GLEAT、LIDET UWFを主催するリデットエンターテインメントが、12月14日に東京・後楽園ホールで開催するMMA(総合格闘技)イベント『GLEAT MMA Ver.0』を開催。
セミファイナルで和田拓也(フリー/初代KING OF HARD HIT王者)がGLEATの田中稔とMMAルールで対戦。LIDET UWFをキッカケに因縁が勃発し、お互いに一騎打ちを希望していたが、『GLEAT MMA Ver.0』発表後、田中から「和田拓也とだったらやりたい」と言われたとのことで、和田は1試合限定でMMAに復帰することを決意。
和田のセコンドには元ミドル級キング・オブ・パンクラシストの竹内出とSUSHI、田中のセコンドには田村潔司と伊藤貴則がつく。田中が放ったローをキャッチした和田がテイクダウン。クロスガードの体勢のままリング中央までポジションを移した和田は、田中にヒジを落とす。さらにパウンドを落としていくと、田中は何とか下から腕十字を狙おうとするが、防御した和田は鉄槌で追撃。田中はたまらずカメになるが、和田は躊躇することなく顔面にヒジをガンガン入れていく。田中が動かないため和田良覚レフェリーが試合をストップ。完封勝ちの和田に対し、大の字で天を仰ぐ田中。試合後、田中に駆け寄った和田は何やら言葉を交わすと健闘を称え合った。
和田 絶対に勝たないといけない試合に挑むっていうのも、逆に恐かったっすよ。負けられないし。田中稔さんにMMAなんかやらせちゃダメだと思うし。僕とか稔さん、44と50歳……GLEAT MMAは若い奴がやらないとダメでしょ? オマエらの飯の種を…猪木じゃないけど、自分たちでつくれよって。俺らがやることじゃないから。若い奴が自分で手を挙げてやらないんだったら、田村潔司がやればいいしっていう思いですね。
ーー試合後、言葉を交わしていたが。
和田 いや、もう稔さんと決まってからお互いに2ヶ月間くらい期間があったんですけど、毎日充実した練習をさせていただいて。稔さんもさっき言ってましたけど。稔さんは初めてで僕は12年ぶりでしたけど、久々のMMAで。苦しかったんですけど、幸せな時間をつくれたかなっていうのはあります。それをちょっと伝えさせていただいて。そしたら稔さんのほうも、そう思っててくれたみたいで。でも今日はノーサイドで。また来年、敵としてそういう抗争があるんだったら、MMAとかじゃなくてUWFでやればいいと思うし。
ーー今日のセコンドに竹内選手がいるのが印象的でしたが。
和田 竹内さんは僕が自腹で呼びました、岡山から。竹内さんがいないと僕の試合は成り立たないんで。
ーー今日はGLEAT主催で、純粋な総合格闘技のリングではなかったが。
和田 まあプロレス団体ってだけじゃなくて、興行は純粋な格闘技なので。
ーー今日の試合を経て、この先LIDET UWFと絡むとき、何か心境の変化とかはありそうですか。
和田 うーん、まあ今日こんなの見せちゃったから。僕は今日、本当15分やるつもりだったんですけどね。ああいうふうになってしまったんで、逆に若い選手も噛みつきづらくなっちゃったのかなと思って。来年やるとしてもまた“恐い和田拓也”を見せてしまって、結局誰も若い選手が噛みついてこないから。でも、もうやらないけどね、MMAは。
ーー田中選手がMMAに出てきたってだけでは褒めたくない?
和田 いや、そんなことはないですよ! いや、すごい……僕、逆だったら出来ないと思うし。あの年齢で初めてオープンフィンガーつけて。ブランクはあったけど練習やっている自分と、そんないきなり試合するなんて逆の立場だったら出来ないと思うし。今日は本当に彼を尊敬して。
ーー田中選手にMMAをやらせてる若い選手たちにどうなんだと?
和田 ですね! お前らがやらなくてどうするんだよって! さっきも言ったけど、お前らがやらないんだったら、もう興行なんてやらなくていいと思うし、田村潔司がやればいいと思うし。田中稔にやらせちゃダメでしょ。
稔 いやぁ強かったな。練習でもパウンドってするんですけど、全然違ったっすね。ヒジかな? ヒジ食らって記憶が途切れてしまって、真っ暗になって。途中で俺、四つん這いになったらしいんですけど、そこの記憶がまったくなくて。殴られてる途中にちょっと記憶が戻ってきたけど、また遠のいていって気付いたら和田さんとか伊藤君とかがいたんですけどね。もちろん勝ちたかったし、そのために練習してきたけど、一番悔しいのは何か……最高のプロレス見せてやろうって思ってたけど、プロレスラーの負け方として失格かなって。負けるならもっと壮絶に負けろよって。作戦としてブン殴るしかなかったんで、絶対に蹴らないって思ってたんですけどね。今日は絶対に蹴らない、蹴ったら掴まれるから。一発出したローキックが案の定でしたね。スゲーな。でも和田選手もLIDET UWFに対していろいろ言ってきたし、俺も彼に対していろいろ言ったけど。だからもうMMAやらないって決めていたのに、俺の思いを受け止めてくれて(試合を)受けてくれた和田さんに感謝っすよ。だって別にやる必要なかったんだから。グレイトに決めてやろうと思ったけどダメだな。プロレスラーとして失格、それが一番悔しいですね。プロレス見せられなかった。
ーー和田選手は「田中さんにやらせるんじゃなくて若い選手が噛みついてこいないと」と言ってました。
稔 ハハハ……でもこれが、俺いま50歳ですけど。若いコが行けばって言うかもしれなけど、去年ですかね和田選手とシングルやりましょうよって言って、それを3月にやるはずが流れて。やらないと気が済まなかったですね。もちろん強いし、勝てる保証なんてないし。でも引き下がれなかったですね。周りからも「やる必要ないじゃん」て言われましたけど、退けなかったっす。やらなきゃ気が済まなかったです。負けたけど、気が済んだわけじゃないけど、和田さんとやるってなってからの練習……ボクシング、キックボクシング、MMAの練習をずっとして無駄な時間を過ごさなかったから、すごいいい時間を過ごさせてもらったし。
ーーLIDET UWFのプロデューサーとして最近興行が出来ていない中でMMAっていうのは?
稔 だけどちょくちょく大阪で池本(誠知)さん絡みでやったりはしてたし、(福田)茉耶ちゃんはやったりしてたじゃないですか。だから俺は途切れているとは思ってなかったので。(2023年)3月にLIDET UWFの興行があるので、またそこはそこで気を引き締めて。今日で終わりじゃないので。GLEAT MMAっていうのが年に1回なのか分からないですよ。次いつやるか分からないけど、続いていくのかもしれないし、LIDET UWFとも……俺は人に笑われようとも東京ドームを目指してるんで。行きますよ、東京ドーム。LIDET UWF、東京ドーム行きますから。笑いたければ笑え。
ーーMMAっていうものに相手が誰であれ、また挑戦したい気持ちは?
稔 練習はこれからも続けていくし、僕は今回GLEAT MMAっていうものが決まって、YouTubeで田村さんが「GLEAT MMAをやる」っていうのを言って、そのYouTubeが終わった瞬間、社長に「和田さんとだったらやりたいです」って言ったんですけど。だから意味のある相手です。本当に立ち向かう意味のある相手だったんで、和田さんが。そういう相手がいるときですね。GLEAT MMA第2回やりますって発表されて、そのときにやる意味の相手がいたらってところですね。MMAがやりたかったわけではなかったんで。和田拓也とやらなきゃ気が済まなかったってところなんで。
ハードヒット常連の関根“シュレック”秀樹(ボンサイ柔術)と田村男児(全日本プロレス)はグラップリングルール10分1Rで対戦。ジャイアント馬場が描かれたバトルトランクス姿の男児はフェイントを入れながらタックルを狙う。片足タックルから足払いでテイクダウンを奪った男児。その後も片足タックルで2度目のテイクダウンを奪うが、関根もビクトル投げから足関節を狙ったが、男児もこれは極めさせない。さらに関根のタックルを切った男児が、逆にタックルでテイクダウンを奪う。だが、関根も男児に
テイクダウンされた直後、下から腕十字を狙う。極まるかと思われたが、滑って男児が辛くも脱出。関根はどうにかグラウンドに持ち込みたいが、男児はレスリングで対抗してテイクダウンさせない。判定の結果、3−0で関根が勝利。
男児 GLEAT MMAの旗揚げ戦に立てたってことはとても光栄です。ただ勝てなかった。関根シュレック選手は強いのは分かっているんですよ。みんながグラップリング強いって言う中で、何も出来なかったっすね。上から攻めても取れる気がしなくて。上に立てなかったっす。悔しいんで、またこれからも。これっきりに終わらせないですね! 思い出作りじゃないんで。これからも全日本プロレス……出られる機会があれば、こういう格闘技の試合とかも来年はもっといろいろ出来るように、本当にしないといけないですね。まだ練習量が少なかったっす。なので全日本プロレス、そしてこういうふうな試合もしていこうと思うので、これからもよろしくお願いします。ありがとうございました。
関根 最初はね、全日本プロレス期待の若手、田村男児、どの程度のものなのか。ハードヒットで1回やっているんで、あれから1年? 2年? 成長見る感じでやったけど、途中から本気で極めにいったけど、そこのところは男児もスタミナ切れてたけど許さず。これは俺が情けないっちゃ情けないんでけど。男児の成長が著しい。素晴らしいと思ったね。
ーー昨日の会見では佐藤光留選手の不在と闘魂タオルのことを言っていたが。
関根 そうだね。田村男児も全日本プロレスで佐藤光留とタッグを組んで、タッグパートナーだ。そしてハードヒットも毎回定期参戦している。彼もね、佐藤光留への思いは俺以上にあるということなのかなぁと。
ーー(男児は)テイクダウンは強い感じがしたが、その先っていうのはやってみてどうだった?
関根 う〜ん、これはグラップリング、極め合いっこだからこそ、こうなんだけど。これがMMAだったり、路上だったりした場合にはテイクダウン=即ダメージになるわけで。それがアマレスの強さ・凄みであるという。やっぱり片足タックルっていうのは一流のものを持っているかな。うまかった!
ーーいずれ田村選手とまたこういうルールでやってみたいという思いは?
関根 そうだね、うん。ハードヒットで前にやらせてもらって、これだけ経ってまた再戦してみて、若手がどんどん力をつけてくる。その物差しになってしまうのかもしれんけど、人生の先輩として彼らの成長を肌で、肉で、骨で感じられるっていうのはすごい自分にとっても楽しみのひとつなのかなと。あとね、これで田村君とは2回やったんだけど、またハードヒットでも全日本でもね、プロレスも含めて対戦もしたいし、俺らからするとかわいい後輩でもあるんでね。タッグを……佐藤光留から(パートナーの座を)強奪してもいいのかなと(笑)、そういう気もしてるね。まあ田村がよくやった、それだけです!
11・25ニコプロpresentsハードヒット「第1回Break through tournament」で佐藤光留と対戦したGLEATの渡辺壮馬は、U-FILE CAMPの有村脩也とキックボクシングルールで対戦。1Rにダウンを奪われ、かなり苦しい試合となった渡辺だが、必死で食らいついていく。3Rは明らかにスタミナが切れながらも、倒れずに前に出るプロレスラー魂を見せる。スタンディングダウンを取られたが、フルラウンド戦い抜いた渡辺は、試合終了後のゴングが鳴った直後に倒れ込んだ。判定の結果0-3で敗れたが、「完敗のひとことです。でもGLEAT MMAに出たことに後悔はひとつもないです。(キックボクシングはもう一度)やりたいです! 勝つまでやりたいです!」と語ると、12・31ハードヒット新宿FACE大会では“キックボクシング出身”の前口太尊と対戦することについては「前口さんとは派手に打ち合いたいんで、前にどんどん出る試合を見せられたらなって思っています」と語った。
なお、田村潔司GLEATエグゼクティブディレクターが大会総括コメントを出すことはなかった。
GLEAT MMA Ver.0
日時:2022年12月14日(水)
開場:17時30分
開始:18時30分
会場:後楽園ホール
主催:リデットエンターテインメント株式会社
観衆:438人
▼第1試合 GLEAT MMAルール5分2R(契約体重:52.2kg)
○榊原徹(U-FILE CAMP)
1R1分10秒 三角絞め
●長谷川暢哉(T-Pleasure)
▼第2試合 キックボクシングルール3分3R(契約体重:75kg)
●渡辺壮馬(GLEAT)
判定0-3
○有村脩也(U-FILE CAMP)
▼第3試合 キックボクシングルール3分3R(契約体重:46kg)
●福田茉耶(GLEAT)
判定1-2
○菊地美乃里(GONG-GYM坂戸)
▼第4試合 グラップリングルール10分1R(契約体重:75kg)
●飯塚優(GLEAT)
1R6分06秒 肩固め
○中村大介(夕月堂本舗)
▼第5試合 グラップリングルール10分1R(契約体重:無差別級)
●田村男児(全日本プロレス)
判定0-3
○関根“シュレック”秀樹(ボンサイ柔術)
▼セミファイナル GLEAT MMAルール5分3R(契約体重:無差別級)
●田中稔(GLEAT)
1R1分37秒 TKO(レフェリーストップ)
○和田拓也(フリー)
▼メインイベント GLEAT MMAルール5分3R(契約体重:73kg)
●井土徹也(GLEAT)
判定0-3
○近藤有己(パンクラスイズム横浜)