ニコプロpresentsインディージュニアの祭典「ぼくらはみんないきている」
日時:2022年11月26日(土)
開場:11時30分
開始:12時30分
会場:新木場1stRING
観衆:ブラックサタデー(主催者発表)
ダークマッチ 合同会社RYSKパートナーズ/松本幼稚園presents シングルマッチ 時間無制限1本勝負 | |
− | 2(パンクラスイズム横浜) |
2時間7分 興行終了時間となったため | |
− | 男(フリー) |
第1試合 新太平洋運輸株式会社presents 2カウントルール 10分1本勝負 | |
△ | 佐藤光留(パンクラスMISSION) |
10分00秒 時間切れ引き分け | |
△ | 関札皓太(大日本プロレス) |
第2試合 当たり前田のニールキックpresents 2代目佐野直発掘ランブル 時間無制限1本勝負 | |
○ | 当日参加のおじさん〈11〉 |
16分42秒 腕ひしぎ逆十字固め | |
● | 佐野直(フリー)〈12〉 |
①○福士”赤天狗”直也〈1〉(10秒 天狗ドライバー→エビ固め)セレジェイラ〈2〉● ②○福士”赤天狗”直也(3分26秒 天狗ドライバー→エビ固め)二代目セレジェイラ〈4〉● ③○福士”赤天狗”直也(6分6秒 天狗ドライバー→エビ固め)三代目J SOUL セレジェイラ〈6〉● ④○福士”赤天狗”直也○最上九〈5〉(7分32秒 ペールワンに足4字固めをかけているところを体固め)KURO-OBI〈3〉● ⑤○福士”赤天狗”直也(8分47秒 天狗ドライバー→エビ固め)四代目タイガーマスク セレジェイラ〈8〉● ⑥○佐野直〈12〉(13分51秒 オーバー・ザ・トップロープ)五代目ブラックタイガー セレジェイラ〈10〉● ⑦⑧○服部健太〈9〉○佐野直○小仲=ペールワン〈7〉○当日参加のおじさん〈11〉(15分22秒 服部のダイビング・クロスボディー→一斉に体固め)福士”赤天狗”直也●最上九● ⑨○佐野直(15分50秒 首固め)服部健太● ⑩○佐野直(16分39秒 横入り式エビ固め)小仲=ペールワン● ⑪○当日参加のおじさん(16分42秒 腕ひしぎ逆十字固め)佐野直● ※当日参加のおじさんが優勝。2代目佐野直となるが、仕事があるとのことで名前も告げずに帰宅。〈〉内の数字は登場順。 |
第3試合 新太平洋運輸株式会社presents タッグマッチ 30分1本勝負 | |
若松大樹(2AW) | |
● | 山本裕次郎(フリー) |
11分55秒 バックドロップ→片エビ固め | |
橋本和樹(大日本プロレス) | |
○ | 渡瀬瑞基(ガンバレ☆プロレス) |
セミファイナル デッドリフ太郎presents インディペンデントワールド世界ジュニアヘビー級選手権試合 3wayマッチ 30分1本勝負 | |
○ | [王 者]谷嵜なおき(ダブプロレス) |
12分25秒 花見の足を絡めてのクリップラー・クロスフェイス | |
● | [挑戦者]梶トマト(フリー) |
※もう一人は[挑戦者]花見達也(2AW)。第34代王者が6度目の防衛に成功。 |
メインイベント いっぱいおっぱいpresents 6人タッグマッチ 60分1本勝負 | |
椎葉おうじ(フリー) | |
十文字アキラ(JUST TAP OUT) | |
○ | 橋之介(A-TEAM) |
20分7秒 スカイツイスター・プレス→片エビ固め | |
チチャリート翔暉(2AW) | |
● | 前口太尊(飯伏プロレス研究会) |
スーパーマッチョモンキー(TeamMotion) |
ダークマッチでは2022年8月21日に富士通スタジアム川崎で開催されたニコプロpresents佐藤光留自主興行「ファイト〜闘う変態達の唄」第1部でのダークマッチで行われ、何と大会終了時刻になっても決着がつかなかったロッキー川村2vs立花誠吾の再戦が行われたのだが、あれから約3ヶ月……両者にはいろいろなことがあり、2vs男という日本一短い対戦カードと言っても過言ではない状況に。とくに川村は見た目も変わっていたため、試合が開始されてもまずはお互いどういう状況でいまの出で立ちになったのかの説明から始まった。その後、いろいろあって玉川レフェリーを巻き込みながら試合は進むが、結局また決着がつかないまま本戦開始時刻となり、そのままオープニングV。
そして大会プロデューサーの佐藤光留が登場し、まるでデジャヴのようにダークマッチが行われたままのリング上から「本日はインディージュニアの祭典〜ぼくらはみんないきているにたくさんのご来場ありがとうございます。自分がパンクラスに入門したときは、まだ1999年の……いわゆる20世紀だったので。あれからプロレスも、総合格闘技もいろいろ変化をして、その中で一番変化をしたものは僕はインディーだと、最近思うようになりました。その昔、必ず大晦日には新木場で年越し興行が行われ、いつだったか鈴木(みのる)さんと髙山(善廣)さんが組んで、佐野直&グレート・サスケと1月1日の朝3時くらいに30分試合をするというものを見て…というか見せられ。でもその興行のセミがアブドーラ・ザ・ブッチャーvsニセ大仁田でした。こんなことがここでは当たり前のように行われていることにびっくりした思いがありますが、まさか自分が主催をする興行の挨拶で、まさかまだダークマッチが行われているなんて思ってもいませんでした。気にしたら負けだと思い、リングに上がってきましたが、攻防はともかくまさか川村の全盛期がいまだとは思いませんでした。それでももはやメジャーとインディーという括りが消えつつあるいま、こうして得体の知れないレスラーが生きる場所をつくれるということは、まだまだインディーという括り、インディーという言葉にも需要があるだなと思っています。今日は先に非常に有名なレスラーが『ジュニアの祭典をやろう』と提唱し、もしかしたらそこに呼ばれるような選手が出る…かもしれません! (2と男に向かって)ちょっと静かにしてもらっていい? ですが、絶対上には出ない選手もプロレスラーとして生きれる場所がインディーだと思っています。今日はいろんなインディーを呼んできました! (カバーしようかどうか躊躇している2と男に向かって)押さえるなら押さえてもらっていいですから。こんな奴らばっかりでないことはお約束します! マスク越しだったら声出していいんで、皆さん盛り上がっていただけたらと思います。よろしくお願いします! ありがとうございました」と挨拶すると、まだ試合が終わらない2と男に襲いかかり、強制的にリングから降ろしてバックステージに連れていった。
第1試合は2カウントルールで行われる佐藤光留(パンクラスMISSION)vs関札皓太(大日本プロレス)。天龍プロジェクトのIJ王者の光留と、大日本プロレスのBJW認定ジュニア王者の関札というジュニアの祭典に相応しいカード。オーソドックスな腕の取り合いから、ヘッドロックに捉えた関札がショルダータックルでなぎ倒してカバーすると、光留はカウント2ギリギリでキックアウト。身体が2カウントルールにまだ適応出来ていない様子だったため焦った光留は「誰だこんなルールでやらせたの」と愚痴るが、もちろんこのルールでやると決めたのは自分だ。光留は関札の左腕を蹴り上げると、エプロンに出た関札の左腕にランニングロー。そこから連続でカバーするが、関札は必死にカウント1で何度も返す。背中にチョップを見舞った関札に対し、「全然痛くありませんっ!」と強がりながらサッカーボールキックを叩き込んだ光留。すると関札も座って挑発する光留の背中にダブルチョップ。明らかに悶絶しながら「全然痛くないです」と強がった光留はサッカーボールキック。すると関札はヘッドシザースからネックツイスト。さらにエースクラッシャーからのジャンピング・ボディプレスで追い込んでいく。残り時間がわずかになり、お互いに丸め込んでいくがカウントは1。チョップの打ち合いからジャンピングハイを叩き込んだ光留は水車落としを狙う。これを回転エビ固めで切り返した関札だが、光留もカウント1で切り返す。このシーソーのような攻防を約30秒間繰り返したまま時間切れのゴング。握手をして健闘を称え合った。
第2試合は2代目佐野直発掘ランブル。福士”赤天狗”直也(天狗工房)とセレジェイラ(Magic Box)の対戦でスタートすると、開始早々、福士がラリアットからの天狗ドライバーで3カウントで勝利。セレジェイラが退場となったが、次の選手の入場まで40秒あったため、福士は観客に自己アピール。そこに3番手のKURO-OBI(トライフォース柔術アカデミー)が入ってきて福士とエルボーを打ち合い、蹴り合う。ここで4番手として登場したのは、曲も見た目も明らかにセレジェイラなのだが、コールされた名前は「二代目セレジェイラ」。しかし二代目もリングイン早々、福士のラリアットからの天狗ドライバーに沈み秒殺退場。KURO-OBIが回転体を見せているところに5番手の最上九(2AW)が登場。観客から最上にたくさんの声援が飛ぶことに、嫉妬をにじませる福士とKURO-OBI。福士が最上にエルボーで襲いかかったところで、再びあの曲が鳴り響き、6番手として登場したのは見た目はやっぱりセレジェイラだが、コールされた名前は「三代目J SOUL セレジェイラ」。その名前なら踊るのかなと思わせておいて、リングインした瞬間に福士のラリアットからの天狗ドライバーに沈み、やっぱり秒殺退場。結局、福士vsKURO-OBIvs最上の三つ巴に戻ったところに、7番手として小仲=ペールワン(666)が登場。最上にヘッドバットを見舞ったペールワンだが、KURO-OBIがペールワンに足4の字固め。しかし福士と最上がそのままKURO-OBIをカバーして3カウント。KURO-OBI退場。ペールワンと最上が共闘して福士を攻撃していると、もはやイントロだけで爆笑が起こるあの曲がヒット。ジワジワと観客のハートをつかみつつあるセレジェイラだが、先ほどの天狗ドライバーが急角度だったせいか後頭部を押さえながら現れた8番手は「四代目タイガーマスク セレジェイラ」。タイガーの要素がどこにあるのか確認する間もなく、やっぱり福士のラリアットからの天狗ドライバーに沈み秒殺退場。ペールワンが福士に襲いかかると、そこに9番手として服部健太(フリー)が登場。最上にドロップキックを見舞って場外に出すと、ペールワン、福士も場外に出ていって場外乱闘に。そこに10番手として登場したのは、もはや入場するのも辛そうなセレジェイラ。Magic Boxは一体何人セレジェイラがいるんだと疑問に思う人がいるとかいないとか考えているうちに、この「五代目ブラックタイガー セレジェイラ」も福士のラリアットからの天狗ドライバーを食らってしまう。ところが、ブラックなのに全身白なのがよかったのか、カウント2で返した五代目セレジェイラは、怒濤の反撃でほかの選手たちにエルボーを見舞っていく。このどさくさに紛れて、KURO-OBIが退場になった直後くらいに、シレッと客席に座っていたラッシュガード姿のおじさんもリングイン。ほかの選手を蹴散らした五代目セレジェイラは福士に掟破りの逆天狗ドライバーを狙うが、服部がカット。もはや“わんこセレジェイラ”にハートを掴まれた観客からブーイングを浴びせられる服部に五代目セレジェイラは怒りのゼロ戦キック。「俺は桜戦士セレジェイラだよ!」と叫んだ五代目セレジェイラはまたもエルボーで選手たちを蹴散らしていく。そこに最終入場者の佐野直(フリー)が登場し、背後から五代目セレジェイラを場外に投げ捨て、OTRで退場にさせた。ほかの選手たちが一斉に佐野に襲いかかると、そこから最上がブレーンバスターを狙う。佐野が耐えると、ほかの選手たちがそれぞれに加勢。「せーの」でお互いが一斉に投げようとしたため6選手が同時に吹っ飛んでしまう。殴り合う最上と福士に向かって服部がダイビング・クロスボディーを決めると、ほかの選手も一斉に抑え込んで最上と福士が退場に。佐野とペールワンが捕まえた謎のおじさんに、服部が忍法・手裏剣を見舞っていくが場の空気を読んだ佐野が服部を丸め込んで3カウント。さらにペールワンがダイビングの手刀を落としていく。佐野もおじさんと共闘してペールワンに反撃。おじさんのラリアットから佐野がスクールボーイで丸め込んで3カウント。これで残ったのは佐野とおじさんになった瞬間、おじさんが鮮やかに腕十字を極めて佐野からタップを奪って優勝。するとおじさんは勝ち名乗りを受けることもなく、足早に退場。勝者が誰か分からず騒然とするリング上だが、玉川レフェリーが確認したところ“当日参加OK”ということで急遽参加したこのおじさんは、次の仕事があるとのことで名を名乗ることもなく帰宅してしまったとのこと。
第3試合は若松大樹(2AW)&山本裕次郎(フリー)vs橋本和樹(大日本プロレス)&渡瀬瑞基(ガンバレ☆プロレス)。若松をロープに押し込んだ渡瀬は、頭をぽーんと叩いてブレイク。若松は和樹にレッグドロップを落とすと山本にタッチ。スタンディングの肩固めを決めていく山本だが、和樹はグラウンドに持ち込む。しかし逆にヒザ十字を狙った山本だが、和樹はエスケープ。ニーリフトから背中にサッカーボールキックを叩き込んだ和樹だが、山本もサッカーボールキックをお返し。サッカーボールキックのやり合いになると、そこから山本がニーリフトを連打してから若松にタッチ。すると和樹は強烈なエルボー。若松もエルボーで応戦すると、正面飛びのドロップキックからミサイルキックでぶっ飛ばす。和樹も串刺し式のレッグラリアットからブルドッキング・ヘッドロックを返すと渡瀬にタッチ。打点の高いドロップキックを叩き込んだ渡瀬だが、若松もニールキックを返して山本にタッチ。山本は挑発しながら渡瀬の顔面を蹴り上げていく。すると立ち上がって山本を睨み付けた渡瀬はエルボー。鈍い打撃音が場内に響く中、山本も「頑張ってねえじゃねぇか!」と挑発しながらエルボーで応戦。バッチバチのエルボー合戦でフラついた山本だが、小手返しからアームロックへ。ここで和樹が入ってきてヘッドバットでカット。若松も入ってきて和樹とヘッドバットを打ち合う。生音が聞こえて観客から悲鳴もあがる中、和樹と若松、渡瀬と山本がエルボーを打ち合う。徐々に激しさを増し、和樹と山本、渡瀬と若松でも打ち合うと、興奮するあまりタッグを組んでいる和樹と渡瀬、若松と山本でもエルボーを打ち合う。途中に気付いた和樹が若松を蹴散らして、山本にトレイン攻撃。さらに和樹のローで山本をダウンさせると、そこに渡瀬がミサイルキック。渡瀬は一気にブレーンバスターを狙うが、山本が踏ん張ると、そこに若松が入ってきて「山本、耐えろよぉ!」と言いながら山本にジャーマン! その勢いで渡瀬を逆にブレーンバスターで投げることが出来たが、明らかに山本にもダメージがあるトンパチ戦法。さらに張り手で喝を入れる若松に「仲間だろ!」と愚痴った山本だが、渡瀬にアサルトポイント。和樹が辛くもカットしたが、山本は渡瀬の胸板を蹴り飛ばす。しかし何度蹴られても倒れずに咆哮しながら山本を睨み付ける渡瀬。反撃してこない渡瀬にエルボーを見舞っていく山本だが、張り手を食らった渡瀬が渾身のエルボーを返す。山本もエルボーで応戦するが、渡瀬は「ゴツン!」という鈍い音が場内に響き渡るくらいのヘッドバットから垂直落下式ブレーンバスター。カウント2で返した山本だが、渡瀬は低空バックドロップからの正調バックドロップを連続で決めて3カウントを奪った。まさしくメジャーではなかなかお目にかかれない“痛みが伝わり過ぎる”バッチバチの一戦だったが、試合後、和樹は山本、若松と座礼。しかし渡瀬に中指を突き立てた山本に対し、渡瀬は不敵な笑みから張り手。山本も強烈な張り手を返して退場していった。
セミファイナルはインディペンデントワールド世界ジュニアヘビー級選手権試合、[王者]谷嵜なおき(ダブプロレス)vs[挑戦者]花見達也(2AW)vs[挑戦者]梶トマト(フリー)の3wayマッチ。それぞれ自分への声援を煽ってから、ハイテンションの梶に谷嵜と花見が二人がかりで襲いかかる。しかしロープに飛び乗ってのミサイルキックで二人を場外に追いやった梶は、いきなりプランチャを投下。谷嵜をリングに戻して攻撃していった梶だが、戻ってきた花見が梶を場外に放り出し、谷嵜にリバーススプラッシュ。梶が客席に座って休憩する中、リング上では谷嵜がサッカーボールキックから河津落とし。串刺し攻撃を狙った谷嵜を花見がうまくエプロンに出すと、場外から梶が引きずり落とす。さらに花見の両足を刈って倒した梶は、スリングショット式ボディプレス。すっかり体力を回復させた梶はスピーディーなロープワークを見せるが、花見がカウンターの延髄斬り。さらにエプロンまで戻ってきた谷嵜にゼロ戦キック。そして谷嵜に向かって場外ダイブすると思わせておいて、反対側の場外にいた梶に向かってトペを発射。さらに素早くリングに戻ってきて、谷嵜にもトペ。谷嵜をリングに戻した花見はミサイルキックから対角線ダッシュ。しかし梶が割って入り、カウンターのドロップキック。ここで谷嵜が梶にニーリフトを叩き込むが、梶もアッパー掌底を3連発で返す。さらに突進してきた花見に高角度レッグドロップを落とすが、走り込んできた谷嵜がカサノヴァ。トリプルダウンとなるが、一番最初に立ち上がったのは花見。梶の上に谷嵜をボディスラムで叩き付けると、並んで倒れている二人にハイフライバム。だが、これはかわされて自爆。梶が花見にエルボーの打ち合いを仕掛けていくが、谷嵜がドロップキックで二人まとめて吹っ飛ばす。そこから三つ巴のエルボー合戦となるが、谷嵜が梶、花見に連続でグーパンチをブチ込んでいく。倒れずに耐えた花見に谷嵜は巻き込んで膝を狙うが、梶がドロップキック。「ベルト獲るぞー!」と雄叫びをあげた梶は、花見にディープインパクトから旋回式ダイビング・ボディプレス。しかしその上から谷嵜がダイビング・ニードロップを投下。谷嵜は梶に変形のWRを決めるがカウントは2。ならばとインプラントボムを狙うが、花見がカット。一気に花見が梶を追い込んでいくがカウントは2。突進した花見に対し、梶を突き飛ばした谷嵜がカウンターでリバースインプラントボム。だが、カウント2で梶がカット。梶はレッドアイを狙うが、防御した谷嵜。ならばとスピードで丸め込むが、これもカウントは2。もう一度レッドアイを狙うが、谷嵜はこれをクロスフェイスで切り返す。そこに花見が入ってきてカットしようとするが、谷嵜は走ってきた花見にカウンターの低空延髄を叩き込むと、倒れた花見の足を絡めながら梶にクロスフェイスを決める。これでは花見もカット出来ず、梶はギブアップ。谷嵜が6度目の防衛に成功した。
メインイベントは椎葉おうじ(フリー)&十文字アキラ(JUST TAP OUT)&橋之介(A-TEAM)vsチチャリート翔暉(2AW)&前口太尊(飯伏プロレス研究会)&スーパーマッチョモンキー(TeamMotion)。前日のハードヒット「第1回Break through tournament」決勝で対戦した椎葉と前口が再び相対することに。インディージュニアの祭典ではあるが、若い選手をメインに抜擢したプロデューサーの粋な計らいとして、インディージュニア戦士はなかなか試合を裁いてもらう機会がない和田京平レフェリーが、この一戦を裁くことに。声出しOKということで、観客からも大「キョーヘー」コールが飛んだ。十文字と前口の先発で試合開始。お互いに得意の蹴りを出していくと、バックの取り合いから十文字がヘッドロック。これを前口が脱出すると、続いて橋之介とマッチョがリングイン。ヘッドロックからショルダータックルでなぎ倒したマッチョだが、橋之介も軽快な動きを披露。そして椎葉とチチャがリングイン。椎葉が前転からのサマーソルトドロップを投下して橋之介にタッチ。スリングショット式アトミコを投下して十文字にタッチすると、ニーリフトからサッカーボールキック。だが、チチャもドロップキックで反撃すると逆水平チョップ、串刺しレッグラリアット。続いて前口がサッカーボールキックからエルボーを連打すると、串刺しドロップキック。マッチョも低空ドロップキックからブレーンバスターで投げると、チチャとダブルのカウンターエルボー。そこに前口がランニングロー。さらにチチャがサッカーボールキックからスリーパーで追い込んでいくと、マッチョがスペース・ローリング・エルボーからフライング・クロスチョップ。しかしゼロ戦キックを返した十文字はようやく椎葉にタッチ。一気呵成に反撃に出た椎葉はフィッシャーマンを狙う。だが、踏ん張ったマッチョはトラースキックを返してチチャにタッチ。ウラカンホイップで椎葉をロープに投げつけたチチャは、619からミサイルキック。アサイDDTを狙ったチチャだが、うまく防御した椎葉はソバット、延髄斬りからフィッシャーマンバスター。続くダイビング・ボディプレスをかわして自爆させたチチャはスピードで丸め込むがカウントは2。椎葉もカウンターのレッグラリアットをブチ込むが、チチャは返す刀でバズソーキック。両者タッチして前口が橋之介に掌底とローキックのコンビネーションを叩き込むが、橋之介もスワンダイブ式ゼロ戦キック。そこにチチャが入ってきてステップ式延髄斬りを叩き込むが、十文字がチチャにジャンピング・フロントキック。マッチョが十文字をバイシクルキックで吹っ飛ばすが、椎葉も入ってきてマッチョとエルボーの打ち合いに。フランケンシュタイナーでマッチョを投げた椎葉は、前口にバズソーキック。かわした前口はハイキック。相打ちに持ち込んだ椎葉だが、前口は間髪入れずハイキック。6選手全員がダウンしていると、花道にダークマッチ継続中だった2と男が揉み合いながら現れる。場内が騒然とする中、「ダメだって! 空気読めよ!」と主催者をはじめ、出場選手たちが一斉に止めようとするが、試合は止まらない! 次々と選手たちが蹴散らされるが、どうにか2と男がリングに雪崩れ込むのだけは阻止された。それでもなおリングサイドで様々な選手が乱闘をしていると、エプロンに出た十文字が揉み合う選手たちをランニングロー無双。その背後から前口が十文字を場外に落とすとプランチャを投下。するとチチャとマッチョもコーナーからプランチャ。すると椎葉と橋之介もノータッチトペコンで追撃。リング上に一人残された京平レフェリーが「行くぞコノ野郎!」とロープに足をかけ、場外ダイブしようとすると慌てて場外の選手たちが制止! 試合を続行させないと、京平レフェリーが暴走してしまうと判断した選手たちは足早に退場していき、橋之介が前口をリングに戻す。エルボーの打ち合いからローリングエルボーを連打した橋之介はトラースキック。前口もハイキックを返してジャーマンで投げ捨てると、タイソンカットを決めるがカウントは2。ならばと必殺のタイソンスプラッシュを投下したが、椎葉と十文字がカット。チチャとマッチョが二人を場外に連れ出すと、前口はハイキック。かわした橋之介は打点の高いドロップキックからみちのくドライバーIIで叩き付けると、スワントーンボムを投下。カウント2で返した前口だが、橋之介はダメ押しのスカイツイスター・プレスを投下して3カウントを奪った。
20分を超える熱戦を制したのウォーリー山口Jrこと橋之介。父ウォーリー山口さんとは縁の深い京平レフェリーから勝ち名乗りを受けるのも感慨深いものがあっただろう。そしてマイクを持った橋之介が「今日、雨降って天候悪い中、たくさんのご来場本当にありがとうございます! あんまり僕、マイク苦手なんでうまいこと言えないですけど、この最高の空間、最高っすよね?(椎葉「最高!」)いろんな団体、フリーの選手、ジュニアが集まってこんな記念すべき大会、もう1回やりたいっすよね?」と言うと、売店にいた主催者の光留は「自分でやれ、自分で!」と叫ぶ。しかし、それを聞いた橋之介は「まあ自分でやれって言ってるけど、たぶんまたやりますよ! なので、皆さんが今日撮った写真とかSNSにバンバン上げて、もっと知名度高くしましょうよ! あと……何しゃべったらいいですかね? とりあえず……本当にマイク苦手なんですよ。じゃあ、今日、僕がメインで勝ったからこの場を締めていいですか? これからまたいろんなところで会うかもしれません。そのときはいろんな会場、俺だけを見ろ。今日はありがとうございましたー!」と叫んでインディージュニアの祭典を締めくくった。
椎 葉 よっしゃ、よっしゃ、よっしゃー!
橋之介 勝った、勝ったー! まあ爪痕残したんじゃないですか。十文字さんも残したと思いますよ。
十文字 フフフ(笑)。
椎 葉 (十文字の真っ赤になった胸板を指さして)めっちゃ気合い入って……根性あるっすね。やっぱね。
橋之介 ありますね。でもリング上で言ったことがすべてだと思います! またやりたいっすね!
椎 葉 そうっすね! これからこのインディージュニア、僕らみたいな若い世代がもっともっと盛り上げていくんでね。注目しててください。間違いないんでね。
橋之介 間違いない。おい、メジャーに負けねえぞ、俺たちは。(十文字に)何か言ってください!
十文字 おお! 自分はこの中で一番キャリアの浅い人間だったんですけど……だけど、そんなの関係なしにいけたんで、またこういう機会があったらまたいきたいと思います。
椎 葉 まあね、次はぜひ……闘う……ね?
橋之介 おっ! 闘っても面白そうですね。
椎 葉 対面に立ってね、やるのも面白そうだと思うんでね。
橋之介 まあ、でも今日は仲間として。ありがとうございました(握手)。
椎 葉 (握手しながら)ありがとうございました!
十文字 (握手しながら)ありがとうございました。
ーー大会総括を。
光留 いやぁ……まあやってよかったなっていうのが第一と。変な話ですけど、最後橋之介選手も言ってましたけど、これ次がなかったら面白くないなと思いますね。意味がある・ないじゃないですけど、もっとこうしたいなっていうのはあるし。今日は最高ですよ! とにかく、それは最高でした。ただ今日のすごいよかったなってなるためには、続きがいるんだなって。俺はやりたくねえなって(苦笑)。橋之介がやれよ!
ーー5年前にコンディション・グリーンという大会をやって、そのときのメインも当時若手選手だった……。
光留 そうですね、じゃあまた5年後だな!(苦笑)2027年に! そういうわけにいかない?
ーーあのときのメインみたいに、今日のメインに出ていた選手が今後大きく羽ばたく可能性もありますから。
光留 うーん、ただ当時と違うのは、当時は全日本の若手だったり、フリーの阿部とかもいたし、大日本所属の野村卓矢も入ってたけど、今日は所属っていう所属があってないようなものも結構多かったし。インディーって……何て言うんだろう。インディーって規模のデカさじゃないんです! やっぱ生き方なんですよ。所属もやっぱインディーの所属ってあるし。だから無名なメジャーより有名なインディーもいるわけじゃないですか、大仁田厚っていう。まあ大仁田さんがどんなに有名になったって、アレはインディーですからね。その6人を集められたなというアレはありますし。でももっと全国にはスゴイとんでもないインディーがいるんで(苦笑)。それに嫉妬してもらえるような興行に、結果的になった、みんながしてくれたなっていうのはありますね。
ーー終わってみれば楽しい試合から、ド突き合いとうかバチバチというか……。
光留 アレはよくないね(苦笑)。だからアレ、変な話、普通のプロレス団体でアレをやったらたぶん怒られると思うんです。だけど、そもそも電流爆破だって「あんなのプロレスじゃねえ」の代表じゃないですか(苦笑)。じゃあ電流爆破やったらスゴイかって言ったら、それは電流爆破がスゴイだけで、別に電流爆破をやったことがスゴイわけじゃないじゃないですか。考えた人が、初めてやった人が。そこにやっぱ自分たちも「俺たちだって生きてるんだ!」っていう。本当、ぼくらはみんないきているを体現するためには、彼らには過剰なバチバチが必要だったんだと思いますよ。だからみんな生きてたと思います、今日は。はい。あと……何て言うか、止めどないインディー臭、たまんなかったっすね!
ーー開催するキッカケはメジャー選手のSNSでの呼びかけでしたけど、そこに対してインディーらしさを見せられた大会になりましたか。
光留 プロレスって有名な選手がやることが、もちろんいいと思います。仕事だし。商売するんだったら、有名な選手が有名なギャラを大きいところでやって、多くの人を楽しませることっていうのは、スゴイ大事なことだと思います。でもそれ以外がプロレスじゃないかって言ったら、そんなことないです! 大きいメジャーと呼ばれる団体の中でも、バチバチ系の人もいれば、ルチャの人もいるし。U系の人もいれば、これぞストロングスタイルだ、王道だっていうのもあるわけじゃないですか。なんでインディーだけプロレスじゃないかっていう問いかけから、インディーって反骨心で生きてきました。そういう意味じゃ、本当に“ぼくらはみんないきている”って、(大会名に)よく付けたなって思いますね。2と男はもう死んでいいな(笑)。
ーーアレは結局また決着がつかなった?
光留 つかなかったですね。早く辞めたい(苦笑)。