生選手を招聘しました。いろんなところで言っているのですが、僕はどこかの団体に所属して、押しも押されぬジュニアのエースというわけではありません。「いつかシングルでやろうね」なんて言っていたら、やらないまま死んでしまいます。ただひとつだけやる方法は自分で興行して、試合を組んで、今日このリングに呼んでくることでした。ほかの選手もプロレス界的に割とギリギリの選手もいます。格闘技からプロレスに来て活動の幅を広げて、ここから旅だっていこう、羽ばたいていこうって選手も沢山います。そういう選手一人一人の神経を逆なでするように、今日もネジ巻きまくっていますので、ぜひ第1試合から彼らの本気の逆襲を目に焼き付けて楽しんでいただければと思います。なお、今大会は第1試合から第5試合までがロストポイントのある通常のルールですが、セミファイナルの自分と藤田選手の試合はロストポイントがありません。フリーエスケープです。メインはロストポイントがあります。……これは佐藤光留から挑戦状です! ロストポイントが表示されなくても、お客さんの前でエスケープすれば、その数は数えられますので。僕は絶対にギブアップはもちろん、エスケープもしません! ダウンもしません。これはもうこのオープニングの挨拶で、挑戦状として置いていきます。もしかしたら20秒で試合が終わるかもしれません。もしかしたら全試合ダラダラするかもしれません。それは正直、やってみないと分からないです。ですが、そのときは正直にSNSでも帰りの飲み会でも…ちょっといま会場で解説おじさんをすると、SNSで叩かれますので、会場では静かに見ていただいて。いろんなところで評価していただければと思います。その評価を受けることも逆襲の大切な一部分だと思っていますので。我々も本気ですので、見ている皆さんも本気でハードヒット、格闘技としてのプロレス、そして現在進行形のUを見ていただけたらと思います。今日も精一杯頑張りますので、熱い応援よろしくお願いします!」と挨拶。

第1試合は高橋幸光(飯伏プロレス研究所)vsSUSHI(フリー)。開始のゴングと同時にダッシュして間合いを詰めたSUSHIだが、高橋はすぐに距離を取って牽制のミドルキック。キャッチしたSUSHIはテイクダウン。しかしガードポジションでSUSHIにパスガードさせない高橋。どうにかサイドにパスしたSUSHIだが、うまく攻め込めないでいると高橋が隙を突いて立ち上がる。前蹴りからのミドルを叩き込んだ高橋に対し、SUSHIはムッとしたように掌底を出すが、スウェーでかわした高橋は逆に掌底からミドルのコンビネーション。SUSHIも掌底で前に出るが、組み付いた高橋はガブってから後方回転すると、マウントを取って腕十字へ。SUSHIはロープスケープして残り2ポイントに。腕十字を極めたSUSHIの右腕にミドルを連打した高橋だが、SUSHIは咆哮から前進。しかし左右の前蹴りでコーナー際までSUSHIを追い詰めた高橋は、左ハイキックでダウンを奪う。残り1ポイントとなったSUSHIが立ち上がったところに、高橋の飛びヒザがグサリと刺さってSUSHIはダウン。これでSUSHIの全ポイントが消失して高橋が勝利。

第2試合は和田拓也(フリー)&山本裕次郎(フリー)vs田馬場貴裕(IMPACT)&サンダー・サマーズ(フリー)。入場時に着ていた胴着の背中に書かれたAAforeverのAAの部分に、×のシールを貼って某××STYLEばりに入場してきた和田。いきなり距離を詰めてコーナーに押し込んでいった田馬場だが、体勢を入れ替えた和田はテイクダウンさせると、コーナー下に座り込んだ田馬場を踏みつけながら、ロープに横たわるというどこかで見たことのあるシャッターチャンスポーズ。ロープを掴んでいたため、梅木レフェリーはエスケープと判定して和田組は残り4ポイントに。両軍タッチして山本vsサマーズに。身体の大きさで勝るサマーズが圧をかけていくが、山本はフットワークを活かしてバックに回り込む。アームロックで切り返そうとしたサマーズだが、山本は強烈なローキック。どうにかテイクダウンを奪ったサマーズは、テキサス・クローバー・ホールドを狙う。ステップオーバーした瞬間に、山本はエスケープして残り3ポイント。サマーズは山本の腕を取って巻き投げでテイクダウン。しかし山本はその体勢のまま和田にタッチ。圧をかけていくサマーズだが、組み付いて押し倒した和田はグラウンドコントロールしていくが、サマーズも必死に防御。ここで山本にタッチすると、猪木−アリ状態からサマーズの腕を取りにいく。どうにかスイープして上になったサマーズは田馬場にタッチ。組み付いた田馬場は払い腰で投げると袈裟固め。防御した山本は自軍の押し込んでいって和田にタッチ。テイクダウンを奪った和田だが、田馬場もうまくバックに回り込むと強引にジャーマンで投げる。しかし体勢が崩れ、ダメージを最小限に防いだ和田はタッチ。ミドル2連発から田馬場をコーナーに押し込んだ山本はフェイスロックを狙う。極められる前に脱出した田馬場だが、山本はタッチ。カニ挟みからヒザ十字を極めた和田。田馬場は悲鳴をあげながらエスケープ。田馬場組は残り4ポイント。ガブってフロントネックロックを狙った和田だが、抱え上げた田馬場はボディスラムで投げつける。しかし和田はすぐにタッチ。田馬場に左足にローキックを連打してダウンを奪った山本。これで田馬場組は残り3ポイント。田馬場は山本を自軍のコーナーに押し込んでタッチ。首相撲からヒザ蹴りを連打したサマーズは、ハーフハッチスープレックスで投げると、ネッククラッチで絞め上げる。山本はエスケープして残り2ポイントに。バックを取った山本は裏投げのような形でサマーズを投げると肩固めへ。そこから電光石火のクルックヘッドシザースを極めて、サマーズからギブアップを奪った。

第3試合はDJ.taiki(KKA)vs塚本竜馬(フリー)。DJは声優・田村ゆかりさんのピンクの半被、ハチマキ、サイリウム姿で登場して踊ってから入場。これがプロレスデビュー戦となるDJだが、まずは牽制のロー。塚本もタックルに行くフェイントをしながら様子を伺う。塚本がついにタックルにいくが、DJはなかなか倒れない。離れたDJは旋風脚のようなスピンキックを出して行くが、これはクリーンヒットせず。塚本がなかなか懐に飛び込めずにいると、DJがミドルキック。敢えて胸を突き出して挑発した塚本だが、DJはミドルキックを連打。しかしキャッチした塚本は一気に抱え上げるとボディスラムで叩き付ける。そこから逆エビ固めに捉えた塚本だが、腕立てで堪えたDJ。リング中央に引き戻した塚本だが、DJは何とかロープに逃れる。これでDJは残り2ポイント。掌底を出す塚本だが、どうもしっくりこないようでベイダーハンマーにスイッチ。しかしDJはがら空きになった塚本のボディにヒザを突き刺す。さらに首相撲からヒザを連打。ボディブローも織り交ぜてラッシュするが、塚本もベイダーハンマーで応戦。しかしDJのヒザ蹴りが塚本の顔面に届き、塚本はダウン。カウント9で立ち上がった塚本だが、残り2ポイント。またも旋風脚を出したDJ。今度はクリーンヒットして倒れた塚本だが、DJは間髪入れず覆い被さって掌底を連打。カメになって凌いだ塚本は立ち上げると、ベイダーハンマーでラッシュ。しかしかいくぐったDJは左ハイキック。これで塚本はダウンし、残り1ポイントに。フラつきながらも立ち上がった塚本だったが、DJは左右のミドル、ストレート掌底からローリングハイキック。これがクリーンヒットして塚本が3度目のダウンをし、全ポイントを消失。DJはプロレスデビュー戦を勝利で飾った。

【試合後コメント】
 ーープロレスデビュー戦でしたが。
DJ いや〜、難しいっすね。難しくて、ちょっと落ち込んでます(苦笑)。自分の思ったことが出来ない。プロレスはプロレスの練習をしなきゃなっていう……ただ周りにプロレスラーがいないっていう。
ーーまたハードヒットに上がりたい気持ちは?
DJ いや、リベンジしたいですよね。こんなんじゃないっていう……いや、俺は本当はもっと強いんだよ! って。もっと強いんだよって言いたいですよね。
 

第4試合は門馬秀貴(Brightness)vs前口太尊(飯伏プロレス研究所)。開始のゴングが鳴っても両者すぐには動かず、独特な緊張感が漂う。ジリジリと距離が詰まっていくと、門馬が掌底を出すと同時に胴タックルでテイクダウンを奪う。サイドにパスした門馬はマウントポジションに。一気に腕十字を極めていくが、太尊はエスケープして残り2ポイントに。門馬が前に出たところにミドルを合わせた太尊。さらにキレのあるローを入れた太尊は打撃のコンビネーションで前に出る。門馬もガードを上げながら突進するが、太尊は懐には入らせない。なおもコンビネーションで前に出る太尊。ローをモロに食らってやや顔を歪ませた門馬。身長差があることもあり、太尊のハイキックはなかなか門馬の顔面を捉えることが出来ない。しかし掌底からミドルかローで終わるコンビネーションは何回もヒット。組み付いた門馬はようやくテイクダウンを奪うと、マウント掌底から胴絞めスリーパーへ。ギリギリまで耐えた太尊だが、エスケープを選択して残り1ポイントに。後がない太尊は掌底からロー。門馬の腰がガクッと落ちると、太尊はコーナーまで追い込んでローキックでラッシュ。ついに門馬がダウンして、残り2ポイントに。立ち上がった門馬に飛びヒザで襲いかかった太尊は、再び門馬にコーナーを背負わせると、ボディへのパンチ連打とローでラッシュ。門馬は立て続けにダウンし、残り1ポイントに。門馬も後がなくなり、太尊は一気に掌底でラッシュ。しかしガードを固めてどうにか耐えた門馬は、打ち終わりを狙って飛び付き、グラウンドに引き込むとサイドにパス。そこから三角絞めに捉えると、太尊は無念のタップ。大逆転勝利目前だった太尊だが、門馬が鮮やかな一本勝ちを決めた。勝った門馬は太尊の腕を掲げて健闘を称えた。

第5試合は田村男児(全日本プロレス)vs小林ゆたか(夕月堂本舗)。握手をしてから試合開始。脇を差していった男児だが、コーナーに押し込まれそうになった小林は素早く体勢を入れ替えてタックル。しかし男児もこれは切る。男児のタックルに合わせてローを出した小林だが、男児は構わずタックルでテイクダウン。サイドへのパスからガブろうとした男児だが、小林はうまく切り返して逆にガブっていく。男児もしつこく片足タックルでテイクダウンさせるが、小林もガブっていきた男児の足にしがみつく。だが、男児はパワーで小林をぶっこ抜き、彰人で投げてダウンを奪う。男児がキレのあるタックルを仕掛けていくが、小林は回りながら腰を落とし、男児の足に絡みつく。だが、男児もテイクダウンは許さない。首相撲からグラウンドに引き込んだ小林は腕十字の体勢に。クラッチした男児だが、うまく小林がクラッチを切ると男児はエスケープ。これで残りロストポイントは2−2に。腕十字で伸ばした男児の右腕にミドルキックを打っていった小林だが、キャッチした男児はリフトしてマットに叩き付ける。しかし小林は回転しながらガブっていく。バックに回った男児だが、小林はアームロックの体勢のままグラウンドに。だが、バックを取ったままの男児は投げようとする。必死に防御した小林は片足タックル。切った男児は上から覆い被さるが、小林は下から三角絞め。パワーで持ち上げてバスターで叩き付けた男児は、そこから逆エビ固めへ。苦しそうな小林だが、どうにかエスケープ。残り1ポイントとなった小林は組み付こうとしたり、タックルを狙おうとするが、男児が両手で押しのけて防御。右腕へのミドルの連打で男児を追い詰めた小林は、フロントネックロックへ。しかし男児は脇腹に掌底を入れながら首を抜く。どうにか立ち上がった小林は掌底とヒザのコンビネーションから、組み付いていって腕十字を狙う。キャプチャードアームバーの体勢になるが、男児もクラッチして腕を伸ばさせない。残り10秒でクラッチが切れたが、ここで時間切れのゴング。残りロストポイントが2−1だったため、辛くも男児が勝利。

セミファイナルは グラップリングルール(ロストポイントなし) による佐藤光留(パンクラスMISSION)vs藤田晃生(新日本プロレス)。光留はレガースのないロングスパッツ、藤田は素足にバトルトランクス姿。握手を求めた光留だが、藤田はその手を払いのける。緊張感のある間合いからジワジワと組んでいった両者だが、藤田が先にタックルを仕掛けてテイクダウン。しかし光留も倒れると同時にフロントネックロックに捉える。サイドにパスしながら首を抜いた藤田だが、光留もハーフガードで防御。下に潜った光留の頭を手で押さえつけた藤田はバックマウントを取って、胴絞めスリーパーを狙う。どうにかして極めたい藤田だが、光留も極めさせない。身体を反転させて上になった光留は、アキレス腱固めへ。悲鳴をあげて藤田はエスケープ。先手を取ったのは光留。脇を差してコーナーに押し込んだ光留はテイクダウン。サイドにパスしようとした光留だが、ハーフガードの状態から身体をくっつけてスイープした藤田が上になる。ハーフガードの光留に対し、足を抜いた藤田はサイドにパス。そこから一気に腕十字を狙った藤田だが、光留もクラッチで凌ぐと、逆に回転しながら足関節を狙う。しかし藤田は足を抜いて、一旦離れるとすぐに覆い被さってマウントを取る。バックマウントに移行すると、胴絞めスリーパーへ。これもなかなか極めさせない光留に対し、藤田は電光石火の腕十字を狙ったが、うまく防御した光留は逆にアキレス腱固め。藤田もこれは極めさせず、もう一度覆い被さっていく。10分が経過し、バックマウントを取った藤田はジワジワとスリーパーを狙う。だが、またも身体をひねって上になった光留はアンクルホールドを狙う。防御する藤田だが、光留はしつこく絡みつきヒザ十字を極める。これも悲鳴をあげながら藤田はエスケープ。フリーエスケープルールだが、すでに藤田は2度エスケープし、光留はオープニングでの宣言通り1回もエスケープしていない。残り3分となり、光留のタックルを切った藤田はバックマウントを取る。絡みつきながら、ついに胴絞めスリーパーを極めた藤田。首に腕を回された光留は、ついにロープに手を伸ばすが、なかなかロープを握らない。ロープから遠ざけようとした藤田だが、粘りに粘った光留も残り1分を切ったところでついにエスケープ。一矢報いた藤田は、一気にテイクダウンすると、バックを取ってローリング。そのまま肩固めに捉えたが、時間切れのゴング。 15分時間切れに終わると、両者は大の字に倒れたまま、なかなか起き上がれない。ようやく立ち上がったところで近づいていった藤田が人さし指を立てて「もう1回」をアピールすると、光留は2本の指を立てる。それを見た藤田が3本なら、光留は3本3本、両手で6本の指を立てる。自分の両手を見つめた藤田が右手だけ差し出すと、光留もその手を握ってガッチリと握手を交わしてリングを降りた。

【試合後コメント】
藤田 光留さん、光留さん、大好きだ! 俺はあんたが大好きだ。このハードヒットで声かけてもらって、俺と光留さんにしか出来ないことを…今回だけじゃない。またいつか! いつか必ずやりたいと思っている。これで終わりじゃなくて、またいつか。ぜひぜひお願いします! いつでもあなたと組む準備もしてますし、あなたと対角に立ってやる準備もしています。大好きです、光留さん! ありがとうございました。

メインイベントは川村亮(マイティーロッキーズジム)vs渡辺壮馬(GLEAT)。握手を交わしてから開始のゴングが鳴ったと同時に、ノーガードでズンズン近づいていった川村はいきなりアッパー掌底。これはかわした壮馬だが、川村はなおもノーガードでプレッシャーをかけていく。川村の圧に対し、掌底やボディブローを出していく壮馬だが、川村は頭を振りながら退くことなく圧をかけ続ける。至近距離で両手を広げて威圧する川村だが、壮馬は構わず顔面に掌底を叩き込む。壮馬も怯むことなく掌底、ローと出して行くが、川村は突然ズンズン歩いて距離を詰めると組み付き、鯖折りでテイクダウン。壮馬をリング中央まで引きずってくると、パウンド掌底を打ち降ろす。身体を密着させた壮馬を、立ち上がってコーナーに押し込んでいった川村は、そこからスタンディングの肩固めへ。コーナーを背負って脱出できない壮馬はエスケープ。なおもプレッシャーをかけていく川村だが、壮馬は掌底とロー。構わず前に出る川村に組み付くが、川村はまたもコーナーに押し込んでいく。足を取ってテイクダウンを狙う川村だが、壮馬は顔面を張っていく。しかし抱えた足を降ろしながらグラウンドに引きずり込んだ川村は、ボディブローを打ち降ろす。グラウンドで打ち降ろすスーパーマンパンチを狙った川村だが、壮馬は川村がジャンプした瞬間に立ち上がって脱出。ニヤリと笑った壮馬は掌底を伸ばしていくが、川村の顔面には届かない。逆に下から突き上げるようなフック気味の掌底を叩き込んでいった川村。これで壮馬が後退し、コーナーを背負ってしまう。そのまま崩れ落ちた壮馬。ダウンし、残りポイントは3。首相撲でコーナーに押し込んだ川村はヒザ蹴りを入れていくが、壮馬も腕で防御。一旦離れた川村がコーナーを背負うと、壮馬は意表を突いたその場跳びドロップキック。高さは充分だったが、川村には当たらず。打ち終わりを狙って川村が一気に掌底を打ち降ろしていく。上になった川村はニーオンザベリーの状態から壮馬の口を手で塞いでいくが、壮馬も必死に防御。逆に先に中腰になった壮馬は立ち上がろうとする川村の顔面に掌底を連打。組み付いていった川村は、またも壮馬をコーナーに押し込むとリバーブローから、壮馬の右足を股に挟んで固定した状態で掌底とボディブロー。コーナーから脱出できない壮馬に対し、川村は至近距離からの掌底で仕留めにかかる。だが、壮馬が左フック気味の掌底を返すと、前に出る。後退しながらもスウェーでかわす川村は、なおも前に出る壮馬に狙い澄ましたカウンターの掌底。だが、壮馬は構わず左右の掌底でラッシュ。さらにバックブロー気味の掌底まで出すが、川村のお構いなしに掌底を返す。さらにローで壮馬をグラつかせた川村は、ガードの上からハイキック。大きく吹っ飛んだ壮馬だが、何と手招きして挑発していく。川村がムッとした表情で張り手を叩き込むが、左右の掌底を連打した壮馬は右ハイキック一閃。歯を食いしばって耐えた川村にオーバーハンドの掌底を叩き込んだ壮馬だが、川村が右フック気味の掌底をカウンターで返すと、壮馬はダウン。カウント9でどうにか立ち上がった壮馬だが、残り2ポイント。勝負所だと判断した川村は壮馬をコーナーに追い詰めて掌底。ガードを固めて耐える壮馬は、川村を突き飛ばして距離を作ると、ソバットを川村のボディに突き刺す。続くハイキックは空振りとなったが、腹を押さえて顔を歪めた川村は壮馬に背を向けると、座り込むようにダウン。悶絶した川村は10カウント以内に立ち上がることが出来ず、壮馬が大逆転KO勝ち。
単身GLEAT(LIDET UWF)からハードヒットに乗り込んできたて、ついにハードヒットのメインで光留と並ぶ実力者の川村と対戦することになった壮馬が、劇的な逆転KO勝ちを収めるという結果に。太尊らの肩を借りて退場していく川村に座礼をした壮馬。ハードヒットファンからも外敵というよりは、すっかり“ハードヒットの一員”として認められている壮馬だけに、沢山の拍手で祝福された。

【試合後コメント】
壮馬 まず最後、一発だけだったかもしれないけど、あの川村選手から俺が勝ちました。格闘技経験が何もない俺がGLEATに入って、初めてLIDET UWFというものを始めて、光留さんが目をかけてくれたのかは分からないけど、ハードヒットに呼んでくれて、初めは光留さんにボコボコにされて。でもそこから自分の中で何か得るものがあって、ハードヒットにしかない試合があって、やっぱり俺はここでいろんなものを経験したいと思って、また出たいって光留さんに言ったらこうやって何回も何回も呼んでもらえるようになって。やっと結果がついてきました。でも俺、光留さんに2連敗しているんで。必ずやり返したいんで。ハードヒットでまた組んでください。そのときは俺が必ずやり返して勝ちます! ありがとうございました。
【プロデューサーの大会総括】
ーー大会総括を。
光留 疲れました。もうやりたくないです(苦笑)。
ーー久しぶりのハードヒット本興行ということで、改めてここでしか見られない緊張感のある試合を見られたような気がします。
光留 いやぁ、だから試合のスタイルもそうだったんですけど、主催しててもこんなに疲れるっけって。面白い試合組むっていうのはもちろんなんです! けど、それをどうなるだろうって見ながら、自分の試合のウォーミングアップをして、新日本プロレスを迎え撃つってこんなシンドイかなって思いましたね。
ーー今日、初参戦しった新日本プロレスの藤田選手。対戦してみていかがでしたか。
光留 若い。けど、それは年齢的な若さですね。彼の奥底にある「お前らの好きになんかなってたまるか」っていうのは、僕が思ってたよりも強いですね。
ーーオープニングで「エスケープもギブアップもしない」と言ってましたが、結果的にエスケープは1回奪われましたね。
光留 言わないでください。主催者追い詰めちゃダメっすよ。さっきも差し入れもらって水飲んだんですけど、喉が痛いんですよ。ガッチリ喉に入ったんで。ヴッて思ったんで。いまだにちょっとシンドイです。ツバ飲めない。
ーーメインでは渡辺壮馬選手が川村選手に勝ち、DJ.taiki選手が初参戦だったり、ハードヒットの風景が少しずつ変わりつつあるのかなと。
光留 んーー、そうですね。ハードヒットって佐藤光留興行の中心だったはずなんですけど、みんな結構器用にプロレスとかも出来ちゃうんですよ。で、出来るってすごい良いことだと思うんですけど、それと理念だったりとか、みんな一緒に手足を縛れるっていうのは、また別のことだと思っているので。だからハードヒットの本興行はもうちょっとやりたいなって思いましたね。実家でプロレスなんかやってる場合じゃない、実家ハードヒットだな。
ーーまだ12月の興行がどうなるかは分かりませんが、次回のハードヒットは来年になるかもしれませんが。
光留 そうですね。でもハードヒットルールっていうものは組みたいと思います。ひとつはTAKAYAMANIAを9月にやったときに、プロレスラーであそこに出てた人はもちろんなんですけど、格闘技界から「自分たちも何かのチカラになりたい」って言う人がすごく多かったんですよ。僕のところに連絡が来て。かといってTAKAYAMANIAって興行なんで、出たいっていう人や協力したいって言った人が、全員が全員出られるわけではないので。TAKAYAMANIAっていう名前は謳えなくても、例えば僕が今日は試合を呼んで、出てもらって、例えばTAKAYAMANIAの売店出して、そこでグッズ買ってもらって協力してもらってっていう人がいても成し得ると思うんですよ。それはたぶんハードヒットしか出来ないと思うんですよ! ナントカUWFには出来ないと思うし、ほかの興行でも出来ないと思うんですよ。別に肌を合わせたから偉いってわけじゃないですけど、実際髙山さんとずっと一緒にやってきたメンツがハードヒットにはいるんで。だからそういう意味では、ちょっとそういうのも視野に入れて。それは別に興行じゃなくても、ワンマッチだけ組んでっていうもアリだと思うので。本当は今日もシュレックとか僕の柔術の先生を呼びたかったんですけど、シュレックは後楽園にいるし、柔術の先生は柔術の世界大会に出ているので(苦笑)。そんな日にぶつかるかねと思って……。トマト興行じゃなくてよかったですよ。そういうのがあって、ハードヒットって興行じゃなくても出来るので。この…この何か胃をわしづかみにされて、針でチクチク刺されてやるような緊張感がないとダメだなっていうのは思いましたね。今日出てくれた選手はそれをすごく追い求めてくれていましたね。もちろん、点数はあるかもしれないけど。良く出来た、そうじゃなかった、負けたっていうのはもちろんあると思うんですけど、追い求めてくれている人が揃っている!
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