日時:2017年9月24日(日)
開場:17:00
本戦開始:18:00
会場:東京・新木場1stRING
観衆:たくさんの想い(主催者発表)
ダークマッチ第1試合 ニコプロ杯・第4回THE NEXT CONTENDERS tournament 1回戦 5分1本勝負 | |
○ | SUSHI |
3分10秒 逆片エビ固め | |
● | 井土徹也 |
ダークマッチ第2試合 ニコプロ杯・第4回THE NEXT CONTENDERS tournament 1回戦 5分1本勝負 | |
○ | 土橋政春 |
2分45秒 肩固め | |
● | 唐澤志陽 |
ダークマッチ第3試合 ニコプロ杯・第4回THE NEXT CONTENDERS tournament 1回戦 5分1本勝負 | |
○ | 山本裕次郎 |
1分21秒 ヒザ十字固め | |
● | 玉川勝巳 |
ダークマッチ第4試合 ニコプロ杯・第4回THE NEXT CONTENDERS tournament 1回戦 5分1本勝負 | |
○ | 服部健太 |
5分00秒 判定 | |
● | 阿部史典 |
第1試合 グラップリングマッチ10分1本勝負 | |
○ | 関友紀子(花鳥風月) |
3分04秒 腕ひしぎ十字固め | |
● | 李日韓(ワールド・レフリング・フェデレーション) |
第2試合 ニコプロ杯・第4回THE NEXT CONTENDERS tournament 準決勝 10分1本勝負 | |
○ | SUSHI |
4分03秒 逆片エビ固め | |
● | 土橋政春 |
第3試合 ニコプロ杯・第4回THE NEXT CONTENDERS tournament 準決勝 10分1本勝負 | |
● | 山本裕次郎 |
6分02秒 フロントチョーク | |
○ | 服部健太 |
第4試合 グラップリングマッチ10分1本勝負 | |
○ | 桜井隆多(R-BLOOD) |
2分00秒 チキンウイング・フェースロック | |
● | 松永智充(DDT) |
第5試合 グラップリングマッチ10分1本勝負 | |
○ | KEI山宮(GRABAKA) |
3分32秒 腕ひしぎ十字固め | |
● | 丸山敦(フリー) |
第6試合 グラップリングタッグマッチ15分1本勝負 | |
○ | ディック東郷(フリー) |
和田拓也(フリー) | |
9分59秒 腕決めフェースロック | |
岩本煌史(全日本プロレス) | |
● | 鶴巻伸洋(フリー) |
第7試合 グラップリングマッチ10分1本勝負 | |
○ | 佐藤光留(パンクラスMISSION) |
4分57秒 肩固め | |
● | “brother”YASSHI(フリー) |
セミファイナル ニコプロ杯・第4回THE NEXT CONTENDERS tournament決勝戦15分1本勝負 | |
● | SUSHI |
12分02秒 チョークスリーパー | |
○ | 服部健太 |
※服部健太がニコプロ杯・第4回THE NEXT CONTENDERS tournament優勝。 |
メインイベント グラップリングタッグマッチ15分1本勝負 | |
○ | 高橋“人喰い“義生(フリー) |
ロッキー川村(パンクラスism) | |
11分24秒 レッグロック | |
将軍岡本(フリー) | |
● | 松本崇寿(リバーサルジム立川ALPHA) |
ダークマッチ第1試合はニコプロ杯・第4回THE NEXT CONTENDERS tournament 1回戦のSUSHIvs.井土徹也。グラップリングルールということで、井土はレガースはつけずに登場。足関節を取りにいった井土だが、SUSHIも逆に足関節を狙う。そこからフロントネックロックに捉えたSUSHIだが、うまく頭を抜いた井土。なおも上になったSUSHIはだが、バックに回った井土は強引にジャーマンでぶっこ抜く。残り2分となり、SUSHIは逆片エビ固めへ。一気に背中を反らしてシャチホコ型になったところで井土はギブアップ。SUSHIが準決勝進出を決めた。
ダークマッチ第2試合はニコプロ杯・第4回THE NEXT CONTENDERS tournament 1回戦の土橋政春vs.唐澤志陽。いきなりフロントから組み付いた唐澤はフロントスープレックスで投げていく。だが土橋は慌てず組み付こうとするが、唐澤はそれを嫌がりすぐに立ち上がる。それでも低い姿勢から組み付いた土橋だが、唐澤は胴絞めフロントネックロックに捉える。首を抜いた土橋は逆に肩固め。これが完全に決まってしまい、唐澤はタップアウト。土橋が準決勝進出を決めた。
ダークマッチ第3試合はニコプロ杯・第4回THE NEXT CONTENDERS tournament 1回戦の山本裕次郎vs.玉川勝巳。レフェリーとしてお馴染みの玉川は真っ赤なラッシュガードを着て登場。タックルを仕掛けた玉川だが、逆に押し倒して山本がマウントを取る。しかし玉川も下から腕を取って十字の体勢に。後転して逃れた山本は一瞬にしてヒザ十字固めを決めてギブアップを奪った。山本が準決勝進出を決めた。
ダークマッチ第4試合はニコプロ杯・第4回THE NEXT CONTENDERS tournament 1回戦の服部健太vs.阿部史典。阿部はレガースを付けずに登場。お互いにグラウンドを得意にしているだけに、両者ともにそう簡単に関節は取らせない。阿部は積極的にアームロックや腕十字を仕掛けていくが、服部は落ち着いて対処してバックを取る。そこからマウントを取った服部だが、阿部は回転しながらアキレス腱固め狙い。だが、体を密着させた服部は再び背後を取って胴絞めスリーパー。阿部はうまく防御して離れるとビクトル投げを狙ったが、これをかわした服部は何とか足に絡みついて足関節を狙う阿部に飛び付きながら前転してレッグスプリットを狙う。阿部は下からの腕十字で切り返すが、服部はすぐに離れる。阿部はなおも強引に足関節を狙うが、服部もレッグスプリットへ。ここで5分時間切れとなり、判定で服部が勝利。服部が準決勝進出を決めた。
主催者の佐藤光留が登場して、「本日はこのように非常に珍しいプロレスの大会にご来場まことにありがとうございます。この年に一度の組み技・レスリングのみの大会、今回で4回目になります。最初の1回目は最初で最後だろうと思ってやったんですが、まさかこのような大会が4回も、そして割と望まれる形で残っているというのが大変嬉しいです。自分は2000年にパンクラスでデビューしまして、来年でいわゆる3カウントがあるプロレスのほうに出始めて10年が経過するのですが、いまプロレス界は多様な価値観がある業界・ジャンルとなってまいりました。それこそ会場の2階から後ろ向きに飛んだり、蛍光灯を持って相手に飛びかかることが喜ばれたり、芸能人の方が芸能活動の一環としてプロレスをやる、そういうことも全てプロレスと呼ばれることになりました。逆に自分が子供の頃から目指していたプロレスであったりとか、プロレス団体として入門したパンクラスのスタイルとかは、いま格闘技という名前で、プロレスではないものとして区別をされる時代になりました。それでもやはり格闘技としてのプロレスをここ何回かは追い求めてきたのですが、この打撃が一切禁止の大会というのは、その元たる、集約された大会と位置づけています。蛍光灯で人を殴ることも、2階から宙返りして相手にぶつかることもプロレスだったら、プロレスの試合で序盤でレスラーがやっている、あのレスリングだけを用いた大会も、僕はこれプロレスだと声を大にして…要するに4年言ってるのですが、まあ会場の規模は変わってないと。ということは、そういうことなんです。ただなかなか言い出しづらいらしくて、今回も初参戦の選手がいるのですが、『前から出てみたかったんだ』『一度こういうのやってみたかったんだ』と言う声をいただきました。何でもっと早く言ってくれないんだよと、思う気持ちもたくさんあったんですけど、そういう気持ちがある限り格闘技としてのプロレスというのはまだまだ捨てたものじゃない。この日本のプロレスに必要不可欠なものだと思って『だったらもう思いきりやってください! 今後の生活に響いてくるkぐらいグラップリングしてください』と焚きつけておきました。それはそれはすごい寝技だけの大会が繰り広げられると思うので期待してください。よろしくお願いします!」と挨拶すると、今大会は新作Tシャツを作らず、旧作のTシャツを2000円で販売し、その売り上げ全額をTAKAYAMANIAに募金するとアナウンス。
第1試合は関友紀子vs.李日韓のグラップリングマッチ。試合を裁くのではなく試合に出ることになった李日韓は青いサンボ着姿で登場。低い姿勢から積極的に組んでいく日韓。関は体格差があるため、組まれるとパワーに押さえれ気味になるが、うまく対処して関節は極めさせない。グラウンドでの片羽絞めも不発に終わり、スタンディングでスリーパーに捉えた日韓は、そこからグラウンドに持ち込むが、逆にバックを取った関はスリーパーと思わせておいて、鮮やかに腕十字を極めてタップを奪った。
第2試合はニコプロ杯・第4回THE NEXT CONTENDERS tournament準決勝のSUSHIvs.土橋政春。1試合目は元全日本プロレスのSUSHIvs.THE OUTSIDERなどで活躍した土橋。体格で勝るSUSHIは組み付いてグラウンドに持ち込み、上から圧力をかけていくが、土橋は下からヒザ十字を狙う。SUSHIはパワーで逆片エビ固めを狙うが、さすがに土橋もなかなかステップオーバーさせない。それでもSUSHIは体重を乗せて上になることで土橋のスタミナを削っていき、もう一度逆片エビ固めにトライ。パワーで一気に持っていったSUSHIは、そのまま一気に背中を反らせていき土橋からタップを奪った。これでSUSHIの決勝戦進出が決定。
第3試合はニコプロ杯・第4回THE NEXT CONTENDERS tournament準決勝の山本裕次郎vs.服部健太。山本はパワーとスピードで服部を翻弄し、グラウンドに持ち込んでいく。服部も必死で回転しながら防御していくが、上になった山本はニーオンザベリーからカメになった服部の腕を取ってクルックヘッドシザースへ。すぐに首を抜いた服部だが、山本はガブっていくとフロントネックチャンスリーで投げてからアンクルホールドを狙う。回転して逃れた服部に対し、片足タックルを仕掛けた山本だが、背中に飛び乗った服部はスリーパー。慌てて振りほどした山本は差し合いから持ち上げようとするが、服部は正面から飛び付いて胴絞めフロントネックロックへ。山本は嘔吐きながらも耐えていたが、ヒザからガクッと崩れてタップアウト。この結果、トーナメント決勝戦はSUSHIvs.服部健太に決定した。
第4試合は桜井隆多vs.松永智充のグラップリングマッチ。DDTからは久しぶりのハードヒット参戦。佐藤光留がDDTを主戦場にしていた頃の盟友である松永は相撲が強いというイメージもあり、この日もショートタイツ一丁の素足で登場。しかし相手は元DEEP王者の桜井。しかもセコンドには石田光洋がつく。差し合いから押し込む桜井だが、松永もグッと押し込む。しかし桜井は両足タックルから松永を持ち上げると、マットに落としてアキレス腱固めを狙う。松永もこれは極めさせず脱出。すると松永は一気に桜井を肩口まで持ち上げてエアプレンスピンで回していく。目の回った桜井にドラゴンスクリューを決めた松永は、一気に足4の字固めまで狙っていくが、足を崩して防いだ桜井は下から足を使って松永を倒すと胴絞めスリーパーへ。そこからチキンウイング・フェースロックに捉えてギブアップを奪った。
第5試合はKEI山宮vs.丸山敦のグラップリングマッチ。低い姿勢の丸山をガブっていった山宮。丸山もカメになって防御すると、立ち上がった山宮と組んだ瞬間、アームドラッグで投げていく。しかし山宮はすぐにガブっていき丸山を卯さえ込む。動きを封じられた丸山に対し、押し潰しながらレッグスプリットに捉えた山宮はそのままローリングクレイドルのように回していく。丸山はどうにかしようと動くが、山宮はそこをうまく腕十字に捉えてギブアップを奪った。
第6試合はディック東郷&和田拓也vs.岩本煌史&鶴巻伸洋のグラップリングタッグマッチ。東郷と鶴巻はショートタイツに素足で登場。先発で出てきた両者。気合いの雄叫びをあげた鶴巻はタックルを仕掛けるが、バックを取った東郷はスリーパー。鶴巻が脱出してもすぐにバックを取ると、前転して腕十字を狙う。鶴巻も逆に腕十字を狙うが、極めさせなかった東郷はグラウンド・ヘッドロック。鶴巻が反撃しようとしたが、逆に東郷がアキレス腱固め。鶴巻もアキレス腱固めで対抗するが、東郷は立ち上がって脱出。両者のパートナーが手を伸ばすがタッチを拒否。さすがは“レスリングマスター”の異名を持つ東郷。グラウンドテクニックもかなりのもの。その東郷は組み付いてからフロントネックロックに捉えるが、首を抜いた鶴巻はサイドを取る。だが、東郷は腹筋を使って立ち上がってみせる。なおもタッチしないでいると、東郷が前転フェイントから和田にタッチ。ここで鶴巻も岩本にタッチ。ビクトル投げを狙った和田だが、岩本はジャーマンで切り返そうとする。和田は投げられる前に脱出。しかし岩本は巴投げからの腕十字を狙う。和田も素早く対応してタックルで回避するが、岩本も足関節は取らせない。一旦離れてから組んだ直後、孤高の芸術で投げた岩本だったが、その直後に和田は俵返し…ではなく、ドクターボムを返していく。ここで和田が東郷にタッチすると、岩本は鶴巻からのタッチ要求を「まあまあ」とやんわり断って東郷と組んでいく。首投げからグラウンドに持ち込んだ東郷だが、スイープして上になった岩本。しかし東郷は下から足関節を狙いながらスイープして上になる。ここで東郷が立ち上がると、岩本は寝転がり猪木-アリ状態に。東郷がニヤリと笑って立ち上がった岩本にカニ挟みを狙ったが、岩本は素早く覆い被さって腕十字を狙う。東郷が防御しようと相手コーナーに押し込んでいくと、鶴巻が岩本の背中にタッチ。納得いかない岩本だが、東郷はグラウンドに持ち込んでレッグロックを狙う。しかし極められず一旦離れると、東郷はタックルへ。受け止めた鶴巻はフロントネックロック。しかし東郷は飛行機投げから一気に得意のクリップラークロスフェースに捉えてギブアップを奪った。
第7試合は佐藤光留vs.“brother”YASSHIのグラップリングマッチ。YASSHIはコスチュームこそいつも通りだが、シューズと頭のバンダナはなし。すると、そのコスチュームを脱いで黒いショートタイツ一丁になったYASSHI。一方の光留はアーミーグリーンのショートスパッツ姿だったが、そのスパッツを脱いで黒いショートタイツ一丁に。光留のタックルを切ってレスリングの動きをするYASSHIに、舌から絡みつこうとする光留。だが、YASSHIは振り切るように胴絞めフロントネックロックへ。首を抜いた光留はサイドヘッドロックに捉えるが、カメになったYASSHI。どうにか切り崩そうとする光留だが、YASSHIはバックに回ると胴絞めスリーパーへ。これを決めさせず立ち上がって足関節を狙った光留に対し、YASSHIは極めさせずにタックルからハンマーロックに捉える。光留が脱出しようとしたところを、うまく腕十字に捉えたYASSHI。さらにクラッチを切って腕を伸ばしたが、光留も必死に上体を起こすと逆に腕十字の体勢に。防御したYASSHIは足関節を狙ったが、これは入りが甘く光留は腕を取って一気にチキンウイング・アームロックへ。そこから袈裟固めにスイッチした光留は。ブリッジしたりエビになったりして逃げようとするYASSHIを肩固めで押さえ込む。これでYASSHIが動かなくなったところでレフェリーが試合を止めた。試合後、握手を求めた光留。YASSHIが慎重に応じると、抱き合いながら言葉を交わしたあと、お互いに正座をして一礼した。
セミファイナルはニコプロ杯・第4回THE NEXT CONTENDERS tournament決勝戦のSUSHIvs.服部健太。体格で勝るSUSHIが浴びせ倒すようにグラウンドに持ち込む。バックを取ったSUSHIはそのままサイドにパスするとアームロックを狙うが、服部は回りながら脱出を試みる。しかしSUSHIはマウントにパスして肘グリ。体重があるだけに服部はキツそう。するとSUSHIは強引に逆片エビ固めを狙うが、服部は警戒していたか防御。ならばとアキレス腱固めにスイッチしたSUSHIだが、服部はサイドにパスすると一旦立ち上がる。組みにきた服部のバックに回ったSUSHIはロープに押し込みながらスリーパーへ。服部はうまく防御すると、組みにきたSUSHIのバックを取る。体重差に苦しんでいる様子の服部に対し、SUSHIは強引にサイドスープレックスで投げていくと、一気にアームロックを狙う。さらに腕十字を仕掛けたSUSHIだが、服部は背後に回ると逆にスリーパーを狙う。体勢が崩れ上になったSUSHIはサイドを取る。体格とパワーの差でSUSHIが優勢に試合を進めるが、服部は粘り強く防御し続ける。SUSHIはこのトーナメントで多用している逆片エビ固めを狙うが、服部はやはり警戒していたかうまく防御。ならばとフェースロックを狙ったSUSHIだが、カメになった服部。バックに回ったSUSHIは強引に投げ捨てる。しかし服部はすぐにSUSHIの足首を掴んで防御の姿勢。SUSHIは再びバックを取るが、服部はフロントネックロックで切り返す。だが、首を抜いたSUSHIは強引に逆片エビ固めへ。服部は腕十字で切り返そうとするが、SUSHIがサイドにパス。マウントを取ったSUSHI腕十字を仕掛けるが、バックに回り込んだ服部はバックマウントからアンクルホールドを狙う。SUSHIも逆にアンクルホールドを狙っていくが、服部は再びバックを取っていく。だが、起き上がったSUSHIはフロントネックチャンスリーで投げてからネックロック。これも服部は脱出してみせると、片足タックルでテイクダウンを奪い、バックマウントからスリーパー。SUSHIはそのまま立ち上がってみせたが、服部はなおもスリーパーで絞めていく。SUSHIはヒザから崩れ落ち、ついにタップ。大逆転で勝利し、ニコプロ杯・第4回THE NEXT CONTENDERS tournament初優勝を飾った服部は大喜びでガッツポーズ。SUSHIもかなりのグラウンドテクニックの向上をアピールしたが、あと一歩のところで敗れてしまった。
メインイベントは高橋“人喰い“義生&ロッキー川村vs.将軍岡本&松本崇寿のグラップリングタッグマッチ。高橋&川村は高山善廣の入場テーマ曲『DESTRUCTIVE POWER』で入場。二人ともTAKAYAMANIAの赤いTシャツ姿。高橋は白いショートスパッツで腿の辺りには「藤原組み」の文字が。川村と松本の先発で試合が始めると、松本は地を這うような低い体勢で川村を威嚇。猪木−アリ状態から寝転んだりして挑発する松本だが、川村は松本ペースにハマらす慎重に道着の襟を掴んでいく。それでも松本はヒールホールドを仕掛けていくが、川村が防御すると、すぐにニーオンザベリーのネックロックから腕十字にスイッチ。川村がクラッチすると、今度は足関節にスイッチ。川村が脱出すると、松本は岡本にタッチ。一気にロープまで追い込んだ岡本はサイドヘッドロックでグラウンドへ。袈裟固めで絞めあげる岡本だが、川村は必死に体を密着させて防御。しかし岡本は上四方でしっかりと押さえ込むと、ガブっていく。川村は片足タックルを仕掛けるが、逆にマウントを取った岡本は肩固めを仕掛ける。ブリッジをして防御する川村は何とか脱出して自軍のコーナーに戻るが、高橋はタッチに応じず「行け」と指示。再び岡本に組み付いた川村だが、バックを取った岡本。ならばと腕を取ってワキ固めを狙った川村は、岡本が踏ん張ると背後に回って飛び付き、オンブ式スリーパー。だが、岡本が前方に落として脱出すると、川村は高橋にタッチ。岡本のタックルを切って腹固めを仕掛けた高橋だが、岡本が防御すると袈裟固めにスイッチ。 必死で逃げようとする岡本が、たまたま伸ばした足に松本の手が届きタッチ。低い姿勢から寝羅う松本をガブった高橋はフロントネックロックへ。サイドにパスして脱出した松本だが、ここで川村の手が高橋に届いてタッチ。寝た状態からクルクル回転する松本を、どうにか捕まえようとする川村。松本は変形のオモプラッタからフットチョークに捉える。そこから三角絞めのスイッチした松本は、一気に腕十字を仕掛ける。クラッチが切れた川村だが、どうにかサイドにパス。10分が経過し、一旦離れたところが松本が道着の帯を取る。組み付いてコーナーまで押し込んだ松本だが、ここで高橋が川村とタッチ。組もうとした松本のバックに回った高橋は高山を彷彿させるハイブリッジのジャーマンで投げ捨てる。朦朧としながらもカメになった松本だが、高橋はレッグロックに捉えていく。これが完璧に決まって松本はタップアウト。
勝った高橋はマイクを持つと、「ひとつだけ。伝えたい人間がいるから。高山! 去年の12月だったかな。お前、俺に言ったよな。『高橋さん、もう1回一緒にやりましょうよ』って。その話がキッカケで、俺またこうやってリングの上に戻ってきてるんだよ。いま高山……いつまでも俺はこのリングの上でお前のことを待ってるよ。……信じて待ってるからな俺は。…………これ以上、言葉にならないからこれで終わりにする」と、こみ上げてくるものを堪えながら病床の高山にメッセージを送った。そして高橋は着ていたTAKAYAMANIAのTシャツをアピール。和田良覚レフェリーもあふれ出る涙を堪えきれない様子だった。
ーー大会の総括を。
佐藤光留 感動の試合あり、バラエティにこんなに富むとは思わなかったです。(会場を)出て行くお客さんに言われました。「タッグマッチ面白かったです」「こんなカード組むなんて天才ですよ」って言われたんですけど、基本どうなるか分からないまま、勝手に組んで勝手にやらせているんで、すごいのは選手です。自分で言うのも何ですが(苦笑)。
ーーご自身の試合ではYASSHI選手と張り合うようにショートタイツになってましたが。
佐藤光留 これ、ちゃんと読んでほしいんですけど、今日のためにタイツ作ったんですよ! 作ったんですけど、出番10秒でした。リング上でパッと思ったんですよ。brother選手がショートタイツ一枚になったことで、確かに新しい(タイツを)作った。でもハードヒットに出るためにbrother選手はあのタイツ一枚で勝負してきたんですよ。何か一緒に格好付けている自分が、何かちげぇなって思って。で、脱いだ瞬間にヤバイと思ったんです。すごいスースーするんですよね。
ーーあれっていわゆるアンダータイツ?
佐藤光留 アンダータイツです、ホントに。だからグラウンドも非常に足の開き方とかが制限される中だったんですけど、最悪(股間が)見えちゃったら主催者にマイ枠かかるなと思ったら、あ、俺主催者だからいいやって思って。大事なのはやっぱり心意気なので。ハードヒットのレスリング・組み技・グラップリングっていうものに心を傾けてくれたわけですから。それに主催者が応えなかったら、それはイカンなと思いましたね。
ーーCONTENDERS tournamentでは服部選手が優勝しました。
佐藤光留 4回やって3回準優勝(注:実際は2回)、1回やっと優勝。SUSHI選手がちょっとデカイけどと思ったら、より大きくなってて。あれたぶん全日本プロレスだったらヘビー級ですよ。SUSHI食い過ぎなんですけど、組み技・レスリング全般に言えるんですけど、苦しい時間って過ぎるまで諦めなかったら何とかなることって多いんです。服部健太はデビューもグラップリングの1DAYトーナメントですから。勝村(周一朗)さんがやったやつですけど、堪え忍んで! 負けて負けても、ダークマッチに落ちても……今日は試合では勝ったけど、彼はレスリングから「まだ試合終了じゃないんだ!」「まだ逆転出来るんだ」っていう1勝をもぎ取るために何十敗もしてきたんだ。だから人生をかけてレスリングから学んだのかもしれないし。そういうのがあったんじゃないですかね。
ーーメインでは高橋選手が高山選手に向けて「俺はまだ頑張るぞ」っていうエールを送っているような試合でしたが、今日は東郷選手とかベテラン勢の活躍が目立ったような気がするのですが。
佐藤光留 うーん、僕もぶっちゃけ高山選手には想うところがたくさんあるんですよ。けど、高山選手への想いっていうのは、きっと僕よりもいろんな想い方をしている人が…これはファンの人も含めて、いろいろ想っていると思うんです。世代的には僕、鈴木(みのる)さんが一回り上で、鈴木さんよりも上の高山さん。大先輩に出来ることって言ったらっていうのを考えて、ハードヒットを続けているんですけど。その中で高橋さんが……あとで話聞いてもらうのが一番だと思うので。同じぐらいの世代の人・選手の中に、その人なりの想いっていうのがある思うので。ぶっちゃけ、いろんな想いがあると思うんです。「高山さんのこういうところを応援したい」とか、いろんなところがあると思うんですけど、それはすべてが正解も不正解もないんですよ。全部、人の想いなので。まあ……ここからは高橋さんに話してもらったほうがいいと思います。
ーーでは次回大会がもう12月30日に決まっていますが。
佐藤光留 困ってます! 本当は今日カードを発表する予定だったんですけど。それこそ高橋さんとか、僕の対戦相手とかいろいろやっているうちに、とてもじゃないですけど、1ヶ月ぐらいで調整が利かなかった。これからスポンサーを見つけて……ニコプロだけじゃ足りないんですよ!(苦笑)ニコプロがね、1興行につき、いま200万出してくれているんですけど、それじゃ足りない選手を呼ばないといけないわけですよ。まあでも年の瀬、RIZINとか他のイベントとかたくさんありますけど、プロレスも格闘技としてのプロレスを追い続けるのなら、ハードヒットが年末にあったって自然のことだと思うので。規模じゃ勝てないかもしれなけど、それこそ服部健太イズムで諦めずに頑張ります。
ーー今回高橋さんのほうから「高山選手にエールを送るって意味でもメインでやらせてほしい」というお話をされたそうですが。
高橋“人喰い”義生 高山の病状がいますごくヤバイっていうのは聞いていたんですけど……何を送っていいのかもちょっと分からなかったのですが、とにかく俺は待っているってことを伝えたかった。アイツが「もう1回やろうよ」って言ってくれなかったら、俺もリングに戻ってきていない可能性が高かったので。
ーーハードヒットっていうのは佐藤光留選手がUを受け継ごうとやっている大会ですが、こういう大会だからこそ高山選手と一緒にやれることがあったのでは?
高橋“人喰い”義生 はい、そうですね。今日、生まれて初めてタッグマッチっていうものに出ましたけど、高山とも組みたいっていうのもありますし。だから……とにかく気持ちだけは伝えたかったんですけど、段々と言葉にならなくなってきちゃったんで……。あそこでまた言葉考えて、訳の分からないことを言い始めると、チンプンになってしまうからあそこで逆に切っちゃったほうがいいなと思って、切っちゃったんですけどね。
ーー今後もハードヒットにあがり続けることで、高山選手にエールを送っていこうと?
高橋“人喰い”義生 そうですね。俺はいつも待っているよと伝えたいですね。
ーー今日はテーマ曲もそうですけど、ジャーマンも意識されて?
高橋“人喰い”義生 そうですね。チャンスがあればって。松本が道着着ているから滑らなくていけるかなと思って。僕がちょっと汗がひどかったので、普通に裸同士だったら汗で滑ってたかもしれないですけど、道着着てくれていたお陰で投げることが出来ましたね。
ーーグラップリングっていうのはいかがでしたか?
高橋“人喰い”義生 元々、僕はレスリング出身ですし、グラップリングの練習だけはいまだにずっとやっているんですね。打撃のほうはこのあいだの復活戦のときは集中的にやりましたけど、今回はグラップリングってことで、グラップリングの練習に専念していたので。ただ相手も柔術やっているから、レッグロックみたいなああいう技は知らないのかなと思っていたので。最後はアレ狙っていこうと思っていたんです。
ーー初タッグを組んだロッキー川村選手はいかがでしたか?
高橋“人喰い”義生 いやぁ、やっぱり粘り強いなって思いましたね。結構ヤバイところが何個かあったんですけど、そこを全部乗り切って、僕が「行け行け」って言ったら、ちゃんと行ってくれるし(笑)。なかなかコイツ、いい奴だなと思いましたね。
ーーそのタイツは前からですか?
高橋“人喰い”義生 いや、これは新しく作りました。前回7月のときに藤原(嘉明)のオヤジに「また藤原組って名乗りますよ」って言って「勝手にしろ!」って言われたので、勝手に入れさせてもらってます。
ーーあそこが原点っていう思いは強いですか?
高橋“人喰い”義生 そうですね。この間、僕が復活するときもすごい心配してくだっていて。僕がIGFのコーチをやっていたときも、組長がIGFの道場に練習をしに来たことはなかったんですけど、僕がコーチやるようになってからはちょこちょこ遊びに来てくれたりするので。すごい僕のことを心配してくれているんだなって。藤原組を立ち上げたときに、僕が生え抜きで一番先にデビューしたので。僕もあの人がいなかったら、この世界に入っていないですから。思い入れ的なものをここに出してみました。
ーー佐藤光留選手からは「4回やったトーナメントで準優勝ばっかりだったら、やっと優勝した」というコメントがありました。本人的にもやっとという気持ちですか?
服部健太 はい(苦笑)。4回目で最初の2回が準優勝させていただいて、次は準決勝で負けてしまって、今回は4回目だったんで本当にやっとと言うか、手が届きそうで届かないグラップリングトーナメントだったので、すごい嬉しいですね。
ーー過去このトーナメントで優勝して、岩本選手とか松本選手とかが大きく活躍していきましたが、そういう姿を見て悔しいと思ったことはありましたか。
服部健太 そうですね。やっぱりここから優勝して、羽ばたいていく選手がいっぱいいたので、自分もこれを機にいろんな強い選手と闘えたらいいなと思っているので。
ーー決勝戦ではSUSHI選手と当たりました。体格差がかなりあったと思うんですが。
服部健太 いやぁもうほぼ一方的でしたね。体格差もそうですけど、圧力がすごくて。やっぱり全日本さんでずっとやってきた人なので、やっぱり強敵でした(苦笑)。
ーー佐藤選手は「服部選手が最後まで諦めなかったら大逆転があった」と言っていたのですが。
服部健太 そうですね。でも自分の団体のベルトも獲りましたし、自分は花鳥風月としてハードヒットに出させてもらっているので、頑張っていかなという気持ちがあったので。負けられないな、絶対に勝ってやるっていう気持ちだけでした。最後は。
ーー例年通りならこのトーナメントで優勝すると、対戦したい選手と対戦出来る健みたいなものがあったような気がするんですけど。
服部健太 ああ! いまはちょっとパッと思いつかないんですけど、ぜひハードヒットでもトップに立っている本当に強い人とぜひ闘いたいと思っています。
ーーこのところ、ダークマッチでやる機会が多かったと思うのですが、「いつか本戦で」っていうのは、このトーナメントで勝ってこそっていう気持ちがずっと強かったですか?
服部健太 そうですね。ちょっとやっぱりダークマッチが続いていたので。やっぱり本戦からそっちに移ったっていうのは、ちょっと悔しい思いもあったので。グラップリングトーナメントで優勝して、またちょっとトップ戦線…じゃないけど、そういうところに入っていけたらなと思っていました。
ーー1回戦で当たった阿部選手なんかは、いますごく色々な団体で活躍していますが、そういう選手には負けられないっていう気持ちが感じられました。
服部健太 そうですねぇ。年齢もちょっと近い選手なので、そういう世代の選手に闘って行かなきゃいけない選手なので。同じ世代の選手っていうのはよく見てるので、そういう人たちには負けられないっていう気持ちがすごいありました。