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ニコプロpresentsハードヒットCHALLENGE3

ニコプロpresentsハードヒットCHALLENGE3

ニコプロpresentsハードヒットCHALLENGE3
日時:2023年2月24日(金)
開場:18時30分
開始:19時00分
会場:東京・王子ベースメントモンスター
観衆:3万いくつ(主催者発表)

第1試合 合同会社RYSKパートナーズpresents年間契約争奪1dayトーナメント1回戦 5分1R(延長3分)ロストポイント無しマスト判定
小林ゆたか(夕月堂本舗)
延長 判定
KURO-OBI(トライフォース柔術アカデミー)
第2試合 合同会社RYSKパートナーズpresents年間契約争奪1dayトーナメント1回戦 5分1R(延長3分)ロストポイント無しマスト判定
服部健太(フリー)
3分19秒 V1アームロック
田馬場貴裕(IMPACT)
第3試合 3ロストポイント制 10分1本勝負
井上凌(全日本プロレス)
10分00秒 時間切れ引き分け(残りポイント1-1)
山本裕次郎(フリー)
第4試合 合同会社RYSKパートナーズpresents年間契約争奪1dayトーナメント決勝戦 3ロストポイント制 10分1本勝負(マスト判定)
小林ゆたか(夕月堂本舗)
4分46秒 TKO(全ロストポイント消失)
田馬場貴裕(IMPACT)
※小林ゆたかが合同会社RYSKパートナーズpresents年間契約争奪1dayトーナメント優勝。
セミファイナル 就活と婚活頑張るゾpresents3ロストポイント制 10分1本勝負
佐藤光留(パンクラスMISSION)
5分6秒 TKO(全ロストポイント消失)
十文字アキラ(JUST TAP OUT)
メインイベント 松本幼稚園presents3ロストポイント制 10分1本勝負
川村亮(パンクラスイズム横浜)
10分00秒 時間切れ引き分け(残りポイント1-1)
前口太尊(飯伏プロレス研究所)

まず最初に大会プロデューサーの佐藤光留が登場。「いろんな不手際がありまして、開場並びに試合開始が多少遅れたことをお詫び申し上げます。大変申し訳ありませんでした」と、この日の昼間千葉でJEEEP第三章を開催してから王子に移動だったのだが、渋滞のため到着が遅くなったことをお詫び。
続いて「何とかいま全選手が控室に着きまして、説明などをしてますが、そもそもこの大会の趣旨というのがハードヒットを長年やってきたのですが、段々取材に来るマスコミも減り、いまでは冠がついたニコプロだけが来るという状態です。ですが、昨年LIDET UWFというところが『自分たちがUWFのプロレスをやるまでは、ここ10年ありませんでした』と、田村潔司という人が言って。それに異議を唱えたらずいぶんと我々も半ば取り込まれそうになるという事態が起きましたが、それでもやっぱり長年やってきたのでここはひとつ踏ん張りどころだと思ったのですが、選手も……(ハードヒットの外に)旅立っていった選手も沢山いるのですが、止まる選手も増えてきました。全然大丈夫なんですけど、常に緊張感があるのでリング上だけでなく、リングに上がるまでも緊張感を持ってもらおうということで大きな入れ替えを機に、またレベルアップをしていこうというところで新戦力を求めてハードヒットCHALLENGEを開催したところ、本当に新しい選手からの応募が1通も来ませんでした。まあこれは本当に悲しいことなんですけど、ほかにも悲しいことの連続でハードヒットは生きてきました。僕体制になって1回目は川村に失神するまで殴られたりですとか、出る選手が何日か前に亡くなったりとか、いろんな出来事があったんですけど、ひとつの大きな絶対ブレない目標というので“続ける”というのがありまして。それを何とか継続して出来ている時点で、まあ勝ってもないけど、まだ負けていないかなと。それこそCHALLENGE出来る状態で生き残っているかなという状態です。応募はなかったんですけど、今日出てくれた選手はいらない選手かと言ったら、そんなことはないです! ずっとハードヒットを支えてくれた選手……本当にこの会場だから言えるんですけど、安い○ャラ、強い○ワハラ、痛い思いしてもなかなか外に出る機会のない興行で、一生懸命頑張ってくれる選手です。なので、信用はしています! ただ、やはりいい内容を残して、勝って行かないと生き残れないというものは、これはもうプロレスだけでなくすべての常ですので。少しでも自分を進化して、冒険して、危険を冒して、本日の勝っていただければハードヒットも潤うということで、選手の皆さんには来るなりハッパをかけておきました」と挨拶すると、合同会社RYSKパートナーズpresents年間契約争奪1dayトーナメントの公開組み合わせ抽選会を行うことに。「優勝者にはこの1年間、ハードヒットの興行にはすべて声をかけます。そうじゃない選手は必要じゃなかったら声はかけないです。だから本当に結構生き残りなんですが、やっぱり勝利って絶対手に入るもの、待っててくるものって、勝っても段々興奮が薄れますので。せっかくなら本当にいまここで抽選会をやって、組み合わせを決めて、10分後くらいに試合をやると」と言ってから、出場4選手を読み込む。そして選手が抽選を行った結果、1回戦第1試合が小林ゆたかvsKURO-OBI、第2試合が服部健太vs田馬場貴裕に決定した。なお、この日は声優としても活躍する望月彩さんがリングアナを務めた。

第1試合は合同会社RYSKパートナーズpresents年間契約争奪1dayトーナメント1回戦、小林ゆたか(夕月堂本舗)vsKURO-OBI(トライフォース柔術アカデミー)。レフェリーは佐藤光留。小林はプレッシャーをかけてKURO-OBIをロープ際に追い詰めると、組み付いていってテイクダウン。サイズにパスしようとする小林だが、KURO-OBIはなかなか許さずスタンドに。下から潜り込もうとしたKURO-OBIだが、ガブって潰した小林。アンクルホールドを仕掛けていった小林だが、KURO-OBIもアンクルホールドで応戦。かなり極まっていたが、KURO-OBIが素足のため完全には極められず。残り 1分で自ら立ち上がった小林は、KURO-OBIのタックルを切るとバックマウントから腕十字を狙う。腕が伸びたが、KURO-OBIはうまくポイントをズラして回避。ここで時間切れ。3分間の延長へ。したから潜り込もうとするKURO-OBIを潰した小林だが、KURO-OBIの防御が堅い。ガードポジションのKURO-OBIをどうにか切り崩そうと、いろいろ仕掛ける小林。残り30秒でマウントポジションを取り、腕十字から足関節を狙おうとしたところで時間切れ。レフェリーによる判定の結果、小林が勝利して決勝進出を決めた。

第2試合は合同会社RYSKパートナーズpresents年間契約争奪1dayトーナメント1回戦、服部健太(フリー)vs田馬場貴裕(IMPACT)。低いタックルを仕掛けていった服部だが、ガブった田馬場。一旦離れると、服部は再び低いタックル。執拗にタックルを狙っていくが、潰して上になった田馬場は残り3分でマウントを取る。掌底を入れていき、服部がカメになると、なおも掌底を入れながら上から圧をかけ、そこから一気にV1アームロックに捉えてタップを奪った。この結果、田馬場が決勝進出。

第3試合は井上凌(全日本プロレス)vs山本裕次郎(フリー)。山本がミドルを出せば、井上もすぐにミドルで応戦。バックを取った井上だが、山本はアームロックの体勢からグラウンドに引き込む。しかし、うまく上になった井上は掌底を顔面に入れながらアームロックを狙う。スイープした山本はニーオンザベリー。井上がうつ伏せになると、すぐさまバックマウントを取った山本は、どうにか立ち上がろうとする井上の足を刈ってテイクダウン。ニーオンザベリーから強烈な掌底を顔面に入れた山本だが、井上もタックルでテイクダウンを奪う。しかし山本は下から腕十字の体勢に。クラッチが切れた瞬間に、うまく身体を動かして脱出した井上。ローキックの打ち合いから山本の掌底を嫌がった井上のバックを取り、テイクダウンさせた山本はアキレス腱固め。張り手で脱出しようとした井上だが、山本がグイッとひねり上げると、井上はロープエスケープ。組み付いた井上はハーフハッチで投げると、一気に腕十字へ。山本は何とか足をロープに伸ばしてエスケープ。右ミドルを連打して組み付いた井上だが、バックドロップで投げた山本はハンマーロックから腕十字の体勢に。必死にクラッチする井上は、うまくスイープして上になると逆にアームロックへ。山本は慌ててエスケープ。組み付いてきた井上を潰してフェースロックに捉えた山本だが、井上はどうにかエスケープ。悔しがる山本だが、両者残り1ポイント。山本が掌底の連打からバックを取ると、胴絞めスリーパーの体勢に。井上も足を取ろうとするが、山本は腕十字。井上が防御すると、アンクルホールドにスイッチした山本。さらに逆の足をアキレス腱固めに捉えるが、井上は逆水平チョップを打って脱出しようとする。山本も張り手で応戦し、殴り合いのまま時間切れのゴング。お互いに張り手を一発打ち合ってからリングを降りた。

第4試合は合同会社RYSKパートナーズpresents年間契約争奪1dayトーナメント決勝戦、小林ゆたか(夕月堂本舗)vs田馬場貴裕(IMPACT)。開始早々、小林のインローがローブローになってしまいタイムストップ。再開されると、お互いにストレート掌底を出していくが、リーチで勝る小林がミドルからのロー。田馬場のソバットをかわしてローを蹴って行く小林だが、組み付いていった田馬場はロープに押し込んでいく。足をかけてテイクダウンをベラウが、小林は組み付いた状態で立ち上がる。コーナーに押し込んでいった田馬場は首投げでテイクダウンを狙う。しかし、潰した小林はそのままバックを取ると胴絞めスリーパー。これがガッチリと決まり、田馬場はタップ寸前だったが、たまたま伸ばした足がロープにかかってエスケープに。小林はローを蹴って行くが、掌底で飛び込んでいった田馬場。だが、引き剥がしてバックマウントを取った小林はクルックヘッドシザースに。田馬場は足をロープに伸ばしてエスケープ。後がない田馬場は浴びせ蹴り。しかし肩でブロックした小林はアームロックを狙う。そこから腕十字にスイッチすると、田馬場がロープスケープしたため、田馬場の全ロストポイントが消失。小林がTKO勝ちとなり、2023年ハードヒットの全戦出場権を獲得した。

セミファイナルは就活と婚活頑張るゾpresents佐藤光留(パンクラスMISSION)vs十文字アキラ(JUST TAP OUT)。レフェリーは山本裕次郎。積極的にローと掌底を出していく十文字だが、光留は下がらずにプレッシャーをかけていく。十文字がコーナーを背にしたところで、左の掌底で飛び込んで顔面にヒットさせた光留。それでも十文字が掌底で前に出ていくが、組み付いた光留はロープに押し込むと払い腰で投げてテイクダウン。肩固めを仕掛けていく光留だが、十文字は後転して脱出。逆にしたから三角絞めを仕掛けていくが、光留はパウンドを落としていく。十文字も下から張り手を返していくが、光留はアキレス腱固めへ。十文字は悲鳴をあげながらエスケープ。ローキックと掌底で積極的に前に出ていく十文字だが、ロープを背負った光留は冷静に十文字の顔面にカウンターで左右の掌底を叩き込んでダウンを奪う。カウント7で立ち上がった十文字はミドルと掌底で前に出ていくが、ガードした光留はミドルを返す。ガードはしたが、後退した十文字。光留はそこを見逃さずまた左右の掌底を叩き込み、十文字はダウン。これで十文字の全ロストポイントが消失したため、光留がTKO勝ち。

メインイベントは松本幼稚園presents川村亮(パンクラスイズム横浜)vs前口太尊(飯伏プロレス研究所)。牽制の蹴りを出していく太尊に対し、川村は時折ノーガードになりながらもプレッシャーをかけていく。グイグイ前に出て行く川村にローを出していく太尊だが、川村はリング中央からほぼ動かない。周りを回りながら掌底を出していった太尊だが、川村はコーナーを背負ったところで右のストレート掌底。これがヒットしてやや後退した太尊だが、すぐに掌底で応戦。組み付いていった川村だが、体勢を入れ替えてコーナーに押し込んだ太尊。川村も体勢を入れ替えると、鯖折りでテイクダウン。サイドを取った川村は太尊の顔面に掌底でパウンドを落とす。そこからマウントを取った川村だったが、太尊は必死にうつ伏せになり、そこから立ち上がって脱出。太尊のソバットは空を切ったが、右の掌底が川村の顔面にヒット。しかし太尊がハイキックを出した瞬間、川村は片足タックル。だが、これは先ほどの掌底のダメージで倒れそうになった際の苦し紛れだったようで、そこから川村は動けずダウンを取られる。カウント8で何とか立ち上がった川村だが、太尊は一気にバックブロー掌底からミドルキックでダウンを奪う。かなり朦朧とした様子の川村だが、それでもカウント9で立ち上がると、どうにか太尊に組み付く。残り時間3分となり、ガブった太尊だが、一旦離れたとところをに素早くタックルを仕掛けて、ロープに押し込んだ川村はそのまま太尊を抱え上げてマットに叩き付ける。肩固めの体勢に入ると、太尊はどうにか足を伸ばしてエスケープ。至近距離での掌底の打ち合いになると、太尊はそこから中間距離を取りミドルを蹴って行く。「来いよ!」とノーガードで挑発する川村に対し、距離を詰めて掌底を叩き込んでいった太尊だが、待ってましたとばかり川村は掌底からヒザを入れる。ロープを背負った太尊に掌底を叩き込んでいく川村だが、太尊も首相撲からのヒザで応戦。すると組み付いて押し倒した川村は、袈裟固めの体勢から太尊の顔面にパウンド掌底。ここで太尊がエスケープしたため、残りポイント1-1に。残り30秒で違いに目に出て掌底を打っていくと、ミドルキックはほぼ相打ち。そこから太尊が首相撲からヒザを連打すると、棒立ちになった川村に右ハイキック。川村は何とか太尊の足にしがみつき、ダウンを免れたところで試合終了のゴング。引き分けに終わった。

川村が太尊を称えてからマイクを持つと「前口太尊が締めます」と言ってマイクを渡す。マイクを受け取った太尊は「本日はご来場ありがとうございました。昼間はJEEEP、夜はハードヒット。プロレスルール、いろいろあるけど全部楽しいよな? 今日は決着つかなかったけど、いつか川村さんと決着つけてどのルールでも前口太尊は最強だった思わせてみせます! ハードヒット、もっともっとこれから大きくなるんで。みんなの応援が必要になるんで、これからも応援よろしくお願いします!」とアピールして締めてみせた。

【プロデューサーの大会総括】
ーー大会総括をお願いします。
光留 東京都は首都高速で高速運転が出来ないのにお金を取るのはどうかと、本当にずと思いますね。首都“高速”ですからね! 首都なだけです、アレは。高速で走れないんだったらお金取っちゃダメですよ。
ーー大会スケジュールも含めてCHALLENGEだった?
光留 いやぁだって6時半開場で、僕が着いたのが6時28分ですからね。チケットなかったですからね。でもそれを……吹き飛ばすっていうか、ひとつはお客さんが温かいなっていう。あと、それを仕方ないで済まさず、リング上でファイトで返してくれた選手はすごいありがてえって思ったんですけど、それだけに……小林ゆたかは優勝したので今年のハードヒットは全部オファーを出します。が、足りないなと思う選手とか、負けた選手はやっぱりもう1回這い上がってくるのを待つしかないっていう心苦しいのはありますけどね。でも全部いい試合だったなあ。追い詰めたほうがいい試合になるかなあ。
ーー今年はいままでレギュラーだった選手もレギュラーじゃなくなるかもしれないということだが、太尊選手は川村選手をあと一歩のところまで追い詰めて引き分けだったが。
光留 川村に関しては……内容を…ハッキリ言うと、勝ち星だけじゃなくて、内容だったりとか、もっと進化! 先に進んでないといけない、経験値を積んでいないといけない時間は経っていると思うので。アイツのバイオレンスさはいいんですよ。だけど、ずっとそれだけだったら……おいしいラーメン屋だって生き残るためにいろんなラーメン作るし、サービスもあるし。でもアレしかないんだったら、もう今後はいらねえなって思ったんですよね。だからぶっちゃけマジで川村は(レギュラーか非レギュラーかの)ライン上だった。先々どうするかはこれから考えます。逆に応募はなかったですけど、発掘してきたというか、自ら出てきた十文字アキラとか、あと太尊もよかったですね! いつの間にかスゴイちゃんとしたインディーレスラーになっていましたね。ビックリした! 平成のインディーレスラーでした。新木場とか王子が似合う。
ーー昼にJEEEPがあって、夜にこれだけの試合が出来るという。
光留 はい。で、昨日もガンプロでしょ? いいものはいいんです! それをやり続けることも大事なんです。貫くことも大事なんです。だけど……理由なく変化しないってことは、それはもう怠慢ですよ。やっぱ川はよどみますよ。なんで琵琶湖は琵琶湖のままなのかって。水が常に入れ替わっているんです。だけどあそこは琵琶湖じゃないですか。琵琶湖に行けばいつでも琵琶湖はあるけど、そこにある水っていうのは常に入れ替わっているんです。今年も琵琶湖が呼吸しているって言うけど、冬になると上下が入れ替わってターンオーバーするんです。そういうものは常に必要だし。これは自分にも必要ですから。僕、手前味噌ですけど、なんで佐藤光留に試合があるのかって言ったら、それがあるからなんですよ。ハードヒットはもちろん試合のない選手を助けるって意味じゃないですけど、いいもの持っているんだからぜひ出てほしいっていう気持ちはあります。全然僕が上から偉そうに言うことじゃないんですけど、やっぱり善し悪しで判断はされますから。そこはレギュラー選手も含めてです。本当に全然俺より面白い奴がいるんだったら、俺出るのやめようかなって本気で思いましたからね。
ーー現時点で次回大会の日程は発表されていませんが、次回大会でも入れ替えを含めたカード編成になる?
光留 はい。だから必要以上に“いない”ってことをクローズアップするのは良くないと思うんですけど、やります。心苦しいです。みんなで一緒にやってきたので。ただやっぱり変化は必要です。
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